原純夫の発言 (予算委員会第一分科会)
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○原政府委員 いろいろ御勉強いただきまして、私どもも大へんありがたいと思うのであります。一番歳入見積もりの中で大事なところであります。それは租税係数、今のような比率ではじくのが大事だということでなしに、景気の変動に応じて、法人税、それから申告所得税、特に法人税ですが、これが大きく波を打つところを読み取るのが、一番むずかしいという意味において、私どもも年来ずいぶん勉強しておりますが、ぜひ一つ御研究を願いたいと思います。そういう意味で、今第一に、三十四年度の補正の伸び、五年度の伸びのあたりを御指摘になり、さらに第二に、各個人所得税、それから法人税というものを分けての御検討のお話がございましたが、前者について申しますと、やはりそういう比率で私どもは必ずしも見ておりません。そういう比率といいますか、景気の波に応じてどういうふうに所得が動くだろうということは、これは全体的な客観としてチェックいたしますけれども、反面やはりそのものずばり、つまり、九月期の法人の利益がどうなるだろうかということは、千社くらいのものを調べるということにいたしますと、大体法人税の半分くらいは勝負がつくわけです。あと中小のものは数が多いですからできませんが、そういう場合には、千社くらいの大きなものが仕上がりますれば、中小のものについての推定は、よりやりやすくなる。大法人と中小法人との間には、所得の伸びというものがあるので、中小法人には全然データがとれないわけではありませんが、ある程度のチェックをやって推計するというようなことで、つまり、全体的なおっしゃるような検討と、それから個々に積み上げた検討とを表裏させて、見積もりを立てていくわけであります。実際問題としては、九月の決算の実績を見当をつけます場合に、この三月期、四月期、あるいはさらにできれば九月期まであたりの見込みというようなものを、担当の者にはいろいろ聞いてみるわけです。その場合には、三月、四月は、大体暮れくらいまでのところになりますと、会社の経営当局に聞きますと、大体の勝負はわかる。現に御案内のような上場法人についての収益率のなにが、各新聞に出るというような状況でありますから、つまり、積み上げ計算では相当しっかりしたものができるわけです。来年度の税の四分の一以上は、三月期で勝負がつくわけです。その他の月も大体トレンドというものがわかりますので、積み上げ計算が相当確かなものであり得る。そうして、過去の実績に徴しての景気の波と所得の変動の趨勢というようなものをにらみながら、表裏してきめて参るというのが私どものやり方でありますので、いろいろ今のような係数でごらんになりますと、違うなにが出て参りますが、御参考に、過去十年くらいの間で今申された係数を年度別に調べますと、平均は一・五くらいになりますが、高いところは実に二・二になる。低いところはO・一くらいというような変動があるわけです。それだけに限界性向、今の係数でやられるというのは、非常に危険であるというふうに考えております。
なお、各税について御検討の結果、最後にお話しになりました三十四年度の補正が少な過ぎるというお話、これはまさに御明算の一つのファクターであります。私どもも、三十四年度の収入が、第三次補正でぎりぎり一ぱい見ておるという気持ではございません。昨年の秋の伊勢湾台風のときは、もう一生懸命見たつもりでありますが、その後・九月期の実績が案外よかったというようなこと、その他ずっと来まして、災害の方の減自体は立っているにしても、一方復旧費等でかなり経済活動が、別な意味で活発になったというようなことがございまして、ネットではそう大きく減らないというようなこともあると思いますが、三十四年度第三次補正の額でこれでぴったりであるとは思っておりません。これは、最終のときに財源のあるだけはたいて予算を組むという筋合いのものでなくて、三十四年度に出すべきものを出したということでございます。従って、当然のことでありますが、今いろいろごらんになって、そういう傾向がありはせぬかとおっしゃるのもごもっともと思います。たとえば所得税にすれば、配当その他の源泉関係がいいというような状況が入っておりますから、やはり三十四年度のいわば土台が、もう少し高くなる。従って、三十四年度の率がふえて、三十五年度の率の動きがなだらかになるということはありますが、お願いしたいのは、過去のある実績値をもって、すぐ次の期間はそれで計算するということは、あらましの御見当としてはよろしいのですけれども、それで歳入見積もりの当否を御判断になるという筋合いには、直ちにはならないと思うのです。やはり実際の課税の対象について、その動きをもっとほかでつかみ得るということがあれば、それもお考えになる。今のように法人の収支の実績が明らかにわかるということになれば、そういうような点も十分含んで私どもやっているということを、お考えいただきたいというふうに思うわけでございます。