岸信介の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)

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○国務大臣(岸信介君) 戦後の米ソを中心としての軍事予算の比較等について、青木委員が数字をあげての御説明でありましたが、言うまでもなく、ソ連——共産主義国の一貫した方針は、マルクス・レーニンの考え方を継承して、いろいろな手段、方法は異なるにしましても、世界を共歴化するということを究極の目的として、あらゆる努力をそれに集中するということにあることは、一般に認識されておるところでございます。こういう考え方の立場に立つのと、あくまでも人間の自由と人格の尊厳を基礎とした民主主義に立って平和と安全を求めようとしておる自由主義国の根本的な考え方が相違していることは、これは言うを待たないのであります。しこうして、どの国も、自分たちの理想とする平和と安全、繁栄を考えていく上から申しまして、外部からそうした一貫した、国際共産党のいろいろな形をとっての浸透、あるいは侵略というようなものをいかにして防いでいくかということは、自由主義の立場をとっておる国々がひとしく考えておるところでございます。今お話のように、いろいろな自由主義国内におけるところの安全保障体制ができた歴史的の理由につきましては、青木委員の御指摘になった通りでございます。従って、これらの防衛機構は、本来、その本質が防衛的なものであって、決して侵略的なものでないことは、発生の沿革から見ても、また、これらの機構の基礎をなしておる協定、条約笠の内容を見ましても、きわめてその点は明瞭であります。しこうして、自由主義の国々の一貫しての、共通しての考え方は、そうした平和確保の機構が国連において到達されることを念願をし、また、それを目的としておる。しかしながら、現在の国際連合というものの火力からいって、その中間を——過度的な中間的な措置としては、どうしても、考え方を同じくし、相ともに力を今日わせて自国の平和と安全をはかり、繁栄をはかっていく、そうして、人聞の究極の目的である民主主義、自由に基づくところの民主主義を擁護するというところの考え方の国々が、防衛の手段——他からこれを侵略し、平和を乱すようなことに対して対抗する防衛的な機構を作るということは、私はこれはまことにやむを得ないところであり、また、それが現在、各国の間に各地域において行なわれておる集団的安全保障体制の本質であると考えております。従って、日本の安保条約も、日米間においてそうした防衛的な——あくまでも本貫は防衛的であることはきわめて明瞭であります。そうして、国連のそうした機構ができるまでの過渡的な措置であることも、条約に明瞭にいたしております。世界の各平和確保の機構の一環として、私どもは純粋防備的なものであると、かように確信をいたしております。

発言情報

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発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1960-06-09

院: 参議院

会議名: 日米安全保障条約等特別委員会