農林水産委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十四年十一月十二日(木曜日)
午後一時二十八分開会
―――――――――――――
出席者は左の通り。
委員長 堀本 宜実君
理事
櫻井 志郎君
仲原 善一君
小笠原二三男君
森 八三一君
委員
青田源太郎君
秋山俊一郎君
石谷 憲男君
植垣弥一郎君
重政 庸徳君
藤野 繁雄君
秋山 長造君
清澤 俊英君
小林 孝平君
中田 吉雄君
千田 正君
北條 雋八君
棚橋 小虎君
政府委員
食糧庁長官 須賀 賢二君
水産庁長官代理 高橋 泰彦君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
外務省アジア局
北東アジア課長 中川 豊吉君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
(沖縄島周辺地域の漁業保全に関す
る件)
(農林水産関係法律案に関する件)
―――――――――――――
この発言だけを見る →午後一時二十八分開会
―――――――――――――
出席者は左の通り。
委員長 堀本 宜実君
理事
櫻井 志郎君
仲原 善一君
小笠原二三男君
森 八三一君
委員
青田源太郎君
秋山俊一郎君
石谷 憲男君
植垣弥一郎君
重政 庸徳君
藤野 繁雄君
秋山 長造君
清澤 俊英君
小林 孝平君
中田 吉雄君
千田 正君
北條 雋八君
棚橋 小虎君
政府委員
食糧庁長官 須賀 賢二君
水産庁長官代理 高橋 泰彦君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
説明員
外務省アジア局
北東アジア課長 中川 豊吉君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
(沖縄島周辺地域の漁業保全に関す
る件)
(農林水産関係法律案に関する件)
―――――――――――――
堀
堀本宜実#1
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
沖縄周辺海域における漁業保全の件を議題にいたします。
沖縄島周辺海域において、米軍の演習あるいは実験のため、十数カ所に及ぶ危険区域が設定されて漁場が閉ざされ、また操業が制約を受け、わがカツオ、マグロ漁業を崩壊に導くものとして、その撤廃が要望されておるのでありまして、この際、御要求もあり、委員会の問題として事情を究明することにいたします。
まず政府から事情を聞くことにいたします。
なお、政府の出席者は、外務省アジア局北東アジア課長中川君、水産庁長官代理高橋君であります。
この発言だけを見る →沖縄周辺海域における漁業保全の件を議題にいたします。
沖縄島周辺海域において、米軍の演習あるいは実験のため、十数カ所に及ぶ危険区域が設定されて漁場が閉ざされ、また操業が制約を受け、わがカツオ、マグロ漁業を崩壊に導くものとして、その撤廃が要望されておるのでありまして、この際、御要求もあり、委員会の問題として事情を究明することにいたします。
まず政府から事情を聞くことにいたします。
なお、政府の出席者は、外務省アジア局北東アジア課長中川君、水産庁長官代理高橋君であります。
高
高橋泰彦#2
○政府委員(高橋泰彦君) それでは沖縄周辺におきまするアメリカ軍の演習の概況について、まず、経過と現状を御説明申し上げます。
沖縄周辺におきまするアメリカ軍による演習区域は、昭和二十六年八月以来実施され、公示されてあります。で、この演習区域でございますが、これはたしか記憶によりますと約八カ所くらいあると思いますが、この区域は相当漁業上重要な区域も含んでおりますので、従来とも漁業者からしばしばお話は承っておるような次第であります。ことに、沖縄周辺の海域は日本のカツオ、マグロ漁業の主要な漁場でありますので、私どももこの演習の状況については関心を持っておる次第でございます。それで、なお十月十二日に至りまして、那覇日本政府南方連絡事務所長から私どもの方に対しまして、新しくナイキの発射をいたしたいというような連絡がございました。この連絡によりますと、まず、場所でございますが、これは沖縄本島の残波岬と申しますが、それを中心といたしまして東経百二十七度四十八分、北緯二十六度二十八分及び東経百二十七度四十分、北緯二十六度二十八分に至りまする残波岬を中心とした扇形の射撃場でございまして、実施期間は十一月及び十二月の両月中、毎週三日平均で、実際のミサイルが発射されるということでございます。なお、この扇形の射撃場の中の区域では、次の期日に限って九時から十八時までの間、船舶、航空機、人員に危険であるというような趣旨の発表が米側からあったわけでございます。
