佐藤榮作の発言 (地方行政委員会)
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○佐藤国務大臣 なかなかむずかしい御注文のようです。この専門の委員会でいらっしゃいますから、全国の地方団体の数を私が披露するまでもなく御承知の通りだと思います。その多数の団体の実情は、非常にいいところもありましょうし、また山間僻地のものもありましょうし、その力は一様ではないと思います。府県道を見ましても、都道府県でも非常に差異のあることは御承知の通りであります。さらにそれが次の段階の自治体になって参りますと、これは千差万別とでも申しますか、大へんなことだと思います。ただいま御指摘になりました道路の問題にいたしましても、国道の一兆円計画というもので一体どれだけできるか。御指摘の通り、幹線ができたからといって意味をなしません。それにつながる府県道あるいは町村道が整備されなければ、りっぱな道路計画にならない、これは御指摘の通りであります。しかし国道幹線自身も完成するまでに相当かかると思います。これができ上がった後にさらに二次、三次の計画が遂行される、私はかように確信をいたしております。また農村について、今農道のお話が出ておりましたが、私どももいなかの出でありますが、土地改革の非常によくできたところと、全然手のかかっておらないところでは雲泥の相違であります。私どもが新潟県に参って農地の状況、農道の状況を見たときに、新潟県の農民の諸君は、いなかの連中より非常に恵まれた環境にある、こういうことを実は考えます。しからば、全国の農地を全部新潟県の土地改良のようなものに非常に短期間に完成することができるかというと、冒頭に申しましたように、これは力の問題でございますから、行政水準を高めるという考え方は、私どもの政治の目標であることは御指摘の通りであって、これを否認するものではございませんが、やはり力相応に漸を追うていくということ以外に方法はないかと思います。ただ規格の統一のできるような学校の施設等については、中央においてそういう規格を定めていく。また道路についても、規格を定め得るものは中央において地方に指示して、地方の協力を得て、そこにただいまの問題が出てくるのだと思います。しかし、行政水準を高めるという方向から見れば、場所によって、富裕団体があれば中央で指示する規格以上のものを作っていいと思いますが、中央で指示したものもなかなかできかねておる。たとえば私ども考えれば、富裕団体と考えられる東京都であるとかいうようなところでも、なかなか学校の施設は思うようにいっておらない。こういうようなことを考えてみますと、地方の行政のあり方はなかなかむずかしいことだろうと思います。
私は地方の自治体がむだな金を使っておられるとは思わないのでありますが、議員の手当などが上がることが新聞にちょいちょい出ているのを見ると、やはりどこか抜け道があるのではないかと考えます。これは自治体のあり方で、これがいいとか悪いとか私は申すわけではありません。これは自治体でありますから、自治の使命達成に最善を尽くしておられるとは思いますが、そういうことを考えて参りますと、国に対する要望というものもあわせて考えなければならない。行政水準も力の限度でやはり考えていただくということにならざるを得ないのではないか。先ほど門司さんの言われるように、自治体の行政水準をさらに高めることの計画を立て、それは何年で実施できるか、こういうペーパー・プランを作れと言われれば、できないことはないでしょう。しかしそれを今作ってみましても、おそらくそれこそ実際に実現の非常に困難なものになるのではないか。それよりも国と地方を通じて規格の統一のとれるものをまず取り上げるということが第一じゃないか。それにいたしましても、御指摘になりましたように、道路財源が特別なガソリン税とか自動車税というものになると、なかなか思うように財源も確保できていないということで、おそらく自治体自身の計画もおくれがちだ。これはちょうど国の計画がおくれているのと同様じゃないかと思います。しかし今日、中央道を引き合いに出すことはどうかと思いますが、行政水準を高めるとかあるいは経済の活動を急激に発展さすとか、こういう場合には大きな一つの理想が必ずある。そういうものはおそらく中央道である。今東海道幹線も困っているのに中央道まであげてどうするかという話も出るかと思いますが、やはり一つの理想を持ってこの政治を遂行していくということも考えなければならぬ。かように私は考えておるのでありまして、ただいまのせっかくの御要望でありますが、この数字はちょっと出すことはどうかと思います。ただ、地方財政のあり方から見まして、私は基本的に考うべきものが幾つもあるだろうと思います。行政水準を高めるという根本には、力以上のものを政治の面では取り上げるわけにはいかぬだろう。しかし、理想としては、行政水準を非常に高いところへ持っていくということは絶えず私どもが目標にして努力すべきことだ、かように私は考えます。