田中角榮の発言 (国土総合開発特別委員会)

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○田中(角)議員 ただいま上程せられました北陸地方開発促進法案につきまして、私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、その提案の理由を御説明申し上げます。
 北陸地方の開発促進につきましては、去る三十四国会において、北陸地方開発促進に関する決議が満場一致をもって可決されたのでありますが、この決議の趣旨等からも明らかでありますように、この地方は経済、産業、民生すべての面において、太平洋沿岸諸地域に比し、著しい立ちおくれを余儀なくせられ、いわゆる裏日本的宿命のもとに置かれているのでありまして、これを全国的な水準に引き上げ、当面の緊急課題たる地域的格差を除去するために、特段の施策を必要とする幾多の問題をかかえているのであります。
 すなわち、本地方は、本土中央部を縦断する山脈のため太平洋側との連絡交通が妨げられ、かつ積雪、寒冷等の自然的悪条件に災いせられて、産業はふるわず、財政、経済力はきわめて弱体であります。たとえば昭和三十四年度の基準財政需要に対する収入の比率について見ても、わずかに三三・九%にすぎず、全国平均に遠く及ばない状態でありまして、この一事をもってしても、本地方の低位後進性は顕著であり、このままに推移いたしますならば、地域間の格差はますます増大し、経済成長政策に逆行する結果をもたらすことはおのずから明らかであります。
 他方、本地方は、農林水産、観光資源はもとより、電力、用水、労働力等特に豊富な資源に恵まれ、かつ日本海を中心とする対岸貿易の拠点的役割をにない、さらに、京浜、中京及び阪神の三大商工業地帯と密接につながる等特殊の立地条件のもとに置かれ、今後、外に向かっては対岸貿易の促進、内にあっては背後地との交通連絡網の整備拡充、産業立地計画の促進をはかる等、施策のよろしきを得るにおいては、ひとり本地方のみならず、広くわが国経済の発展、民生の向上に寄与するところきわめて大なるものがあると信ずるのであります。
 このような特殊事情のもとにおいて、本地方の総合開発を促進するためには、準拠すべき基本法の制定がぜひとも必要であると存ずる次第であります。
 これがこの法律案を提出する理由であります。
 次に、法律案の要旨について簡単に御説明申し上げます。
 第一は、内閣総理大臣が、北陸地方開発審議会の審議を経て、北陸地方開発促進計画を作成することを規定いたしておるわけであります。
 第二、北陸地方開発審議会に関し、その設置、所掌事務、組織その他必要な事項についての規定でありますが、部会の設置その他審議会の具体的運用については政令をもって定めることといたしております。
 第三は、開発促進計画に基づく事業の実施及び調整についてでありますが、開発促進計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法令の規定に従って、国、地方公共団体その他のものが実施するものとし、経済企画庁長官が、毎年度事業計画及び資金計画の調整を行なうことといたしたのであります。
 第四は、開発促進計画の実施について、政府は必要な資金の確保をはかり、かつ財政の許す範囲内において、その実施の促進に努めなければならないことを規定いたしたものであります。なお、これについては、一般会計予算の増額を期するほか、地方産業育成のための財政資金の確保についても、特段の考慮を払わるべきことは論を待たないところであります。
 さらにまた、本法の附則において、開発促進計画が作成された場合には、開発促進計画に基づく事業のうち、重要なものに要する経費にかかる国の負担または補助の割合について、当該事業の実施の促進上特別の措置を必要とするときは、別に法律で定めることといたしました。
 なお、この法律の制定に伴い、必要な関係法律の一部改正を行なうことを規定いたしております。
 以上がこの法律案の要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いする次第であります。

発言情報

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発言者: 田中角榮

speaker_id: 242

日付: 1960-12-16

院: 衆議院

会議名: 国土総合開発特別委員会