なお、つけたりといたしましては、米市側の説明によりますと、射撃演習場として残波岬を選定したけれども、選定にあたっては、あらゆる角度から周到な分析が行なわれたということ、特に経済活動の破壊を最小限度にするために考慮を払ったと、従って、この区域内での漁業のなるべく実施されない時期を選んで計画したのだということが、同時に書かれておるような次第であります。これに対しまして、私どもとしては、この区域が日本のカツオ、マグロ漁業者、その他の漁業ももちろんあるわけでございますが、一番大事なのは、カツオ、マグロのいい漁場でございますので、重大な関心を漁業者が持っているということ、そしてこういうような演習は望ましくない、やめてもらいたいというようなことと、少なくとも水産庁におきましては、このような通報には接したけれども、公海において漁業をする権利を持つのであるから、従って、水産庁といたしまして、漁業者に対しまして、そこに行くなという趣旨の制限をする気持のないことを明らかにしたいということ、従って、そうなりますと、漁業者が出漁した場合に、不測の事故が起こるかもわからないけれども、それについては、水産庁としても責任を負いかねるので、そこら辺をはっきりしていただきたいという趣旨のことを外労省に連絡したわけでございます。従いまして、その後外務省は、聞くところによりますと、アメリカ大使館を通じて外交折衝を目下しておられるというふうに承っておる次第でございます。
これが今日までの経過の概略でございます。
この発言だけを見る →沖縄周辺におきまするアメリカ軍による演習区域は、昭和二十六年八月以来実施され、公示されてあります。で、この演習区域でございますが、これはたしか記憶によりますと約八カ所くらいあると思いますが、この区域は相当漁業上重要な区域も含んでおりますので、従来とも漁業者からしばしばお話は承っておるような次第であります。ことに、沖縄周辺の海域は日本のカツオ、マグロ漁業の主要な漁場でありますので、私どももこの演習の状況については関心を持っておる次第でございます。それで、なお十月十二日に至りまして、那覇日本政府南方連絡事務所長から私どもの方に対しまして、新しくナイキの発射をいたしたいというような連絡がございました。この連絡によりますと、まず、場所でございますが、これは沖縄本島の残波岬と申しますが、それを中心といたしまして東経百二十七度四十八分、北緯二十六度二十八分及び東経百二十七度四十分、北緯二十六度二十八分に至りまする残波岬を中心とした扇形の射撃場でございまして、実施期間は十一月及び十二月の両月中、毎週三日平均で、実際のミサイルが発射されるということでございます。なお、この扇形の射撃場の中の区域では、次の期日に限って九時から十八時までの間、船舶、航空機、人員に危険であるというような趣旨の発表が米側からあったわけでございます。
なお、つけたりといたしましては、米市側の説明によりますと、射撃演習場として残波岬を選定したけれども、選定にあたっては、あらゆる角度から周到な分析が行なわれたということ、特に経済活動の破壊を最小限度にするために考慮を払ったと、従って、この区域内での漁業のなるべく実施されない時期を選んで計画したのだということが、同時に書かれておるような次第であります。これに対しまして、私どもとしては、この区域が日本のカツオ、マグロ漁業者、その他の漁業ももちろんあるわけでございますが、一番大事なのは、カツオ、マグロのいい漁場でございますので、重大な関心を漁業者が持っているということ、そしてこういうような演習は望ましくない、やめてもらいたいというようなことと、少なくとも水産庁におきましては、このような通報には接したけれども、公海において漁業をする権利を持つのであるから、従って、水産庁といたしまして、漁業者に対しまして、そこに行くなという趣旨の制限をする気持のないことを明らかにしたいということ、従って、そうなりますと、漁業者が出漁した場合に、不測の事故が起こるかもわからないけれども、それについては、水産庁としても責任を負いかねるので、そこら辺をはっきりしていただきたいという趣旨のことを外労省に連絡したわけでございます。従いまして、その後外務省は、聞くところによりますと、アメリカ大使館を通じて外交折衝を目下しておられるというふうに承っておる次第でございます。
これが今日までの経過の概略でございます。
中
中川豊吉#3
○説明員(中川豊吉君) 本件につきましては、外務省に対しましても、業界から九月二十五日外務次官まで陳情がございまして、それ以来問題のありますところを、問題の概要と関係日本漁民の考えとを、引き続きまして米国大使館と交渉して現在に及んでおる次第でございます。
