中川豊吉の発言 (農林水産委員会)

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○説明員(中川豊吉君) 本件につきましては、外務省に対しましても、業界から九月二十五日外務次官まで陳情がございまして、それ以来問題のありますところを、問題の概要と関係日本漁民の考えとを、引き続きまして米国大使館と交渉して現在に及んでおる次第でございます。
 ただ、これまでの折衝によりまして明確になった点を申し上げますと、まず、問題の発端となりました八月以降の那覇の海岸無線局の放送内容でございますが、これは必ずしも米軍当局の意向を正確に伝えていないということが明らかになったわけであります。また、米側といたしましては、沖縄周辺海域の公海を閉鎖するというふうな意図はもちろんない。ただ、他国の利益に妥当な考慮を払う限り、海、空軍の演習のために公海を使用することは、国際法上適法なこととして認められているという立場に立って危険区域を設定しようとしているのにすぎない、こういう立場を明らかにしております。さらに、米軍によります区域指定表中にありますところの永久危険区域、いわゆるパーマネント・ゲインジャー・エリアという言葉が使ってございますが、これは永久に立ち入りを禁止する区域、こういう意味ではございませんで、これらの地域が長期――ロング・タイムという言葉を使っておりましたが、ロング・タイムにわたりまして、断続的に、インターミッテントリーに使用されるという意味である。またさらに、危険区域というふうなものを指定いたしましても、軍が実際に演習を行なっていないような場合には、原則としまして船舶の航行及び漁撈は制限しないという方針をとっているということを明らかにしております。
 次にまた、米国側では、右指定海域を実際使用いたします際には、そのたびごとに予告をいたしまするとともに、使用に先だちまして、レーダー等によりまして船舶がその地域にいないということを確実に確かめた上で演習を行なうものでありますので、演習中に万一船舶がその地域に入ったというふうな場合には、同船舶を待避せしめるように誘導する措置も講じて、要するに地域の安全を確かめた上でなければ演習は行なわないようにしているということを申しております。さらに、沖縄海域におきます米軍の演習が、ナイキの問題を含めまして、最近特に強化されたというふうなことがあるのかどうかというふうなことも聞いているわけでございますけれども、別にそういうふうに特別に演習を強化したという事実はないそうでございます。ただ、目下の時期は、毎年演習が割にひんぱんに行なわれる時期に当たっているというだけであって、特別の企図をもって大規模の演習を行なうということはいたしておらない、こういうふうなお話でございます。さらに、米軍演習区域の使用にあたりましては、できるだけ経済的な影響を軽くすることが米軍の方針であるから、日本側から漁期とか、漁場等の使用時期、使用漁期等の関係で使用時期等について具体的な申し入れがあれば、十分その点は考慮して演習計画を調整する用意があるということを言って参っております。
 以上のように米側も日本側の立場を考慮して、好意的に善処する態度を明らかにしているわけでありますが、ただ、米側によります従前の危険区域の設定の通報の仕方や、その表現というものが必ずしも適切でないわけであります。そのために関係漁民の間に必要以上の不安を呼び起こしている原因もございますので、米側に対しましては、今後もう少し親切に周知徹底するような手段を講じてもらいたいということを要請しているのでございますが、米側ではそのような、前に申しましたように、他国の利益に妥当な考慮を払う限り、演習目的等のために公海を使用することは、国際法上適法であるという立場から、日本漁民の経済的な利益をできるだけ守りたいとの意向も表明してきていることにかんがみまして、目下水産庁を通じまして、同海域におきます漁業の実態とか、遠隔漁場へ行くために――行かなければ起こる損害とか、こういうことに関しまする具体的な資料の収集をはかっているわけでございまして、これらの資料に基づきまして必要があると認めまする場合には、さらに米側に対しまして演習区域や時期等の調整を要請する考えでございます。また、そういうことは、これは国際法上の論議でございますけれども、その国際法上の議論とは別に、平和的な漁業に従事しておられまする人々の利益はできるだけ優先的に守らるべきである、こういう関係者の強い要請は、日米関係の大局的な関係にかんがみまして、最大限に考慮さるべきではないかということを申して米側の了解を得るように努めている次第でございます。簡単でありますが……。

発言情報

speech_id: 103315007X00519591112_003

発言者: 中川豊吉

speaker_id: 33881

日付: 1959-11-12

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会