山田節男の発言 (逓信委員会)

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○山田節男君 今、鈴木君の質問に対しての古野さんのいろいろ八年間の御経験からの御意見ですが、これは私この公社法を作った一人であり、並びに公社法のためにアメリカの実際のこういう大きなものの一つの経営機構の問題について相当実地に見まして、当時GHQの方もこれはよかろう、GHQがサゼッションして作った国鉄公社、それから専売公社――実はこの法律の大体眼目ができたときに国鉄はどうもうまくいかぬ、それで専売公社の秋山総裁にここへ来てもらいまして、一体この公社経営の一番隘路はどこにあるか、いわゆる国営じゃいけない、しかし民営でもいけない、そこでいわゆるパブリック・コーポレーションという一つの公社経営組織をここでやってみよう――というのは、われわれは公団というものをいろいろやってみたが、これは大体失敗だった。というのは、公団は一方に非常に政府の干渉を受けるものですから、かえって経営はむずかしくなってしまい能率が上がらぬ、そこで初めてこの公社組織を国鉄でもってやってみたのですね。それでその制度を持って、審議会を持ってやりましたが、専売公社が非常にいいというのでいろいろ聞きましたが、しかしどうも官僚の――官僚のというか、まあ政府の干渉が極力排除されねばならぬ、こういうことになった。そこで、この公社はこういうような莫大な施設を運営するのですから、経営委員会制度――経営委員会制度は、これはまあ総裁、副総裁はあるけれども、これは諮問機関ではない、いわゆる最高政策の議決機関である。でありますから、その予算あるいは事業計画、資金計画、決算その他重要な問題については、全部この経営委員会で議決をして、そうしてその議決されたものを総裁及び副総裁が理事者として執行する、こういう建前にきめたのですね。それがために、NHKもかつてそうでありましたが、総裁、副総裁は特別委員としてこれに参加する。すなわち経営委員会の一員として意見を述べ、特別委員として経営委員会の審議に参加する、こういうやり方をやってみた。ところがこの公社の方はそのままになっておりますが、NHKが、経営委員会はあるけれども、会長、副会長すなわち会長はそこに入って発言もするし、特別委員にもなっている。どうもうまくいかない。一体、過去五カ年間、経営委員会を何回開いたか、議事録を見せろ、議事録を持ってこいと言っても、一回もこの経営委員会の議事録は、極端に言えば三くだり半しかないわけです。また経営委員が顔を合わして、会長が諮問したものに承認を与えるというだけのものです。これでは、一体経営委員会としての最高政策の議決機関、しかも当時はNHKの最高議決機関である。その業務を指揮監督するということまで書いてある。これでは有名無実ではないかというので、これは阿部真之助さんが委員長になられたときに阿部さんをここに来ていただいて、いろいろ実情を聞きました。しかし、これは経営委員長として会長、副会長を並べてお話を聞くと、今あなたがここで総裁、副総裁その他の幹部を並べてお話しになるのと同じようなことを言う。腹にはあるけれども口には言えない。あなたは相当ざっくばらんにおっしゃっているようだけれども、しかしなお私から申し上げますと、あなたの腹は十分に述べられていない。
 そこで、私申し上げたいことは、少なくとも過去八年有半にわたって、あなたは最も有力な民間代表として、経営者としても多分に経験をお持ちになっている。先ほど来、鈴木君の質問の御答弁を聞いておりますと、あなたは一つ個人の会社の経営としたならばもう有数の実業家であるにもかかわらず、経営委員あるいは経営委員長として思うようにできないとおっしゃっても、そこには理事者である総裁、副総裁がおりますから、これはまた理事者として執行方面に立てば、これはまあいろいろの問題があるから、そういう点もあなたは御考慮なさるだろうと思うのですが、この電電公社法からいえば、経営委員長という者はもう絶大な議決権を持っているわけですから、それに総裁、副総裁が特別委員として入っているからには、経営委員としていろいろあなたが必要なアドバァイスも与えられるし、何でもサジェスチョンできるわけです。しかし、それがどこまであなたのおっしゃった、あるいは当局に一声えるかということです。
