柏村信雄の発言 (法務委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○柏村政府委員 去る二十七日の事件について私からその概要を申し上げたいと存じます。
まず最初に、前代未聞であるような国会への数千名の乱入という事態を引き起こしましたことについて、警察といたしましても今後大いに反省自戒しなければならぬ問題があると存じます。私どもも大いに今後注意をいたしたいということを前もってお断わりを申し上げておきたいと思います。
当日は安保条約改定阻止国民会議におきまして、第八次の統一行動日として国会に対して請願を行なうという形式のもとに、傘下労組と学生等に対して約七万五千の動員を指令いたしておったようであります。事実動員に応じて参加した者はおおむね二万五千名くらいと考えますが、これに対しまして、警視庁におきましては、国会当局におきまして、請願の形式でありましても集団の威力を背景とするようなものはこれを受けない、代表者二、三十名の者ならば平穏時に行なわれる場合これに応ずるというような態度でおりましたために、これを約五千七百名ほどの警察官によりまして行動を規制いたしたわけであります。この集団の側におきましては、チャペル・センター前と人事院とそれから特許庁付近三カ所に集団的に集まりまして、ここから国会に向けて行動を起こすという状況でございましたので、これに対応するような配置を先ほど申しましたおおむね五千七百名程度の警察官によって行なったわけでございますが、集団側はチャペル・センター前に約一万千数百名、人事院付近に六千七百名程度、特許庁付近に六千数百名という集まりを持ったわけでありますが、これが学生等を先頭にしまして国会へ押しかける態勢をとりましたので、それぞれチャペル・センター前と人事院前と特許庁を少し上がったところでこれを阻止する態勢をとったのでありますけれども、何分にも警察官の数が六千名足らず、それに対して二万五千余の動員された集団の力による圧力によってこれを突破しようと試みて参ったわけでございまして、たまたまチャペル・センター前におきまして、淺沼議員を代表といたしまして請願の代表二十名ほどが選ばれて国会正門から入るという状況に相なりまして、これを国会側において門を開いて入れる際におきまして、従来大体警視庁の態勢としましては、代表者が集団陳情に出かけるということになれば、普通はそれまでチャペル・センター前に集まっておった者は人事院前の道路を通って流れ解散をするというのが従来の例になっておりましたので、警視庁としましても、その前に非常な押し合いによる負傷者も出ておる状況でありましたし、これをさらに続ける場合においては、少なからざる死傷者を出すおそれもあるということで、自動車を配置しない歩道の側をゆるめて、これを人事院前の道路の方に誘導をいたす態勢をとったのであります。その請願の代表者が出たあと引き続いて誘導に応じかかった群衆のうち、四百数十名というものが、淺沼議員並びに代表団が入る直後に、強引に門を押し開いて国会の構内に乱入するという事態が起こったわけでございます。その後引き続いて周辺に集まっておりました数千名の者が国会の構内に乱入し、ジグザグ行進等を行なって気勢を上げた状況で、まことに遺憾な状態を現出いたしたわけでございます。その後衆参両院議長から警視庁に対しまして応援の要請がございましたので、警視庁としましては約五千名の警察官をその応援に差し向けたわけでございますが、これはただ単に、議長の特別の指示がない限り待機の態勢におってくれということで、待機の姿勢のまま時間を過ごしておったわけでございます。その後議員さん方の説得その他によりまして、労働組合関係者等は、おそらく五時ごろからと思いますが、次第に正門から退出をする。しかし学生並びに過激な団体等におきましては、なおさらに一時間程度構内で気勢を上げておったのでありますが、おおむね六時過ぎにはこれらも平静に門から出ていったという状況でございます。
詳しいことはまた警視総監の方から御説明申し上げることになるかと思いますが、私どもといたしましては、この警視庁のとりました警備態勢が万全なものであったというふうには考えておりません。この事態を反省しまして、さらに今後のこういうような事案に対しての警備態勢について、十分な検討を加えて参りたいと考えておる次第でございます。さらに、当日の事案は明らかに公安条例に違反するものであり、またその他の法令に違反するものも考えられますので、その刑事責任の追及についてはあくまでも徹底してこれを行なっていく方針をとっておる次第でございます。
以上、概要でございますが、私から一応の御報告を申し上げた次第でございます。