岸信介の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)

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○国務大臣(岸信介君) 国会の正常化の問題でございますが、言うまでもなく、国会は、国民の自由にして公正な選挙によって選ばれた議員が、国民にかわって国政を審議するところであります。しかして民主政治の形態といたしまして、どこにおきましても、いわゆる政党政治という形態をとっておりますため、いわゆる政権を担当する与党と、これに反対する野党その他の政党が出てくるということは当然であります。従って、近代民主政治におきましても、実際の選挙は、政党を中心として、各議員が国民の支持を受けるという形において行なわれております。そうしてこれらの議員が、また各政党が、国会においてその審議を尽くしおのおのの主張を国民の前に明らかにして、そうして、審議の結果は多数決によって決定されるということが、言うまでもなく国会政治の基本でございます。もちろん野党は少数党でございますから、いろいろ自分たちの主張を通す意味において、また通らないというような場合において、議事妨害であるとか、あるいは審議の手続においていろいろな問題を起こしておるということも、名国の事例にもあることであります。しかしそれは、あくまでも国会法その他の法律あるいは慣例において許されておる範囲内の、ルール内の問題に限られなければならないことは、言うを待たないのです。しかるに、最近少数党が、自分たちの主張と逢う案件の審議に参加しない、参加を拒否するということは、私は、国民から負託されておるところの重大な国政を審議しなければならない権利を放棄するもので、審議権の放棄の結果、いろいろな問題を起こしておる最近の現状というものは、健全な議会政治を発達せしめる上からいって、はなはだ私は嘆かわしい問題だと思います。もちろん、今、青木委員の御質問にありましたように、もしも少数党か、自分たちの主張が通らないという見通しのもとに審議権を放棄すれば、一切、国会の機能が停止するということになっては、選挙において多数をとり、また、多数の国民の意思を代表しておるという、この多数党の意義はなくなることであります。また、それが根本的に国会制度そのものを否認し、破壊するという結果になることを私は憂えるのであります。従って、この間の当然の事理でございますが、民主政治の意義から申しますというとまるで第一歩であるというようなわかり切った事柄を、十分に野党もこれに対して反省し、またそれの認識の上に、あくまでも国会におきまして審議権を放棄するというような異常な状態を生ぜしめないように、私は努めなければならぬものだと、かように考えております。

発言情報

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発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1960-06-09

院: 参議院

会議名: 日米安全保障条約等特別委員会