岸信介の発言 (予算委員会)

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○岸国務大臣 安保条約のこの改定問題が起こりましてから、ソ連、中共方面からいろいろとこれに反対するところの動きが起こっており、また国内に対していろいろな工作が行なわれてきたことは、私ども非常に遺憾とするところであります。すでに昨年の五月、ソ連大使よりの口上書に対しまして、われわれは当時この安保条約の本質について日本の立場を明らかにしたところでありますが、重ねて最近のグロムイコ外相の覚書というものは、これはその内容が、われわれ日本の立場から申しまして、全く安保条約というものを故意に曲解して、そうして国際信義に反したような、御指摘のような領土問題にまでこれを結びつけての覚書は、これは全く国際法の従来の考え方をじゅうりんするものである。いわんや私が申し上げているように、われわれがどういう方向によって安全保障の体制をとるかというようなことは、これはわれわれの自主的にきめるべき問題であり、他から干渉を受けるべき性質のものではありません。また日ソ共同宣言の中におきましても、互いに内政については干渉しないということを厳粛に申し合わせているにかかわらず、そういう点にまで触れていることは、われわれは非常に遺憾とするところでありまして、ごく近い時期に、日本政府の態度を中外に——ソ連に回答すると同時に、これを国民に明確に理解してもらうような方法をとるつもりでおります。
 なお、御指摘になりました漁業交渉の問題は、これは日ソの間の漁業協定に基づいて年々科学的な根拠に基づいて漁獲数量を専門委員会の間においてきめる問題でありまして、何ら外交的な、いわゆる政治的な意味を持つものでないことはきわめて明瞭であります。従って、その問題とこの安保条約の改定の問題との間には、何らの関係がないのであります。あくまでもわれわれは漁業協定の趣旨に従って、科学的な根拠に基づいて、専門家の間において十分討議を尽くしていきたい、かように考えております。

発言情報

speech_id: 103405261X00219600205_011

発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1960-02-05

院: 衆議院

会議名: 予算委員会