中曽根康弘の発言 (商工委員会)

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○国務大臣(中曽根康弘君) 国際原子力機関の設立当時に期待されたほど、現在はまだ活発な活動をしておりません。その理由は、各国それぞれいろいろな事情がございまして、原子力政策の推進ということが、国によっては停滞している国もありますし、それから石油の関係とか石炭の値段が、少し下がってきたというかげんもあったりして、原子力計画を一部延期した国もある、これは事実でございます。しかしイギリスとかフランスとかソ連とか米国とかいう大きな国は、今までの既定計画をたくましく推進さしておるようでありますが、東南アジアの国とかそのほかの国々は、一部そういうふうに停滞ぎみの国もあるのであります。そういう点等からいたしまして国際原子力機関に各国が力を集中させる努力が、足りないように思います。一つにはアメリカとソ連という関係の対立も内部に若干ありましてお互いが力を減殺しているという要素もございます。しかし日本は国際原子力機関を中心に、原子力政策を国際的には進めるという根本原則を堅持しておりまして、おそらく世界八十カ国の国で、日本ぐらいこれに力を入れて育成してきた国はないと思います。そこで天然ウラン三トンを国際原子力機関が正式に日本と協定して供給するということをやったのは、これは初めてであります。そういう意味で、国際原子力機関は、日本の努力を非常に多としております。それからわが国としては藤岡さんをアイソトープ部会に入れましてその中枢にも人を入れて努力して参りました。
 それから国際原子力機関が今やっておりますことは、この間もコール事務総長もわれわれと会いまして言明いたしましたが、災害補償のスタンダードをできたら作りたい。英国、米国、ドイツ、おのおのの方式がございまして国によってばらばらであります。そこでそれを国際的にどうせ世界の保険プールができなければできないことでありますから、こういうような協定ができますと、国際的な基準を数理統計的にも統一する必要がある。そこでその確率を探して災害補償に関する国際基準を作ろうということを、今専門家を集めてやっております。
 それから第二には、放射線の許容量という問題も非常に大事な問題で、これは日本側といたしましても強く今要望しておりまして別の機関として国際連合の放射線関係の科学者の委員会がございますが、これは大体政治的な委員会です。それに対して純科学的な委員会はこの国際原子力機関が担当してやるべきだというので、専門家を網羅いたしまして全世界におけるフォールアウトを、スタンダードを作って検出して、そうしてどれくらい放射能がふえているかふえていないかということを調べてもらっうように、これは日本側がイニシアチブをとりまして、私もこの間会いまして、非常に強く要望してこれを今検討し、準備中でございます。そのほか原子力商船、あるいは原子力潜水艦等が七つの海を遊よくするようになりますが、この場合の国際法をどうするか、港に入ってくる場合の汚染防止をどうするか、これもやはり国際的な問題になるわけであります。これに関する調査研究も今実施しております。目下のところはそういう準備行為をやつておりまして、実際のこういう業務の受け渡しのような実施行為はちょっと遠のいておるようでございます。

発言情報

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発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1959-12-03

院: 参議院

会議名: 商工委員会