岸信介の発言 (予算委員会)
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○岸国務大臣 国際の情勢をどう認識するかという問題に関しましては、過日来本会議を通じて私の所信を明らかにいたしております。野党の諸君とこの点において考えの基本に食い違いがあることは、私も非常に残念だと思うことであります。
言うまでもなく、今日の軍事科学の発達から、全面戦争、世界の破滅を来たすようなことは、これはわれわれがあらゆる努力を払って防止しなければならぬということは、米ソの首脳部初め、世界各国が考えておることであります。従って、強大なる米ソの武力が全面的に使用されて、世界が破滅になるような事態を避けるためには、話し合いによって東西間の問題を解決していこうという機運が動いておるというのは事実であります。しかし、それがこの東西間の重大問題であり、また主題であるところのあるいはドイツ問題であるとか、あるいはこの軍縮の問題が容易に解決するというふうな見通しを立てることは、まだまだ早いと思います。
それからまた、現実に、今御指摘になりましたような局地的な紛争が、遺憾ながら世界各地に起こっております。国連がそれを平和的に解決するために努力をしていることは御承知の通りであり、日本もそれに対して積極的な協力をして、これが平和的解決に貢献をしておることもまた事実であります。そういう現実の事態と、われわれの望んでおる、希望であり理想であるということを混同してはならないのであります。やはり現実に即して平和を守り、安全を守っていくということにつきまして、先ほど来お話がありますように、各国も集団安全保障の体制を、東西両陣営ともとっておって、それを強化していくことが、私は今日の世界の現実から見て平和を維持するゆえんであり、この新しい安保条約もそういう精神に出ているものでございまして、決して世界の大勢に逆行するというような性質のものではないと私はかたく確信をいたしております。