ただ、これまでの折衝によりまして明確になった点を申し上げますと、まず、問題の発端となりました八月以降の那覇の海岸無線局の放送内容でございますが、これは必ずしも米軍当局の意向を正確に伝えていないということが明らかになったわけであります。また、米側といたしましては、沖縄周辺海域の公海を閉鎖するというふうな意図はもちろんない。ただ、他国の利益に妥当な考慮を払う限り、海、空軍の演習のために公海を使用することは、国際法上適法なこととして認められているという立場に立って危険区域を設定しようとしているのにすぎない、こういう立場を明らかにしております。さらに、米軍によります区域指定表中にありますところの永久危険区域、いわゆるパーマネント・ゲインジャー・エリアという言葉が使ってございますが、これは永久に立ち入りを禁止する区域、こういう意味ではございませんで、これらの地域が長期――ロング・タイムという言葉を使っておりましたが、ロング・タイムにわたりまして、断続的に、インターミッテントリーに使用されるという意味である。またさらに、危険区域というふうなものを指定いたしましても、軍が実際に演習を行なっていないような場合には、原則としまして船舶の航行及び漁撈は制限しないという方針をとっているということを明らかにしております。
次にまた、米国側では、右指定海域を実際使用いたします際には、そのたびごとに予告をいたしまするとともに、使用に先だちまして、レーダー等によりまして船舶がその地域にいないということを確実に確かめた上で演習を行なうものでありますので、演習中に万一船舶がその地域に入ったというふうな場合には、同船舶を待避せしめるように誘導する措置も講じて、要するに地域の安全を確かめた上でなければ演習は行なわないようにしているということを申しております。さらに、沖縄海域におきます米軍の演習が、ナイキの問題を含めまして、最近特に強化されたというふうなことがあるのかどうかというふうなことも聞いているわけでございますけれども、別にそういうふうに特別に演習を強化したという事実はないそうでございます。ただ、目下の時期は、毎年演習が割にひんぱんに行なわれる時期に当たっているというだけであって、特別の企図をもって大規模の演習を行なうということはいたしておらない、こういうふうなお話でございます。さらに、米軍演習区域の使用にあたりましては、できるだけ経済的な影響を軽くすることが米軍の方針であるから、日本側から漁期とか、漁場等の使用時期、使用漁期等の関係で使用時期等について具体的な申し入れがあれば、十分その点は考慮して演習計画を調整する用意があるということを言って参っております。
以上のように米側も日本側の立場を考慮して、好意的に善処する態度を明らかにしているわけでありますが、ただ、米側によります従前の危険区域の設定の通報の仕方や、その表現というものが必ずしも適切でないわけであります。そのために関係漁民の間に必要以上の不安を呼び起こしている原因もございますので、米側に対しましては、今後もう少し親切に周知徹底するような手段を講じてもらいたいということを要請しているのでございますが、米側ではそのような、前に申しましたように、他国の利益に妥当な考慮を払う限り、演習目的等のために公海を使用することは、国際法上適法であるという立場から、日本漁民の経済的な利益をできるだけ守りたいとの意向も表明してきていることにかんがみまして、目下水産庁を通じまして、同海域におきます漁業の実態とか、遠隔漁場へ行くために――行かなければ起こる損害とか、こういうことに関しまする具体的な資料の収集をはかっているわけでございまして、これらの資料に基づきまして必要があると認めまする場合には、さらに米側に対しまして演習区域や時期等の調整を要請する考えでございます。また、そういうことは、これは国際法上の論議でございますけれども、その国際法上の議論とは別に、平和的な漁業に従事しておられまする人々の利益はできるだけ優先的に守らるべきである、こういう関係者の強い要請は、日米関係の大局的な関係にかんがみまして、最大限に考慮さるべきではないかということを申して米側の了解を得るように努めている次第でございます。簡単でありますが……。
この発言だけを見る →ただ、これまでの折衝によりまして明確になった点を申し上げますと、まず、問題の発端となりました八月以降の那覇の海岸無線局の放送内容でございますが、これは必ずしも米軍当局の意向を正確に伝えていないということが明らかになったわけであります。また、米側といたしましては、沖縄周辺海域の公海を閉鎖するというふうな意図はもちろんない。ただ、他国の利益に妥当な考慮を払う限り、海、空軍の演習のために公海を使用することは、国際法上適法なこととして認められているという立場に立って危険区域を設定しようとしているのにすぎない、こういう立場を明らかにしております。さらに、米軍によります区域指定表中にありますところの永久危険区域、いわゆるパーマネント・ゲインジャー・エリアという言葉が使ってございますが、これは永久に立ち入りを禁止する区域、こういう意味ではございませんで、これらの地域が長期――ロング・タイムという言葉を使っておりましたが、ロング・タイムにわたりまして、断続的に、インターミッテントリーに使用されるという意味である。またさらに、危険区域というふうなものを指定いたしましても、軍が実際に演習を行なっていないような場合には、原則としまして船舶の航行及び漁撈は制限しないという方針をとっているということを明らかにしております。
