葛西嘉資の発言 (社会労働委員会)

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○参考人(葛西嘉資君) お話のように、確かに三十何名北鮮から帰って参りますときには、なかなか日本へ帰っても生活が定着してからもむずかしかろうというような意味で、生活の援助というような意味で、たしか朝鮮円で二万円、それを何か外貨にして換算すると、大体六万円近くになる。日本の金にして、当時六万円だったと思います——ぐらいな金を一人ずつにくれたことは、これは事実でございます。現にジュネーブでもその話を向うが打ち出しまして、やってくれ、やってくれと言って、盛んに申しました。ところが、大体話が違うということをこっちは申しました。さっきも一番最初申し上げましたように、大体終戦の直後、朝鮮に帰りたい者は政府の責任で、申し出なさい、それは帰しますということで、ちょうど二十一年の終りごろになりますと、五十万の希望者があったものが大体八万人ぐらいしか帰らなんだ。当時、から列車が走ったといういきさつがあったのでございます。これは本人の意思で日本にとどまった、それが今度帰るのだから、朝鮮から来た者とは若干そこが違いはせぬか。それからただいま御指摘になりましたように、数が違うので、とても朝鮮並みにはできませんということで、まあしかし、やはりおっしゃるようなことを向うは言いましたのですけれども、大体日本側で提供する便宜はこれこれ、それから朝鮮へ帰ってからの、船の中をどうするとか、それから定着地においては住宅だとか就職だとか、あるいは就学ですね、そういうようなものについて世話をしますということをまあ協定の中に入れてあるのでございます。それで、日本側で与える便宜はこうこう、それから朝鮮側で与える便宜はこうこうというのを協定の中に—おっしゃるように、調印までまあ極秘中で、向うもそれを発表しておりません。こっちも従って出しておらぬのですが、大体そういう内容になっております。それには今の日本に残していく財産なんかは法的に保護する、それから持っていきたいものは引っ越し荷物とか、それから職業用具だとかというようなもので、税関で今まで許しているものは相当大幅に認めるという政府の御方針でありますということを伝えておきました。ただ個人に金をくれるかどうかというような点は、これはそうはいきませんというのを言ってございます。ただそれじゃ本人が自分が金を持っておったらどうかというふうな点でございます。それでは財産を処分していくというような場合はどうかということでございますが、大体協定の中には日本円で四万五千円だけは英ポンドにして持ち帰らせる。それ以上を持っておった者は、非居住者円預金という制度があるそうでございます。日本に預けておく。そうして日本に預けておいて、必要があれば、本人から言うてきたら支払ってやるというふうにして保護してやる。それから汽車の便宜でございますね、荷物なんかの便宜は六十キロ以内はただにするとか、チッキにすればチッキ料が要るわけでございますが、そんなことで大体朝鮮側の本国の方は、まあ日本側の援護はこれだけ、朝鮮側の援護はこれだけということで、協定には書いてございます。まあ赤十字の方としてもできればたくさん何とかしてやりたいのですけれども、それはもうこっちが大へんで、そんな労力もないものですから、もう私どもとしてはそれ以上のことはできないということを本国側にもはっきり、これはあとでまた遅滞でもしては困ると思って、はっきり申しておきました。

発言情報

speech_id: 103214410X00219590810_016

発言者: 葛西嘉資

speaker_id: 25628

日付: 1959-08-10

院: 参議院

会議名: 社会労働委員会