岸信介の発言 (予算委員会)
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○岸国務大臣 日本が平和条約を結んで独立を回復したその際に、日本の国情国力は、周東委員の御指摘になった通りであります。また、日本を取り巻く周囲において、これに先だつ一年余前に中ソ友好同盟条約ができて、これに明らかに日本というものを明示して、軍事的な同盟条約が結ばれておるという状況のもとにおいて、日本が安全と平和を維持し、またわれわれが理想としておる国民の繁栄と自由を守っていくために、われわれはアメリカの力にもっぱらたよって、日本の平和と安全を守るほかはなかったのであります。しかし、それは成立のときからそういう特殊な事情ではありましたけれども、国民感情からいうと、独立国としてあまりにもこの条約が不平等であり、また日本の自主性が全然認められておらないということに対して、また米国駐留軍の国内におけるいろいろな待遇が、あまりにも他の同種の場合と比較して不当であるということは、初めから論ぜられたことであり、その後国会においても幾たびかこれを指摘して、再検討し、改定をすべきものであるという議論が行なわれておったのであります。われわれは、その国民の声を聞き、国民の要望を取り入れて、今回の改正をしたわけでありまして、あくまでもこの安保条約の精神は、現行安保条約と同様に、さらにその後における国連の忠実な一加盟国としての義務を遂行する上から申しましても、あくまでも防衛的な、他を侵略するような意図の全然ない条約であるのでありまして、制定当時からの事情、安保条約の本質について、さらに国民の理解を得るように、政府としても、今後とも、あるいは国会を通じて、あるいはその他の方法によりまして、できるだけの努力をすべきものだと考えております。