曾田忠の発言 (風水害対策特別委員会)
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○政府委員(曾田忠君) それでは昭和三十四年七月及び八月の水害または同年八月及び九月の風水害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案につきまして逐条的に御説明申し上げます。
まず第一条第一項でございますが、これは今次の災害の激甚であることにかんがみまして、地方公共団体等が昭和三十四年七月及び八月の水害または同年八月及び九月の風水害でありまして政令で定める地域に発生しました災害の復旧事業を行ないます場合におきまして、その事業費に対します国の負担率を公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に規定する率よりも引き上げまして、今次七月及び八月の水害または八月及び九月の風水害の災害復旧事業費の総額のうち、当該地方公共団体の昭和三十四年度の標準税収入の二分の一に相当する額までの額については十分の八、標準税収入の二分の一をこえ標準税収入に達するまでの額に相当する額については十分の九、標準税収入をこえる額に相当する額については十分の十をそれぞれ乗じた額を合算した額の災害旧復事業費の総額に対する率としたわけでございまして、これは昭和二十八年の大災害の際の特別措置と同じでございます。
第二項は、前項に規定する災害に関しまして、国が直轄で災害復旧事業を行なう場合の事業費に対します地方公共団体の負担率を定めた規定でございますが、前項の趣旨からその負担率は、前項により算定された国の負担の割合を除いた割合といたしたわけでございます。
第三項は、第一項、第二項の規定が、地方公共団体の財政負担を軽減して災害復旧事業の促進をはかる趣旨でございますので、この特別措置法案で算定した国の負担率よりも現行負担法の規定で算定した国の負担率の方が高い場合、たとえば、この法案では災害復旧事業費の総額を今次七、八、九月の災害復旧事業費の額といたしております関係上、これらの月以外の災害復旧事業費の額が大きい場合に該当事例が生じて参りますので、この場合には、この法律の規定を適用しないで、現行負担法で算定した高い率を適用することといたしました。
次に第二条は、災害関連事業に関する規定でございます。すなわち、地方公共団体またはその機関が、昭和三十四年七月及び八月の水害または同年八月及び九月の風水害であって政令で定める地域に発生したものについて災害復旧事業を施行する場合において、災害復旧事業の施行のみでは災害防止の効果が十分でなく、それを十分にするために災害復旧事業と合併して新設または改良事業を施行する場合は、当該新設または改良事業の事業費に対する国の負担率または補助率を、他の法令の規定による負担率または補助率が三分の二未満のものは、これを三分の二に引上げ、また法令の規定によらず予算補助として行なっていた事業につきましては、この規定により、その事業費に対する補助率を三分の二といたしましたわけでございます。従来これらの事業は、おおむね予算上災害関連事業または災害復旧助成事業として予算に組まれ、法令の規定による国の負担または補助率で施行されていたのを、今回この規定により、その負担率または補助率を引き上げて、災害防止事業の促進をはかることといたしたわけでございます。
第三条は、水防資材に関する国の補助の規定でございます。昭和三十四年七月及び八月の水害または同年八月及び九月の風水害であって政令で定める地域に発生したものに関し、水防管理団体は、水防法の規定により水防活動を行ない、多額の水防資材を使用いたしており、また都道府県も水防法上水防責任を有しております関係上、水防のために資材を使用したわけでございますが、この水防資材に関する費用で政令で定めるものについて、国が予算の範囲内でその費用の三分の二を補助することができることといたしたわけでございます。
次に付則について御説明申し上げます。
附則は、この法律の施行期日は公布の日からといたしておりますが、災害復旧事業または災害関連事業の中には、この法律施行前にすでに事業を施行している場合もあります関係上、これらのものについてもこの法律の規定を適用する必要がございますので、この法律をさかのぼって適用することといたしたものでございます。
以上が、公共土木関係の逐条説明でございます。
次に、昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する特別措置法案につきまして逐条的に御説明申し上げます。
まず第一項でございますが、これは地方公共団体等が行ないます伊勢湾等高潮対策事業すなわち伊勢湾等に面する政令で定める地域におきまして、今次台風第十五号により激甚な災害を受けました海岸または海岸と同様の効用を有する河川及びこれらの災害を受けました海岸または河川と接続する海岸または河川につきまして、高潮、暴雨、洪水その他の異常な天然現象から生ずる災害を防止するために必要な河川、海岸、港湾、漁港等の施設の新設、改良及び災害復旧に関します事業を旅行する場合におきましては、地方公共団体の財政負担の軽減をはかるために、国が、高率の負担をすることを規定いたしております。この場合の国の負担率は、事業費を災害復旧事業に相当する部分に要する費用の額とその他の部分に要する費用の額に区分いたしまして、災害復旧事業に相当する部分につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法もしくは農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律またはこれらの今次特別措置法を適用した場合における国庫負担率を算定いたしまして、その他の部分につきましては、他の法令の規定によりますれば国の負担事または補助率が十分の八以上である場合におきましてはその率、それ以外の場合には十分の八をそれぞれ乗じて算定した額の当該伊勢湾等高潮対策事業費に対する率となるのでございます。
第三項は、国が直轄で伊勢湾等高潮対策事業を行なう場合の事業費に対する地方公共団体の負担率を定めた規定でございますが、前項の趣旨から、その負担率は、前項の規定により算定された国の負担の割合を除いた割合といたしました。
第三項は、第一項、第二項の規定が、地方公共団体の財政負担を軽減して伊勢湾等高潮対策事業の促進をはかる趣旨でございますので、この法律の規定による川の高率負担を優先適用することといたしまして、他の法令の規定による負担等を排除しているわけでございます。
第四項は、伊勢湾等高潮対策事業は、災害復旧事業と改良事業とが統合されて一体となった事業でございますので、このうちには災害復旧事業に相当する部分が含まれているわけではございますが、当然には災害復旧事業と見ることはできないわけでございます。従いまして、伊勢湾等高潮対策事業に含まれる災害復旧事業に相当する部分は負担法またはその今次特別措置法の規定により災害復旧事業費に対する国の負担率を算定する場合には、その計算の基礎となる災害復旧事業の総額に含まれず、国庫負担率が低くなって不合理となりますので、今回の伊勢湾等高潮対策事業費のうちの災害復旧事業に相当する部分の費用も、これらの法律において、災害復旧事業費の総額中に算入できるようにいたした規定でございます。
第五項は、国が直轄で行なう伊勢湾等高潮対策事業の事業費に対する地方公共団体の負担は、第二項の規定により行なわれることとなっておりますので、このままでは、国営土地改良有業として行なう干拓堤防等の新設、改良につきまして土地改良法第九十条第二項の規定により都道府県が受益者負担金を徴収することができる権能までも排除することとなりますが、この法律は、それまで排除する趣旨ではございませんので、その点を明らかにするため、特に一項を設けた次第でございます。
次に附則について御説明申し上げます。
附則第一項は、この法律は公布の日から施行することといたしておりますが、昭和三十四年台風第十五号が伊勢湾に襲来いたしましたのは昭和三十四年九月二十六日でございますので、この法律施行前にすでに施行している伊勢湾等高潮対策事業についてもその適用を遡及することといたしました。
附則第二項及び第三項は、伊勢湾等高潮対策事業の施行に関し必要な法令の一部改正でございますが、伊勢湾等高潮対策事業は、その工事の規模、工期等から見て、国が直接又は委託を受けて施行することが必要であると考えられますので、建設省設置法及び行政機関職員定員法の一部を改正し、建設省中部地方建設局に海岸部を設置するとともに、建設省の定員を二百人増員することといたした規定でございます。
以上で、逐条的な御説明を終わります。