 そこで、私が申し上げたいことは、今のNHKではさようなわけで会長、副会長はこれは特別委員に入れておりません。と申しますのは、私、私事にわたりますが、一昨々年ロンドンに行きました。BBCがやはりこの経営委員会制度をとっているが非常にうまくいっている。そこで、十六年間がバナー・ゼネラルをやったサー・ウィリアム・ヒーリーという人、これはタイムス紙の主幹をしております人ですが、私は特に古垣フランス大使がぜひ会ってみろということで、私はそこでこの問題を出しまして、あなたは十六年間もBBCの会長をやっているのだけれども、日本ではこの経営委員会は非常に困っている、有名無実だ、一つのアクセサリーのようになっている、これではいけないからお前は一つ、議決機関である経営委員会と理事者である会長との関係を一体どういうふうにしたらいいのか、率直に言ってくれ、実はわれわれは困っているのだ、こう申しましたらば、総裁、副総裁はこれは執行の最高責任者である、であるからこれは力を持たなければならない、しかし任期はこれはないのだ、だからもし悪いことをすれば、悪いことというより、もしいけなかったらばこの経営委員会がお前やめろ――よくやればそのかわり任期中は力を持たして思う存分にやらせる、しかしこれは期限付ではない、いつやめさせるかわからない、しかしおる限りは権力を持たせる。経営委員会というものは任期が四年であって、その四年間に欠格事項さえなければ、やめる必要はないのですから。そこで一方、総裁、副総裁は力を持っている、行政権を持っているのですから、そういうように分離しないとどうもうまくいかぬ。こういうことを言った。私どもはこれによって非常に感ずるところがありまして、NHKの経営委員会も全く有名無実だ。議事録を過去数年間のを見ても、一回の経営委員会の議事録は三くだり半だ、極端に一言えば。ブランクになっている。こういうことではいかぬからというので、昨年放送法の改正のときに経営委員会の内容も変えてみた。そういうようなことで、今鈴木君の質問するところは私はその辺にあるのじゃないかと思う。有能な経営委員がおられてもちっとも歓迎しない。私はこの公社を作ると同時に電電公社十数万の従業員全部前だれ式になる。上は総裁から下は一従業員に至るまで前だれ式になるということを私ここで言った。そういうことにならぬところに今の鈴木君のような質問が起きるわけですからね。ですからせっかく経営委員会として国会はこれを承認したものであり、大臣クラスの者になってもらっているんですから、
   〔理事松平勇雄君退席、委員長着席〕
今のような鈴木君の質問に対して、一つ率直にこういう点はいけませんというようなことを具体的に御意見を一つ。あなたは八年間の経験があるのですから、率直にしかも総裁、副総裁の前ですけれども、これは総裁はかつて経営委員をやっていらしたのですから、これは御遠慮は要らない。何も私は尋問しているわけじゃないから、御協力して下さって言っていただきたい。こういう点はいけない……。
 それから先ほど鈴木君も言っておられましたが、外国もそうでありますが、経営委員長と経営委員は有給です。これはロンドンにおいてもBBCの経営委員長は大臣以上の給料をもらっております。そうして常勤です。そうしないと、毎日総裁、副総裁に会っていろいろな実際上のアドバイスを与えるということはできません。あなたは車代をもらっていらっしゃるかどうか知らぬけれども、そういうような人があの経営委員会へおいでになり、総裁、副総裁があなたたちにお示しする資料が多いために、あなたたちの十分な御意見を伺うこともできないのじゃないかと思うんです。ですからいわゆる常任の経営委員長と一名ないし二名ぐらいの経営者を入れた常任です、そういうことが必要じゃないか。そこらあたりが今鈴木君の質問にも含まれている。こういう点は実は重大な問題なんですから、経営委員会をどうするか、あなたほんとうにこれは率直にあなたの御意見を非常に貴重なものですから、その点を一つ率直に言ってもらいたい。

発言情報

speech_id: 103414816X00719600317_011

発言者: 山田節男

speaker_id: 17379

日付: 1960-03-17

院: 参議院

会議名: 逓信委員会