次にまた、米国側では、右指定海域を実際使用いたします際には、そのたびごとに予告をいたしまするとともに、使用に先だちまして、レーダー等によりまして船舶がその地域にいないということを確実に確かめた上で演習を行なうものでありますので、演習中に万一船舶がその地域に入ったというふうな場合には、同船舶を待避せしめるように誘導する措置も講じて、要するに地域の安全を確かめた上でなければ演習は行なわないようにしているということを申しております。さらに、沖縄海域におきます米軍の演習が、ナイキの問題を含めまして、最近特に強化されたというふうなことがあるのかどうかというふうなことも聞いているわけでございますけれども、別にそういうふうに特別に演習を強化したという事実はないそうでございます。ただ、目下の時期は、毎年演習が割にひんぱんに行なわれる時期に当たっているというだけであって、特別の企図をもって大規模の演習を行なうということはいたしておらない、こういうふうなお話でございます。さらに、米軍演習区域の使用にあたりましては、できるだけ経済的な影響を軽くすることが米軍の方針であるから、日本側から漁期とか、漁場等の使用時期、使用漁期等の関係で使用時期等について具体的な申し入れがあれば、十分その点は考慮して演習計画を調整する用意があるということを言って参っております。
以上のように米側も日本側の立場を考慮して、好意的に善処する態度を明らかにしているわけでありますが、ただ、米側によります従前の危険区域の設定の通報の仕方や、その表現というものが必ずしも適切でないわけであります。そのために関係漁民の間に必要以上の不安を呼び起こしている原因もございますので、米側に対しましては、今後もう少し親切に周知徹底するような手段を講じてもらいたいということを要請しているのでございますが、米側ではそのような、前に申しましたように、他国の利益に妥当な考慮を払う限り、演習目的等のために公海を使用することは、国際法上適法であるという立場から、日本漁民の経済的な利益をできるだけ守りたいとの意向も表明してきていることにかんがみまして、目下水産庁を通じまして、同海域におきます漁業の実態とか、遠隔漁場へ行くために――行かなければ起こる損害とか、こういうことに関しまする具体的な資料の収集をはかっているわけでございまして、これらの資料に基づきまして必要があると認めまする場合には、さらに米側に対しまして演習区域や時期等の調整を要請する考えでございます。また、そういうことは、これは国際法上の論議でございますけれども、その国際法上の議論とは別に、平和的な漁業に従事しておられまする人々の利益はできるだけ優先的に守らるべきである、こういう関係者の強い要請は、日米関係の大局的な関係にかんがみまして、最大限に考慮さるべきではないかということを申して米側の了解を得るように努めている次第でございます。簡単でありますが……。
千
千田正#4
○千田正君 私は、まず第一に、今まで禁止区域として指定されておる分が沖縄の領海をも含んでおるかどうかということ、いわゆる沖縄は日本の領土であるという原則に立って、その領海を含む点までも禁止区域に指定しておるのじゃないかという疑いがあるのであります。私の手元に届いておりますところの、かつて禁止区域とされておる沖大東島をまん中にしてその周辺に、いわゆる沖縄の東南方に設定された禁止区域、さらに、先ほどお話のありましたミサイル、ナイキの演習場として指定されておったところの東経百二十七度四十八分、それからノース二十六度二十八分、この沖縄本島西北端の点におきましても、沖縄の領土、領海を含んだところに線を引いておると思うのでありますが、この見解について、外務省の見解をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →中
中川豊吉#5
