河野密の発言 (予算委員会)

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○河野(密)委員 今のように国民所得に対する比率とかいろいろな数字をあげてみますと、なるほどそのように計算はできるのでありますが、私は経済に対する見通しというようなものは、勘の問題だと思うのであります。はなはだあれを申し上げて恐縮ですが、私はこの予算がどういうことになるかということは、これは一つは勘の問題だと思うのであります。私は、この前池田大蔵大臣が、一千億減税、一千億施策と言って大みえを切られたときにも、私はこの国会の壇上において警告を発しましたが、そのときには私が申し上げた通りになってしまった。私は、今日大蔵大臣が数字をあげていろいろお話しになりますが、これは勘の問題だと思います。勘の問題というと、少し神秘的になりますけれども、私はそう思う。これはなぜかと申しますと、政府の予算をずっと私が見まして、時間がありませんから、詳しくは申しませんが、大体今度の予算の柱というものは、二本の柱だと思います。一つはいわゆる防衛費に対する債務負担行為、これはとにかく今すぐは問題にならないにしても、これが一つの大きな柱である。もう一つは、何といっても土木事業であります。私の計算したところによりますと、一般会計、特別会計、それから政府関係機関、これらを通じまして予算に計上されております土木事業が、これは重複したものを除けばいいのですが、重複したままで計算してありますが、七千六百五億、こういうのが予算に計上されております。この七千六百五億の土木がとにかく昭和三十五年度の予算になって、大きな柱としてこれを貫いておるわけであります。この土木事業がどういう影響を持つかということを考えてみれば、私はこれはインフレ的な要因というものは相当顕著に現われてくるだろう、こういうふうに考えられるのであります。そういう点を見まして、しかもこの土木事業が前年に比べてどれだけふえておるかというと、千四百五十九億ふえておる。七千六百五億円の土木予算で、前年に比べて千四百五十九億というものがふえておる。私はこれをもってして、この予算の運営というものは容易ならざる要素を含んでおる、私はそう考えるのであります。あの高橋大蔵大臣が、景気か不景気かというのを見るときに、いろいろな数字をあげたり何かしたときに、あの人は、家が幾ら建つかという家の統計をとってみろ、家の統計をとってみればそのときの景気の動向がわかると言われたのでありますが、私はそれは非常な卓見だと思います。だれも気のつかないような家の建築の統計をとるだけでそのときの景気の動向がわかる、こういうのは卓見だったと思うのでありますが、私はそれをまねるわけじゃないのですけれども、この予算に現われておる、土木事業を貫いておる、これが私は今度の予算のあれだと思うのであります。この意味におきまして、この予算を実行した場合における日本の経済の動向というものは、大蔵省あるいは当局が楽観をしておるようなものではない、私はそう思うのですが、どうですか。

発言情報

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発言者: 河野密

speaker_id: 28496

日付: 1960-02-05

院: 衆議院

会議名: 予算委員会