藤山愛一郎の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)

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○国務大臣(藤山愛一郎君) NATO条約の発効の当初におきましては、御承知の通り軍事機構の整備等が問題になっておりましたので、あまり経済条項の活用ということは関係いたしておりませんが、軍事機構の整備に伴いまして、一九五一年の九月にオタワで開催されました第七回の理事会において、広範な大西洋共同体内の協力強化についての検討が行なわれたわけであります。その結果、いわゆるオタワ宣言が発表されたのでありまして、ベルギー、カナダ、イタリア、オランダ、ノルウエー五カ国代表よりなる閣僚級の委員会が、NATOの理事会に対しまして、その実施について、経済上の実施についていろいろ勧告をいたしております。経済的な、金融的かつ社会的協力を緊密化することが書かれておるのでありまして、同委員会の報告の中では、貿易の発展と自由化、OEECとの協力関係の強化等が特に強調されております。その後、一九五六年五月のパリ会議におきましても、再び大西洋共同体の共通利益の増進という課題が取り上げられておるのでありまして、経済問題の政治的な面について定期的な検討を行なうこと、NATO締約国間における国際経済政策の食い違いの除去に努めること等が合意されております。さらに広く条約第二条のもとにおける非軍事的協力一般について検討をいたし、報告すべき閣僚委員会の設立がございまして、イタリア、ノルウエー、カナダ三カ国によって構成され、同年の十二月のパリ会議にその報告書が提出されております。その報告書の次第を申し上げますと、健全かつ発展する経済を建設するための国際的かつ個別的な行動、貿易支払い及び労働力、長期資本の移動についての可能な限り最大の自由、後進国経済援助等が特に必要と認められるということでございました。なお昨年の十二月のNATO総会におきまして、主として今後の情勢から、経済問題がNATO理事会の相当な大きな議題になったことは御承知の通りでありまして、その結果が後進国援助問題というのに発展しつつあることは御承知の通りだと思うのであります。
 なお、SEATOにおける経済協力問題はNATOの場合と異なりまして、主として後進国に対する経済援助の問題が中心となっており、アメリカの経済援助は特にSEATO加盟国に対するものとは限らないものでございますけれども、SEATOのワク内でもできるだけのことを考えていく、またオーストラリアは独自にSEATOのワク内で現に援助を行なっておるのでございます。一九五九年八月バンコックにSEATOの技術専門学校が開設されまして、米英仏合同の援助のもとで今日経営をされております。条約機構としては、SEATOの理事会のもとに経済問題について諮問に応じます経済専門委員会が現に置かれておるわけであります。
 栄華条約につきましては、特に運用の点で見るべきものは今日までは外部からはわからないのでございます。

発言情報

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発言者: 藤山愛一郎

speaker_id: 10389

日付: 1960-06-10

院: 参議院

会議名: 日米安全保障条約等特別委員会