小倉謙の発言 (地方行政委員会)

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○小倉説明員 ただいま警察庁長官から御説明がございましたので、私は御説明の内容を聞いておりませんで、重複する点があると思いますが、ごく要点だけ申し述べることにいたします。
 当時の計画はチャペル・センター前、人事院付近、特許庁付近に約七万五千の者が集まって、そこから国会に対する請願行動を行なう、こういうような計画であったのであります。国会におきまして当時私どもでただしましたところ、そのような多数による請願というものは認めない、二、三十名の者であればこれを受け付ける。こういうような意向でありますし、またそのような多数の者が集まりまして行動を起こすということになりますと、当然公安条例違反の行動が予想されますので、その前日に国民会議の責任の方に、そのような請願行動は国会において認められておらないということで注意、警告をいたしまして、もし行なわれる場合には十分統制をとって違法な状態にならないように処理してもらいたいという警告をいたしたのであります。しかしながらその責任の方は、これは個々の者が請願権に基づいて請願するのである、計画通り行なうというような返答でありまして、翌日ほぼ計画通りの状況が展開されたわけでございます。
 従いまして警視庁といたしましては、先ほど申し上げましたような理由から、この集まります三カ所の点に警備隊を配置いたしまして、それが不法な行動に出る場合にはこれを制止する、こういうような態勢をとったのであります。三時ごろから国会に向けての行動が行なわれまして、激しいデモ的な行動あるいは制止線を突破するというような状況がうかがわれたのでありまして、特に特許庁付近における状況は非常に激しいものでありまして、特許庁から通産省前の方に出てくるあの付近でも数十名の警察官の負傷者が出る。また総理公邸の方に出てくる公邸の坂下におきましても、相当数の負傷者が出るというようなことで、だんだんと国会周辺の近くにこのデモ隊が出てきたのであります。一方チャペル・センター前の一万余の集団は、三時四十分か四十五分ごろから、これから同会に行くのだというようなことで激しい行動に出て参りまして、車道のところは自動車が置かれましてこれを制止しておったのでありますが、国会正面から見まして右側の舗道、チャペル寄りの舗道のところに最も力が加わりまして、そこにおいて突破し出てこようとするデモ隊と警察隊との間の激しいもみ合いとなり、ここにおいて双方に負傷者が出、警察官百名余のものがここで負傷をしたというような状況になって参ったのであります。そうして中には舗道と車道の間にあります道標に足をとられて倒れる、そうしてその上にデモ隊あるいはこれを制止する警察官が通りかかり重なり合うというような状況も出てきましたし、またチャペルのへいに押しつけられて、助けてくれというような声も出てきたのであります。警察部隊がこの負傷者を救い出し、救出するというような状況になっておりましたところ、遂にこの線からデモ隊が突破して外に出てきた。これは人事院の方向の道路に規制をしようとして努力をいたしたのでありますが、一時はその方にやや行きかかったのでありますが、だんだん多数になりまして激しい行動によって遂に阻止線を破られまして、正門の前に殺到してくるというような状況に相なったのであります。ちょうどそのころ総理公邸あるいは衆議院第二議員会館付近まで押し寄せてきておりましたデモ隊、これを警察官が制止しておりましたが、さらに地下鉄から約三百名ほどの者が出て参りまして、この出てきた者を総理公邸の方の警察官をもって規制しておったのでありますが、これがチャペル・センター前の状況を見ました影響かどうかと思いまするが、急にここから国会正門の方に向かって出てくる、こういうような状況に相なったのであります。四時ちょっと過ぎであったと思いますが、社会党の国会議員及び代表と称する人たちが国会の正門から入られて、引き続いてこのデモっておりました部隊が門を破って入ってくる、こういうような状況になりました。四時少し過ぎには三百有余の者が構内に入って、国会の正面玄関に突進してくる、こういうような状況に相なったのであります。その後一たん門を閉鎖して制止いたしておったのでありますが、四時三十分ころかと思いますが、中に入っておりました学生が中から門をあけるというようなことで、またデモ隊がついに警察官の阻止線を突破して入ってくる。また総理公邸方面におった者がこちらの土手といいますか、これを乗り越えて入ってくるというような状況が出て参りまして、ついにデモ隊が構内に多数入りまして気勢を上げながらデモったというような状況になったのであります。最高の場合にはこれが約一万二千名に達しておったと思うのであります。その後五時十分ごろ、総評の責任者あるいは社会党の国会議員らの指示あるいは説得がありまして、労働組合員はデモリながら正門を出て人事院の方向に向かい退散したのでありますが、学生約三千名は、なおも構内にとどまって蛇行進し、その学生が引き揚げて国会の外に出ました時間が六時ごろであったかと思うのであります。これがさらに防衛庁の方に行きましてすわり込む、あるいはデモるというようなことになり、夜になりまして、今度は夜学連の者が多数出て参りまして、防衛庁に集まり、残っておりました学生と一緒になりまして、さらに国会の方向に向かってきたのでありまするが、これを恩給局前あたりで警察隊の力により阻止して帰した。まあ激しい投石等がございましたが、これを阻止したのであります。これらの学生が新橋付近で解散いたしましたのが、大体十時ごろであったと思います。
 なお、この警備措置に伴いまして負傷しました警察官の数は、先ほど御説明があったそうでございまするから省略いたしますが、現在これらの事案につきましては、主として東京都公安条例違反、無届けの集会、集団行進、示威運動、この公安条例違反並びに国会に侵入したという点につきまして、建造物侵入罪等の法律上の根拠によりまして、厳重なる捜査を続けておる次第でありまして、十分に真相を明らかにいたしたいと思っておる次第でございます。
 いずれにしましても、このような国会に対する不祥事件が発生いたしましたことにつきまして、警備に当たりました警視庁といたしましても、まことに遺憾に存じておる次第であります。今後さらに警備上の検討をいたしまして、最善を尽くしたいと存じまするが、国会に対する陳情あるいは請願というような名目で、あれだけ多数の何万という人間が集まるというようなことが容認されるというような状況であります限り、この完全なる警備取り締まりということはなかなか実際上むずかしいというふうに思っておりまするが、今回の経験にかんがみまして最善を尽くして参りたい、こういうふうに考えております。

発言情報

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発言者: 小倉謙

speaker_id: 18884

日付: 1959-12-01

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会