周東英雄の発言 (予算委員会)
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○周東委員 私もさように思うのでありまして、ことに日本とアメリカの安保条約の改正を攻撃することに中心が置かれている。私は、大体同趣旨の規定と思いますのが、自由陣営においてもまた共産陣営においても結ばれていると思います。ことに私ども遺憾に存じますのは、中ソ友好同盟条約というものがどんな内容を持っているかということが国民にしっかりと了解をされておらないと思うのであります。もし野党の諸君の言われるごとく、日本とアメリカとの間に結ばれた安保条約なるものがかりに早くできておって、それがどうも中ソでも仮想敵国にして結んでおるというような恐怖にかられて中ソ友好同盟条約ができたなら別であります。しかし、私どもの見ておりますのは、日本がアメリカと安保条約を結んだのは、御承知の通り昭和二十五年二月であります。一九五〇年の二月であったと思います。日本の安保条約が結ばれたのは、講和条約締結とともでありますから、調印は一九五一年九月であります。そうして、発効したのが一九五二年四月二十八日であったと思います。しかも私どもが非常に解せないのは、当時日本の国内情勢というものは、講和によって独立をかち得るのではありますが、当時は自衛隊のごときものは一人として、一兵もなかった。国内における警察の状態も、現在ほどしっかりしたものではなかった。そこに新しい講和条約ができて独立する。しかも社会党の諸君はよく言われますが、国際の情勢というものは非常に変わってきていると言われる。しかし、日本が結んだ当時の事情及びその後における国際情勢を考えてみましても、社会党の言われるような状態でないと私は思う。ことにただいま申しましたように、日本が講和条約を結んだときの状況、安保条約を結んだときの状況を考えますと、その約一年八カ月前に中ソ友好同盟条約が結ばれておって、しかもその内容は、御承知の通り、そのプリアンブル、前文にこう書いてある。「ソヴィエト社会主義共和国連邦最高ソヴィエト幹部会及び中華人民共和国中央人民政府は、日本帝国主義の復活及び日本国の侵略又は侵略行為について」云々、これを防止するために共同防衛をやる、こう書いてある。またその第一条においても、日本に対する共同防衛、世界平和への協力という見出しで、「両締約国は、日本国又は直接に若しくは間接に日本国と侵略行為について連合する他の国の侵略の繰返し及び平和の侵害を防止するため、両国のなしうるすべての必要な措置を共同して執ることを約束する。」二項には「締約国の一方が日本国又はこれと同盟している他の国から攻撃を受けて戦争状態に陥った場合には、他方の締約国は、直ちになしうるすべての手段で軍事的の又は他の援助を与える。」と書いてある。一体一九五〇年二月当時、日本の国力は、中共を、中国を侵略し得るような態勢にあったかどうか、実に哀れな状態にあったことは事実であります。しかも、そういう状態において、日本が侵略したら、共同防衛するのだと、日本の国をメンションして、はっきり表わして同盟が結ばれておる。これこそ、共産党あるいは野党の諸君のいわれる仮想敵国をもって軍事同盟を結ぶということを言われるなら、ソビエト及び中共の間における中ソ友好同盟条約こそその形ではなかったかと私は思うのであります。すなわち、私の言いたいことは、中ソ友好同盟条約は、日本をメンションし、これを仮想敵国として結ばれておる、こういう状況が一年八カ月前にやられ、さらに当時の環境といたしましては、朝鮮における南北戦争が起こって、北の共産圏から南方に侵入して釜山まで来ていた、こういう環境のもとにおいて、日本は講和条約を裸で結ばなければならぬ状態にあった。そこで、このころにおいて日本は国連には加盟しておりませんけれども、国連憲章の趣旨に基づいて、自己の国の防衛をなすために、アメリカと協約を結んだということは明々白々の事実であって、何も日本のような弱国が他国を侵略する意思に基づいてかくのごとき協定を結んだものとは私は考えないのであります。でありますけれども、その当時の事情において、日本は非常に弱い立場にあったために、結んだ けれども、かなりアメリカの発言権が強くて日本が不平等な立場に置かれた、また日本人とアメリカの軍人軍属あるいはその家族等の間における差別的待遇が行政協定でとられたというような事柄は、何としても残念しごくなことでありまして、それを改正してくれということは国民的感情の要望するところでありました。これが今度の改正である。そうすれば、何らそこに日本の侵略的な考えもなければ、日本とアメリカとの軍事同盟でもつないということははっきりするのでありますが、私は政府におかれましても、こういう点は機会あるごとに、むしろこの中ソ友好同盟条約なりその実態を明らかにし、日米安保条約の成立の経過等をはっきり国民に認識させるようにしていただきたいと思うのでありますが、総理の所見を伺いたい。