○説明員(中川豊吉君) ちょっと質問の意味がよく受け取れなかったのでございますが、演習区域に指定されておりますところの区域の一部が日本の領海に接近した公海上に設定されておるという事実でございますが、これは、それらの地域の使用が行政協定の対象になるのではないかという御質問でございますが、沖縄周辺海域に設定されました米軍の演習海域は、行政協定上の在日米軍によって使用されるものではございませんから、行政協定に基づく附表の変更として合同委員会を通じて決定されるものではない、行政区域の管轄外である、こういうように解釈しております。
この発言だけを見る →千
千田正#6
○千田正君 そういう外務省のお答えを得るだろうと私思ってお尋ねしたのですが、行政協定におけるところの米軍の管理地域じゃないとすれば、沖縄というものは、いわゆる日本の領土である、この原則は間違いないわけでありますか。行政区域内とするならば、当然これは日本の領土に属しておるものを含んだ、領土に属しておる島を含んだところにラインを引いておるのですよ、おわかりですか。行政協定と関係のないところに、日本の領土であるというところを中心としてここに一つのラインを引いております。そうしますというと、日本は領土権を主張する意味からいうと、日本の領海をも限定しておるということになりますね、今度の禁止区域については。
この発言だけを見る →中
中川豊吉#7
○説明員(中川豊吉君) 日本と米国との安全保障条約の第三条には、「アメリカ合衆国の軍隊の日本国内及びその附近における配備を規律する条件は、両政府間の行政協定で決定する。」という規定がございまして、かつて国会でも「国内及びその附近」という言葉の論議があったのでございますが、行政協定上は「附近」という言葉を使いましても、それは公海に関しましては何らの意味がない、ただ法律上の意味といたしましては、日本の領空、領土、領海、これのみに適用があるのだ、従いまして、領海外の公海につきましては、実際上ほとんど意味がない、こういう答弁をしていたように記憶しております。
この発言だけを見る →千
千田正#8
○千田正君 それでは、その領海の問題はしばらくおきまして、公海の自由の原則からいえば、こうした一方的の、国が宣言する、あるいは禁止区域を指定する。相手国である、早くいえば、被害を受けるだろうと想像される国においては、やはりそれに対抗して公海自由の原則を主張することができるはずです。日本としましては、こういうふうにアメリカが一方的に、これは禁止区域である、禁止区域だから漁業の操業なんかはやってもらっては困るというようなことを通達してよこしましても、日本としては、やはり生産というような立場からいっても、独立国の面目上からいいましても、生産上、ここはそういうことを言っても、公海自由の原則に基づけば、操業も自由であるはずであるから、それは水産庁が強く主張しておるわけです。これに対してどういうふうに考えておられるか。公海自由の原則に対しては、原則において、演習のために危険区域をアメリカが指定することができると主張しておりますが、わが方にとっては平和産業、ことに、生産に従事する操業に対しても、当然公海においては自由操業できる、これは国際法のいかなる点を見ても、これは主張でき得るわけなんですから、その双方の食い違いに対して、外務省としては、どういう見解を持っておりますか。
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中川豊吉#9
○説明員(中川豊吉君) 昨年の国際慣習法規の編さんに当たりましたジュネーブの会議におきましても、公海における漁業の自由というものが慣習法上確立されたものであるということが認められましたともに、同時に、演習等の目的のために公海の一部を使用することができるということも認められた次第でございます。従いまして、二つの権利と申しますか、自由と申しますか、公海上におきます自由が消失しておるわけでございます。そこで、これはどういたしましても、両者間の利害の調整、もちろん演習等のために、この公海に設定します際は、関係国の利益に関して適当な考慮を払わなければならないという条件がついておるわけでありまして、問題は、アメリカが適当に考慮を払ったか払わないかという点に尽きるのじゃないかと思います。
この発言だけを見る →千
千田正#10
○千田正君 今、中川さんは、昨年ジュネーブにおける海洋法上の論争を一応話されましたが、あのジュネーブにおけるところの海洋法は、国際法としてまだ限定しておりません。確立しておりません。それは学者の意見であり、あるいは代表者の意見であって、国際法上いまだ各国がそれを承認しておらない、こういうのでありますから、われわれとしましては、強くそういう点については疑義を生ずる、こういう問題が起きたことによって、日本の立場からはどういうふうに考えられるかということを、あえて私は主張しておるわけでございます。
この発言だけを見る →中
中川豊吉#11
