青木一男の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)

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○青木一男君 私も、当時の事情は、ただいま首相のお述べになった通りだと思います。
 次に、私は衆議院の解放の問題について首相にお尋ねします。社会党と民社党とは、今や国会の審議を放擲して、院外活動によって岸内閣の退陣と衆議院の解散を迫っております。首相は新聞記者団との会見において、総辞職は無条件に否定されておりますが、衆議院の解散については、一応理論上肯定しつつも、今はその時期でないと述べたと伝えられております。この点について明白なる首相のお考えを承わりたいと思います。
 今提案されておる条約案と現行条約とを比較すると、日米対等の立場が認められたこと、米国の日本防衛の義務を明確化したことなど、幾多の点において著しく改善されており、社会党首脳部の諸君がかつて主張した改正論の要旨は、全部漏れなく新条約案に盛り込まれておるのであります。ところが、いかなる風の吹き回しか、社会党の諸君は今ではかつての改正の主張を忘れたるもののごとくに安保体制そのものに反対し、解散によって民意に問えと主張しておるのであります。しかし今度の改正案を葬ると、社会党の諸君がかつて不平等条約であるとして非難した現行条約が永久に存続することとなるのでありますが、社会党の諸君はこの矛盾をどう解決しようとするのでありましょうか。
 現行安保条約は実施以来すでに八年を経過し、わが国は安保体制を土台として安定し、岸業、経済は発展し、国民の生活は豊かとなって今日に至ったのであります。この八年間に、衆議院の総選挙四回、参議院選挙が二回行なわれております。これらの選挙における各党のスローガンを比較してみますると、内政問題ことに経済政策や社会政策の面では、与野党間載然たる相違もなく、両者の政策上の対立は外交政策と防衛問題に集約されていた観があったのであります。すなわち、わが党の日米安保条約を中核として国家の防衛と安全をはかる方針を堅持してきているのに対し、社会党は安保体制に反対し、中立主義を強く打ち出して、選挙場裏でも深刻なる対立を示したのであります。しかして、六回に及ぶ衆議院、参議院の総選挙及びその後の補欠選挙で、わが党は常に圧倒的大勝を博しておるのだからして、国民の圧倒的多数は、安保体制と安保体制を土台とする平和と繁栄の政策に賛成しておるものと見るべきであります。しかして、今回の改正案はわが国の立場から見て一段と改善を加えておるのでありますから、国民の大多数はこれに賛成であると見るのは常識であります。政府が本条約に調印したのは右のような認識に立つものと思いますが、首相の見解を伺いたいのであります。また条約の調印前ならばとにかく、すでに調印を済ませ、また衆議院を通過した現段階において、衆議院を解散して民意に問うなどということは、政治上の常識として考え得られないことと思いますが、首相の見解をあわせて伺いたいと思います。

発言情報

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発言者: 青木一男

speaker_id: 9880

日付: 1960-06-09

院: 参議院

会議名: 日米安全保障条約等特別委員会