岸信介の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)

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○国務大臣(岸信介君) 安保体制のねらいは、しばしば申し上げておりますように、日本が他から侵略されない、国民が平和のうちにそれぞれの生活を営んでいって、そうして経済の復興なり国民生活の向上なりを期していく、いわゆる繁栄を期していくという考えから、この安保条約、安保体制というものが考えられるのであります。一たび他から侵略され、そうして戦争に巻き込まれるというようなことがあれば、すべてのこのわれわれの願望はこれでくずされる。従って、ただ単にこういうものが、何か戦争だけに関する、侵略だけに関する条約というようなものではなくして、ほんとうに平和なそうして豊かな生活をする。文化の面においても経済の面においても、われわれの生活を向上していくということが私は安保体制の基礎でなければならぬ。また、そういうことについてほんとうに両国が信頼し、協力していくのにふさわしい相手とのみこういう条約は成り立つものだと思います。先ほどからいろいろ日本経済の問題、国民生活の問題に関しての御質問ですが、戦後のあのみじめなことから、この短い期間の間にこれだけ回復したということについて、また将来われわれが願っておるような国民生活を向上せしめるという目標で国民所得を倍増するような発展をしていくためには、この資源の少ない、しかも人口の多い日本の経済というものを、どういうふうに持っていくかといえば、私は、過去のわれわれの経験から見ても、また経済の実態から見ましても、日本経済の実質を検討してみましても、日米の経済協力というもの、また日米が協力して他の低開発国の経済を開発する、各面において一そう緊密な協力関係に置くことが、国民の平和を守ると同時に、その国民の生活を豊かにし、安保条約の真の目的を達するゆえんである、かように考えまして従来こうした条約上の取りきめなくしても、日米間においてすでに先ほど来お話のように、日本経済に対するアメリカの援助、協力というものがあったのを、そう有効適切ならしめるために、本条約に定めたのでございます。

発言情報

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発言者: 岸信介

speaker_id: 6788

日付: 1960-06-10

院: 参議院

会議名: 日米安全保障条約等特別委員会