清澤俊英の発言 (農林水産委員会)

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○清澤俊英君 そこで、最近四カ年の豊作だ、これは天候を克服して農民の努力による豊作であることは、最近間違いない一つの議論として成立していると思う。ということは、終戦後土地が解放せられた上に立った農民が、不満ながら主要農産物でありまするものに対して価格安定策を講じられておりますることが農民の生産性の向上を来たし、そうして最近のいわゆる四カ年豊作━━これは平年作であろうと思う━━というところまで持っていったのだろう、こう思うのであります。そういうことを考えまするならば、米価等はもっと慎重な考え方をもって農民にその意欲を発揮させることが私は生産性の向上の大なるものじゃないか。幾ら政府がけつをたたいてみましても、私はそう大した問題にならないと思う。今までの農民の心理は、農林省の方で普及員等がわあわあ言ってみましても、結局、あれは役人の言うことであって、われわれ田のまん中に立っている者にはあれは通用しない指導である、こういう形のものがみずから進んで最近は試験場に行って自分でもっていろいろのものを研究して、そうして普及員と相協力して増産を考える、こういう形に変ってきているのは、これは経済力がついたからである。そうしてみまするならば、私は十分それにまかなうような、農民の納得する価格をお出し下さることが正当だと思う。ところが、そうやってかりに米価が上りますと、直ちにこれが全部、何か米が上れば賃金が上る、賃金が上れば物価にはね返ってくるのだから、悪循環をしている、こういうような御議論をなさるのをいろいろ学者などから聞きますが、私はそれほどひどく主食が、この総主食がそれほどはね返るものじゃないのじゃないかと、こう思われます。ということは、農民の生活が上り、一般の生活水準が上ったからといって、それに比例して米は食われません。かえってそういうものが上れば上るだけ他の副食物などが中心になって、米の量は減るのじゃないか、だんだんと。これは大臣などもよく御経験になることであろうと思う。宴会などに行って山ほどこちそうを食べられたら御飯なんか食べられない。だんだん生活水準が上って、そういうものに転換して参りますならば、私はかえって主食は減っていくのじゃないか。限度があると思うのです。だから、生活水準の上っただけ全部、労働者の賃金が上っただけ全部それが、米の値が上っただけ全部賃金にはね返っていくということは考えられない。これが私は農産物の一番の悩みだろうと思うのです。何かはかにそういうことを言っておった学者もありましたが、こうしてみますならば悪循環による米価を押えるなどということは私はちょっと考えられない。ただ食管会計の赤字が出ているからということでそれを押えて他の方に回そうということが中心に考えられているのじゃないか。ほんとうに先ほど言われるような、大臣の言われるような 生産性を向上さして、そうしていろいろな方法をとって農家をよくする、こういう考えであるならば、いま少し農民が叫んでおりまする━━ただ私は欲ばかりではないと思う。実際の生活を見まするならば、欲ばかりではないと思う。そういうことでよくお考え下すって、この問題はもっと慎重に私は取り計らわれるべきが正当だと思います。その点どうお考えになりますか。

発言情報

speech_id: 103215007X00119590706_010

発言者: 清澤俊英

speaker_id: 21425

日付: 1959-07-06

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会