岸信介の発言 (予算委員会)
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○岸国務大臣 申し上げるまでもなく、今回の新しい安保条約は、御指摘のように、現在ある安保条約の不備を、国民の感情に基づいて、われわれの多年の要望を実現しようとするものであります。そうして、その前提は、御指摘にありましたように、あくまでも国連憲章の精神を前提としておるものであります。条約にも各所にその旨を明らかにいたしておりますが、言うまでもなく、今の国際の情勢は、あらゆる場合に国際紛争を平和的手段で解決する、力を用いず、武力を用いずに解決するということが国連の精神であり、またそれを今回の安保条約も大きく取り上げておるわけであります。ただ国連憲章五十一条にもありますように、いろいろな国際の現状から見ますというと、その間、国際連合が適当な処置をとる間において侵略が行なわれ、一国の安全と平和が害せられるという場合において、自衛権として行動をし得ることは憲章にも明らかにしておるところであります。これらの点を取り入れまして、われわれはあくまでも日本の安全と平和を通じて極東の平和と安全に寄与し、ひいて世界の平和を進めるという趣旨が基本方針でありまして、反対的な議論は、私は何ら根拠のないものである、あるいはしいて条約を曲げて解釈しようとするものであると解するほかはない問題である、かように思っております。