松野孝一の発言 (建設委員会)
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○松野孝一君 第三班について御報告いたします。
内村、櫻井両委員と私と先月二十八日から一週間の日程で、九州地方の建設省関係事業の調査に行って参りました。日程、視察の順路、視察個所等につきましては、お手元に配付いたしました資料で御承知いただきたいと存じます。
視察は主として、道路と河川改修の現況並びに計画について行なって参りましたが、以下二、三の所見を述べまして、報告にかえさせていただきます。
道路について。
視察いたしました道路は、国道三号、十号線、二級国道の二百二十一号線、二百十九号線、二百十六号線、百九十九号線並びに有料道路としての長府及び関門道路、北九州道路、霧島道路、阿蘇登山道路、工事中の若戸橋及び計画調査中の天草連絡道路と、九州横断道路等でありますが、まず国道について言いますと、一、二級国道ともまだまだ未改良部分が多いこと、たとえて言いますと、宮崎県管内の十号国道の未改良部分は七〇%、熊本県管内の三号国道の未改良部分は七八%という状態で、舗装に至ってはそれぞれ一五%、二六%という低さにとどまっています。二級国道におきましては全国的にそうでありますけれども、山間部の未改良が非常に多いことが感ぜられました。大分・佐伯線の二百十七号線は、佐賀関—津久見間の山間部の開通がまだできていないということでびっくりしたような次第です。
また今回視察しまして特に問題であろうと思われますものに、橋梁のかけかえの件があります。これは地方道でありますが、河川の改修工事が進捗していないために、災害復旧費で一部改良工事を付加して作られた永久橋の部分と、応急架設の木橋の部分が継ぎ足されて、橋梁としては一応人馬の交通の便にはなっておりますが、自動車交通は不可能であるといったものが一、二にとどまらなかったのであります。
例をあげますと、球磨川上流の深田村庄屋橋があります。この橋は昭和二十三年の水害で一部を残して流失、復旧は河川改修計画に合せて流失部分を永久橋で架設したが、残った橋梁部分とは橋床の高さに開きがあり、桟橋状に継いで、辛うじて人だけは通行できるという状態で十年余を過ぎてきている始末ですが、これなどは河川改修工事に付帯して早急に完成をはかるべきではないかと思います。
ただし、この際実際に問題になるのは、地方道の場合、市町村の財政負担が可能かどうかということになりますから、国としても十分に検討してほしいと思います。
次に有料道路ですが、霧島や阿蘇道路はいずれも観光道路ですが、採算上の成績はあまりよくないかと思います。今年度から北霧島道路と南霧島道路とを結ぶ計画が実施の運びになるそうでありますが、観光ルートというものを当初から計画に入れて実施に移す必要があると思います。その点で、現存公団で調査測量中の九州横断道路は、実質的には別府—阿蘇—雲仙を最短距離でつなぐ観光ルートとしての道路になりますから、観光道路としての機能、効率はよくなることと思います。ただ観光道路として見た場合には、この横断道路が、これまでの九州一般の料金収入の状態や採算上の経費の点から、砂利道になるようなことは避けるべきではないかと思います。
天草連絡道路は昭和三十一年から調査に着手、今明年度には完了するということでありますが、この道路は未開発後進地域天草の開発道路だと思います。離島と本島とを結ぶという点で一脈若戸橋にも通ずるものがありますが、天草島自体の道路整備がきわめておくれている点、道路公団の事業として見るよりも、むしろ公共事業的性質が多いと思われますので、この計画の実施の検討に当っては、ただに企業採算上からばかりでなく、建設省としても特別の考慮が払わるべきであると思います。
また若戸橋は、海上吊橋として総工事費五十一億円、わが国最大の橋梁工事でありますが、三十七年度竣工を控えて、これに接続する二級国道百九十九号線の改良拡幅をあわせて実施し、橋梁完成後において十分なる効果を発揮し得るようにぜひともすべきであると考えます。
河川について。
直轄河川の大淀川、球麿川、白川等の改修工事は着々進捗してはおりますが、それらの進捗率は微々たるもので、白川は四・七%、球磨川上流工事は一九・六%という状態におかれています。この現況から見ますと、新治水五カ年計画におきましても、これらの改修計画はその何パーセントを進捗することになるのか、きわめて心細い感を抱かせられたのであります。
さらに中小河川以下においては未改修原始河川も多く、累年水害に悩まされている地元の人々からは至るところで改修促進の陳情を受けてきたのであります。それらの詳細は省略いたしますが、たとえば黒川の例でみますと、上流部は二十八年災の災害復旧助成工事で、中流部は一部の中小河川改良区域を除いて局部改良、下流部は中小河川改良区域として取り扱われて、中流部の局部改良区域が来年度から二十八年災の復旧工事費の打ち切りによって、この区間だけ進捗が取り残されるということで、これが中小河川改良区域編入の要望がきわめて強かったのであります。黒川改修の残事業はなお約一億円と見られていますので、工事の進捗について地元民の強い不安と不満が現われているのだと思います。
終りに、本年七月水害の状況を福岡県について見ますと、砂防施設のすでに行われておった所は、下流にほとんど被害は皆無であったことが明らかに示されておりますことと、市町村の一件十五万円以下の小災害がきわめて大きな数字に上っていることを申し述べておきたいと思います。
以上で報告を終ります。