○説明員(中川豊吉君) ただいま御指摘のありました通りでございまして、ジュネーブのその点は、そのまま各国の承認を得ておるものではございませんが、例示いたしましたのは、非常に、国際法上の慣例法規の編さんをしておる会議でありまして、それによって認められたということは、その一つの有力な証左であるということだけを申し上げたにすぎません。従いまして、私の方は、先ほども御説明申し上げましたように、漁民の、要するに沖縄周辺におきます漁場、漁期等の問題につきまして、水産庁の方に厳にお願いをするわけでございますが、そういう資料が整いましたならば、それに基づいて、米側の演習区域の設定あるいは演習の時期その他を調整してもらいますように十分交渉をするつもりであります。
この発言だけを見る →千
千田正#12
○千田正君 これは水産庁の次長にお伺いしますが、九州の漁業団体並びに四国あるいは中国地方、ここを根拠として漁業をやっておる各漁民からの要望は、李承晩ライン等において締め出しをくった日本の漁業、この地区の人の、特にカツオ、マグロ、あるいはサバ等の漁業に従事する人たちはまたここに締め出しをくうのだ、これではとてもわれわれは生計を立てていけないのだ、だからアメリカ側がどういうことを言うかもしれぬけれども、われわれは絶対承服できない、ぜひここで漁業しなくちゃならないのだと、こういう強い請願であり、主張なんです。あるいは、アメリカとしましては、かつてビキニの場合においてもこういうような論争をしたのでありますが、それは漁業に対して迷惑をかけたから、ある条件としては、何とかして漁業者の損害は補償するというような条件がましいことを言うてくることは、おそらくそういうことも言い得るだろうと思うのです。しかし、日本の漁民として、そういう補償は要らないのだ、そんなことよりもわれわれの漁場は締め出され、そこにまた外国のなわを張られるということはとてもたまらぬのだ、どうしてもわれわれはここを一番の漁場としてやっているので、これを抑えられるということは、自分らの生業を断たれると同じことだ、賠償なんか、そんなことは要らないのだ、とらしてくれということが強い主張なんですが、水産庁としては、この点についてどういうふうにお考えになりますか。
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高橋泰彦#13
○政府委員(高橋泰彦君) 今、千田委員からの御質問のありました漁業者の持っている気持というものにつきましては、私ども全く同感でございます。ただ、政府部内といたしまして、ただいま外務省の方からの御説明がありましたように、何らか調整する方法はないか、こういうお話を、ただいまのところ、外務省からも受けておりまするが、私どもとしては、その調整の問題に入ることの前に、とにかく漁業者は、非常に素朴かもわかりませんけれども、補償はもう要らない、とにかく魚をとりたいのだという非常に素朴な、純粋な、しかも、私どもの考えでは、かなり正当だと思われるようなことを言っているのだから、まず調整の問題に入る前に、そこら辺を十分に考慮していただきたいということで、ただいまいろいろと話し合いをしている最中でございます。
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千田正#14
○千田正君 このミサイルの演習地区に指定されましたさっきのところ以外に、ほかに約七カ所くらい禁止区域というものを通達を受けているはずであります。これに対してはどういうふうにお考えになりますか。そこへ行ってもやはり漁業は全然できないのか、あるいは事前に向こうから通達するまでは、平常の通り漁業ができるのか、そういう点については、どういうふうに考えておられますか。
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高橋泰彦#15
○政府委員(高橋泰彦君) その点も若干経過の御説明を含んで御説明申し上げたいと思います。実は、この演習区域は、相当沖縄の領土にきわめて近接いたしました、三海軍以内に近接した演習区域も相当ございます。しかし、そうでなくて、明らかに三海里よりこえた区域にも従来から設定されている区域もございます。それからなお、それじゃ全部そういう公海上に設定された区域が漁業ができないのかと申しますと、必ずしもそうではなくて、ある区域におきましては訓練、演習をする区域にはなっておりますけれども、漁船の漁業活動並びに船舶の航行、これを一切制限しない区域もございます。しかしながら、御指摘のように、公海上における演習区域が全部そのように、何ら制限を受けていないということではなくて、ある個所は制限を受けていることは事実でございます。なお、経過を申し述べますと、これらの演習区域は、相当マッカーサー・ラインが撤廃された当時から設定しておりました関係で、格別問題にならなかったことも事実でございます。