青木一男の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)
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○青木一男君 ただいま岸首相がお述べになりました、議長が警察官を入れたということ、これは世間でも相当重く見ている事件であります。私は、清瀬成長の手記を読んだのでありますが、清瀬議長は、この問題について十分細心の注意を払っておられるようであります。議長は、出身政党からの制肘を防ぐために、あらかじめ副議長とともに党席離脱の手続をとられております。また、五月十七日には、三党の党員を招いて、重大案件の審議に際し、秩序を重んじ、国会の品位を保持し、国民の国会に対する信頼を高めるようにという懇請をいたしております。五月十九日、自民党から会期延長の申し出を受けてから、常任委員長会議の開催、議院運営委員会の諮問等、すべて成規の手続を正しく履行せられております。ところが、同日夕刻に至り、議長室から本会議場に通ずる廊下は、社会党議員や秘書などのすわり込みで占拠され、議長の何回となき放送警告にもかかわらず、九時ごろには社会党議員団の火力行使はいよいよ激しくなり、議長次室を占拠し、議長室にかぎをかけて、机、いすを積んでバリケードを作り、議長を室内に完全に監禁したのであります。議長は、院内のこの状態では、最後の決意をし、警察力の使用を考えさるを得ないから、沈静に帰するように何回となく放送警告したのでありますけれども、何らの効を奏しなかった。そこで、九時半、内閣に警官五百名の派遣を要請した。この要請は、私一人の責任で決断したと述べておられます。そうして議長は、さらに放送によって、議長室の包囲を解き、議場に着席することを許すならば、警察隊に帰ってもらうからと訴えましたけれども、依然効果なく、やむなく十時五十五分警察官を院内に入れ、妨害の排除を命じたと議長は語っておられます。私は、参議院における野党の暴力による議事妨害や警察官使用の実際を経験しているものでありますが、単なるすわり込みだけでなく、入口を閉鎖し、ドアを破壊しなければ議長が部屋から出られないという状態にまで議長を監禁状態に陥れたという事例を知らないのであります。これでは、明らかに刑法第二百二十条の不法監禁罪を構成するものであります。また、参議院の先年の実例においては、警察官が姿を現わしたことによって、野党は一切の暴力行為を停止したのでありますが、清瀬議長の述べるところによりますと、警察官が議長室と議場入口の門のわずか数メートルの道を開くのに、十一時七分から十一時四十七分までかかり、その間、怒声、罵声こもごも起こり、労働歌を高唱し、身辺の危険を感じたとありますから、警察官の職務執行に対し頑強なる抵抗の行なわれたことを物語っているのであります。そうして四十分間の警察官の実力行使により、議長室東側ドアが少しあいたので、自民党議員に守られて議場に入ったけれども、その入場を阻止する野党議員の妨害にあって議長は左足に重傷を負うに至ったのであります。警察官の公務執行にも反抗を示すのでありますから、野党議員の暴力行為の質とその程度を知るべきであります。民主主義国では、どこの国でも神聖視されておる議長の職務の執行を暴力によって妨害する行為のごときは、議会政治の反逆として無条件に非難されなければなりません。議長は当時の心境について、こう語っておられます。「私は、一方、暴力の行使によって国権の最高機関が開会できないということは、国会が暴力によりじゅうりんされたことになり、また議員同士が相争うて血を流すようなことがあっては取り返しがつかないので、断腸の思いで意を決して警察官を入れた。」と述べておられますが、私はこの清瀬議長の心境をそのまま全国民に知らせる必要があると思います。国会の機能が暴力によって麻痺するということは議会政治の終幕を意味するから、議長が敢然として暴力に屈しなかった見識と勇気に満腔の敬意を表するものでありますが、清瀬議長のとられた措置に対する首相の感想を伺いたいと思います。