栗山良夫の発言 (商工委員会)
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○栗山良夫君 私はこれから育てていく原子力の平和利用のために、当面必要な案件として、一応本案に賛成をいたしたいと思います。ただ、だからといって十分満足をして賛成をするわけではありません。というのは、すでに衆議院におきましても、決議が行われておりまするように、また当委員会におきましても、いろいろな角度から、同僚委員から質問が展開せられましたように、いろいろと重要な問題をはらんでおります。ただ、材料の加工に対する事故の免責というような、この法案に盛られた内容を越えました各般の問題で、いろいろな問題があるわけであります。そこで、私はやはり政府に強く要望をしておきたいことは、今日原子力の平和利用ということは時代の大きな流れでありまして、国際的な連帯責任の上においてこれは発展されるべきものであります。一国が独占をすべきものでもありませんし、また一国がこれを独占して他の国に経済的な圧迫を加えるという、そういう性質のものではない。あくまでも人類に与えられた第三の火として公正不偏にこれを利用させていくという見地でなければなりませんから、そこで国際的なやはり研究、国際的な管理、国際的なサービスというものが当然第一義に取り上げられなければならぬのであります。政府の説明によれば、その趣旨に沿いまして、国際原子力機関には日本としては世界各国に劣らない協力をしてきておる、これからもするということでありますから、その点では趣旨は了承いたしますが、国際原子力機関をもっと高度に充実をさせて、そうして少なくとも平和利用に対する権威というものは、国際原子力機関が各国の上にその地位を占めまして、そうして人類の幸福に役立つようにすべきである、そういう高い理想のもとに政府も進んでいかなければならぬと私は思うのであります。例をこの補償の問題にとりましても、やはりこういう個別な双務的な協定を、必要が起きましたたびに個々に結んでいくというようなわずらわしさを省きまして、そうして国際的な補償体制というものを確立することが焦眉の急であろうと思います。従いまして、どうかさような意思味において、今後政府が善処をせられんことを強く要請をいたしたいと思います。
それから第二番目の問題は、この法案と直接関係ありませんが、先ほど私が発言を求めて政府の所信を尋ねましたように、原子力平和利用の一番重要で、しかも一番喫緊の問題は、エネルギー源としてこれを利用していくことでありますが、この時期も刻々と具体化し迫まっております。しかもこの今日の情勢において、国内におけるいろいろな意見というものは、必ずしも一本にコンクリートに固まっておるわけではないのでありまして、この間の事情は十分に当局において洞察をせられて、そうして国際的な進運におくれないということも必要でありますが、また経済力の乏しい、研究のおくれている日本でありますから、世界各国がその国の全力をあげて研究をしているところの最終的な成果というものを、日本が取り入れていくということも、少なくとも原子力について後進的な立場にある日本のとるべき一つの立場ではないかと思います。従いまして、協力体制をとると同時に、やはり先進国のごときうぬぼれを持たないでそうして常に一歩退ぎながら、各国の研究、実用の態勢を十二分に検討を加えつつ、一番わが国に有利な情勢で国内の重要な事業に育ててていく、そういう体制をとっていただきたいと思います。
以上二点を総括的な意見として述べまして、そうして本法案に賛成の討論といたしたいと思います。