また一方、先ほど外務省から御説明いたしましたように、実際演習区域内で、しかも、演習をしている時間内であっても、日本の漁船がこの区域に入っていったような場合に、これを誘導するとかいう格好で、実際はその両者の調整が事実問題としてはかられておったということも事実のようでございます。従いまして、過日のラジオ放送の問題が起こる前までは、実際問題としては、鹿児島県の漁業者も、この沖縄周辺の演習区域が設定されていることに対して、格別の何といいますか、問題がなかったと言っては申し過ぎだと思いますが、事実上制限を受けなかったということから、さして私どもの方に非常に重大な問題としては耳に入らなかったいきさつもございました。しかしながら、今般のように、新しく演習の内容を追加することによって、かなりこの問題が表面に出て参ったといういきさつになっております。要約いたしますと、領海内の演習区域と領海外の演習区域と二つあるようで、かなり領海内の区域では艦砲射撃、対地爆撃その他の区域があったのだけれども、これはあまり漁業者が近寄らなかったので問題は少なかった。それから公海における禁示区域も、マッカーサー・ライン撤廃当時からあったけれども、それは米軍の誘導その他の問題でさして問題はなかったのだけれども、このたび新しく追加するとか、ラジオ放送し出したということの契機で問題が表面に打ち出されてきたという経過に相なっております。
この発言だけを見る →千
千田正#16
○千田正君 過去からあったというようなものも相当広範囲に飛び飛びあるのですがね、これは現在まで何も支障なかったら、むしろこういうラインは取り除くことがいいんじゃないですか。そして今しぼられてきておるところのミサイルの演習地として指定されておるところ、これにしたって、やはり期間であるとか、あるいは全然漁が少ないとか、いろいろな限界があると思うのですね、やり方によって。それはむしろ外務省としては、水産庁の要望を入れて、そういう折衝を強硬にやるべきだと私は思う。今までのそういう大して支障のなかったところでもラインとしては残っておるのですから、指定地域として。そういうことはこの際全部解消してもらう。現実に必要な問題に対しては、漁の時期あるいはそういうことをはっきりとして漁業に差しつかえない期間もあるとかいうようなことも考えられるのではないか。漁民の要望としては、一切撤廃してくれというのが要望ですから、そういう点についての外務省の見解を一つお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →中
中川豊吉#17
○説明員(中川豊吉君) 米軍の方に対しましては、法律論は別として、日米間の大局的な見地からこの問題をみるようにということを申しておるわけでございますが、米側から今般横須賀に特別の事務所を設けまして、これらの地域の演習区域の設定の目的、方法、時期その他につきまして、現在全部書き直しております。要するに、現在まで那覇の特連を通じまして、水路部から告示されておりますところのものは、非常にわずらわしい、誤解を招くようなところが非常にあるというので、今度はできるだけその態様を明確にして、要するに、必要のない場合には、船舶も入ってもらっていいんだということを明らかにするようなラインで全部書き直すということでその告示を者き直しておりますが、まだ全部はできていないそうでございます。なお、その際に、今御指摘のありましたような点もさらに話すつもりでありますが、ただ米側といたしましては、現実に使ってなくても、危険予防というふうな点から、常時ではなくても使うことのある地域については、予防的に日本に達しておきたいというようなことがあるのではなかろうかと思います。しかし、その場合には、そのことが告示なり、あるいは設定区域の目的なりに、きわめて明確に書いてあれば、そういうふうな誤解は起こさないということになるわけでありますので、そういうふうにはっきりしてもらえばいいというように思っております。先方もそのラインで作業を進めている実情でございます。
この発言だけを見る →千
千田正#18
○千田正君 最後に、小笠原委員からもお尋ねがあると思いますが、水産庁にお尋ねするのですが、これは昨年の十二月二十七日海上保安庁から、こういうことがあるのだという通達があったはすですね、告示になって。この告示に従って各県の漁業団体なり、あるいは漁業者なりに対して、この地区に立ち入りしてはいけないとか、あるいは将来こういうことだというような、こういう通達は十分行き届くようにやっておったかどうか、私は最近になってこういう問題が起きてきたのじゃないかというふうに感じられるのですが、その点はどうなんですか。
この発言だけを見る →高
高橋泰彦#19
