岸信介の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(岸信介君) 私は最近における、中ソから安保条約の改定に対していろいろな申し入れやあるいは覚書等が寄せられておりますが、その内容を検討してみまするというと、誤解であるか、あるいは意味あって曲解しておるのか、はなはだ解釈に苦しむところが少なくないのであります。たとえば現在安保条約というものがある、安保条約の体制のもとにいろいろな日ソの共同宣言も出されております。そうして現在の安保条約においては、一、二の点を申し上げますというと、たとえば日本が核武装しゃしないか、これは核武装するというよりか、日本が核武装をしなくても、米軍が核兵器を持ち込みやしないかということは、これは中共やソ連に対して非常な一つの脅威を与える問題でございます。あるいはそれによって、外交上におきましてもいろいろな問題が生ずるおそれもある。しかして、従来われわれは核装備しない、核装備を持ち込ませないということを言っておるけれども、現行安保条約において、一体、核武装を、兵器を持ち込まないということを日本が言うておるけれども、日本の意思というものがどこに現われるかというような点において、現行の安保条約においては一つの不安がある。しかしながら、それを今度事前協議の対象とし、われわれの意思に反してアメリカがこれを持ち込まないということが明瞭になったということは、少なくとも中共やソ連に対して、従来あるところの、安保体制が与えておるところの不安をなくした、あるいは米軍の行動も、従来では日本の意思というものを全然認めずに、この極東の安全と平和のために行動できるということに対して、制約ができておる、こういうふうな点を考えてみましても、安保条約の改定というものが、中共やソ連に対して従来あるところの安保条約よりもより一そうの脅威を与え、もしくはこれによって、これらに対する友好の外交政策をそこなうというような性格のものではないとわれわれは考えております。これに対して、いろいろな両国方面からの言明やその他というものに対しては、私どもはこれは誤解に基づくものである、これを冷静に判断してもらうならば、そういうなんではないということを、あらゆる機会に明らかにしていって、そうしていくということが当然であり、これを、しいて今申したように、曲解し、あるいは誤解するというような事実からそういうことが起こっておるわけで、内容そのものは、決して私は中共やソ連に対して悪影響を持つような改定をしておるとは考えておりません。