岸信介の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)
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○国務大臣(岸信介君) この条約の至るところに、国際連合憲章の精神を、誠実にその精神に合致するというようなことを各所に設けております。米国が、また日本もともにでありますが、両国ともこの条約によって、あくまでも国際連合のこの精神をあらゆる面において具現するという熱意をもってこの条約を締結いたしております。国際連合の趣旨は、御承知のようにすべての問題を平和的手段において解決する、武力の行使ということは一切これは認めないというのが原則になっております。ただその場合の例外として、他の国から式力攻撃が加えられた場合においては、この加盟国はいわゆる個別的自衛権あるいは集団的自衛権において武力を行使することが例外的に認められております。この安保条約のいわゆる五条の武力攻撃があった場合において、百米がこれを排除するために必要な行動をとる、武力行動をとるということも、この国際連合憲章の精神に基づいておるわけであります。で、私どもは、米国があくまでも国際連合の忠実なる一員としてこれを守るところの国であるという信頼関係のもとに実はこういう条約を結んでおります。こういう条約というものは、何といっても、基礎において両国の間におけるところの信頼関係が真に成り立たなければ、こういう大事な条約というものはできません。ただ文句の上においてりっぱな不可侵条約を作っても、それが信頼できない相手方であるならば、それは何ら意味をなさないことであります。私どもが安保条約を締結するにあたって、アメリカをその相手国として選んだことは、今言ったような見地から、アメリカがわれわれの立場から国際連合憲章をじゅうりんするような国ではないという信頼関係を基礎として結んでおるわけでございます。