○政府委員(高橋泰彦君) この点につきましては、先ほども申し上げましたような、那覇日本政府南方連絡事務所長ないしは水路部その他から、このような通知に接しましたときには、漁業者の団体なり県に対して、連絡をしているつもりでございます。ただ御指摘の、それではそこへ漁船が行ってはいけないとか、どうだとかいう指示をしたかというような御趣旨の御質問であったと思いますけれども、私どもといたしましては、そういう危険区域に立ち入ってはいけないとかなんとかというような趣旨の、制限的な指令は一度も発したことはございません。
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千田正#20
○千田正君 それでこの問題は、このミサイルの演習が始まって損害を受けるというようなことは、おそらく予想されるのであります。で、そういう問題が起きてからでは間に合わない、そこで、その前にこういう問題は、はっきりしためどをつけておかなくちゃならないと思う。そこで、水産庁としてはどういうふうに考えるか、業者として、あるいは漁民としては、どこまでもこれは撤廃してもらいたい、われわれの生活はこれによって壊滅する、こういう強い要望なんです。これに対しては水産庁はどういうふうにお考えになっておるか。外務省との折衝ばかりやっていて、どうも外務省は煮え切らないとか、そういうことだけではこの話の結末はつかないのでありますから、水産庁としてはどういう一体方針で進むのか。外務省といたしましても、どうもこういう問題となると、ビキニの問題でも、その他の演習地の問題にいたしましても、どうもアメリカ大使館の代理みたいなことを、よく委員会等において申されることがある。きょうはそうじゃありませんけれども、そういうことのないように、国民の強い要望が背後にあるということをはっきりして、やはり独立国の面目にかけても、こういう問題は解決してもらいたい。特にその点を強く要望いたしまして、それで水産庁から一つその点についてお伺いして、外務省の心がまえも聞いておきたい。
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高橋泰彦#21
○政府委員(高橋泰彦君) 何だかむずかしい問題ですが、しかし、私どもとしては、ただいま御指摘のような、漁民がそういうような気持でいるということを、正確に外務省に伝えているのでありますが、それじゃ水産庁の方針としてはどうかということですが、やはりただいまのところは、この問題につきましては、外交ルートを通して交渉するという以外のことは、ちょっと私としては申し上げかねると思いますが、いずれにしても、そういうことで正確に、私どもなり漁民の考え方は外務省の方に伝えているつもりでございます。
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中川豊吉#22
○説明員(中川豊吉君) 外務省といたしましても、高橋次長の御説明がございましたように、この問題の根の深いことは十分承知しているわけでございまして、単なる法理論でもって米側とやり合うということだけで済む問題でないというふうに考えております。従いまして、日米間の友好関係というような点から、大所高所から、単なる法理論でお互いにやり合うことで争っていたのでは問題にならぬわけでありますが、そういう点からできるだけ日本の要望をそんたくして、問題を解決するようにしてもらいたいという趣旨で交渉を進めるつもりでおります。
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小笠原二三男#23
○小笠原二三男君 さっき水産庁側の態度としては、連絡があった後に、公海の航行あるいは漁撈の権利の自由があるから、従って、各漁船に対しては制限する気持がないし、水産庁としては外務省を通じてこの種の演習は望ましくない、やめてもらいたい、こういう演習区域は。そういう申し出をしておるということですが、その態度は、さっきからの質問の経過から見ると変らないということで了承してよろしゅうございますか。
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小笠原二三男#29
○小笠原二三男君 外務省としては、それを外交的な配慮からその通りやはり外務省の主張とすることでなしに、別途アメリカ大使館と折衝してきたというのが真相なのでしょう。その通りこの種演習は区域を設定し、ナイキの演習をやることは望ましくない、日本国側としてはやめてもらいたい、位置とかそういうことを外務省の態度として向うに折衝された事実がありますか。
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