葛西嘉資の発言 (社会労働委員会)
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○葛西参考人 今度の赤十字の、約百ある病院の中の三十ちょっとの病院で、いろいろな規模のストが行なわれまして、患者の方々あるいは一般社会の人たちに、大へんいろいろな御迷惑をかけましたことを、まことに遺憾に存じ、また特に迷惑をかけております方々に対しては、申しわけなく存じておるような次第でございます。
今委員長から、争議の経過を申すようにというお言葉でございましたが、去る十月の二十五日に、労働組合の側から、五つの点についての要求があったのでございます。簡単にその要旨を申したいと思うのでありますが、第一は、労働協約の改定でございます。ちょうど改定の時期が迫っておりますので、具体的な事項について、これこれの事項について協約を改定してもらいたいという申し入れでございます。それから第二は、大幅賃金の引き上げという点でございます。これは一人五千円、最低一万円にしてもらいたい、一口に言えばそういうことでございます。それから第三は、年末賞与の点についてでございます。これは、従来の本俸支給割について、プラス一律アルファの給与をするようにという要求でございます。それから第四番目は、糸崎の赤十字病院を、今廃止したらどうかというような意見があるのでありますが、これの存置、再建について適当の措置をとってもらいたいということ。第五番目は、この夏から武蔵野赤十字病院に争議があるのでありますが、これの解決に努力をしてもらいたいという五点でございます。それが十月の二十五日に要求書として提出がございました。そして書面で回答をしました。それは十月の二十九日でございした。それは十月の二十九日でございます。
その要旨を申し上げますと、第一の労働協約の改定についてはよくこちらも研究をする、しかしこっちの方の、本社の側としても、なおこういうふうに改定をしたいというものがあるので、そういう具体的な案を出しまして、一つ両方で検討をしようじゃないかというのが、第一に対する回答でございます。
それから、第二の大幅賃金の引き上げという、五千円、そして最低一万円に賃金をしてくれという問題については、これは、御承知のように、昭和三十三年の秋に医療費の八・五%の引き上げがありまして、その際に全職員に対して一回、二回に分けまして、第一次及び第二次の給与改善をいたしたのでございます。これによりまして、平均いたしまして二十七カ月の期間短縮というものをやったのでございます。そういうわけで、上がった金というものを大体給与改善に向けてしまっておるので、今は財源の余裕もないし、とてもできない。近く医療費の改定、医療費のまた値上げというようなものがあるように聞いておるが、そういうときに一つ給与の全職員に対する改定をしたい、こういうことでございます。そういう回答をいたしました。
なお、その後の団体交渉におきまして、これは重複いたしますが、今でもこの年末賞与というもの、これは次に申し上げますが、これについては、赤十字の各病院によって財政がまちまちでございますので、そういうような点で財源の余裕があるものについては、これはわずかでも賞与というようなもので支給することは差しつかえない。またその病院々々によって、特にアンバランスがあるとか、あるいは特に看護婦さんが低いとか、あるいは第一次及び第二次給与改善の結果、アンバランスの是正は若干やったのでありますけれども、それでもなお高低があって、病院の全体の給与上いかぬというような場合には、財源があれば、その財源をそちらへ回して、まあ特別昇給と私どもはこれを申しておりますが、そういうものをやることは差しつかえないという回答をいたしておるのでございます。
それから、第三は、簡単に申し上げますが、年末一時金の問題については、これは病院々々によっていろいろ違うのでありますけれども、プラス一律アルファというのは、従来は——従来といえども、私どもはあまりプラス一律アルファということになりますというと、賃金のまあ何といいますか、悪平等と私どもは申しておるのでございますが、そういうことになることをおそれる。しかしながら、地方の今の実情、たとえば県庁でありますとか、あるいはその病院のあります市町村でありますとかというようなところなどで、今の一律アルファたとえば年末に対するもち代のようなものと私どもは申しておりますが、そういうものを出しておる場合においては、赤十字といえどもそれにならって、その地方の社会通念に従いまして、これを支給することは差しつかえない、こういう回答をいたしております。
なお、その財源でありますが、これは、財源は今の賞与のワクというものが、その病院々々によって一応きまるわけでありますから、そのワク内で支給する、こういうことで差しつかえないという回答をいたしております。
それから糸崎の問題につきましては、これは病院の廃止等については、本社の建前といたしまして、各支部々々でどうするという意見をきめて、そうして本社社長の承認を経るというような建前になっておりますので、目下鋭意支部において小委員会等を作りまして、どうするか、地元等と相談をしておるのでありまして、その意見を尊重するのだ、こういう回答をいたしております。なお第五番目に、最後の武蔵野病院につきましては、これは、御承知のように、夏以来いろいろ折衝がございまして、最後に東京都労働委員会の方からあっせん案が出ておるのでございます。これは病院側は大体その線でいいというようなことであったのですが、なかなかうまく話がまとまらぬでおるのでありまして、私どもとしましては、都の労働委員会のあっせんで円満解決をすることを期待しておるのだ、こういう五項目の書面の回答を十月二十九日に出しておるのでございます。
その後、十一月十日、十一月十七日、二十二日、それから十二月一日と四回にわたりまして、ときには夜おそくまでかかったのでありますが、団体交渉をいたしておったのでございます。しかしながら、いろいろな問題があるのでありますが、特に大幅賃金値上げというものは、本社の方としましては、今の年末の賞与で解決するとか、あるいはまた各病院々々の特別昇級で解決するというようなこと以外は、全部の職員に対して賃金の値上げをするということは、医療費の値上げをするというときでなければ、財政上もできない。そのほかも、本社の建前上できないというような回答をいたしておるのでありますが、この点がどうしても話し合いがつきませんのでございます。
そんなようなわけで、組合側にも、労使双方で幾ら話し合っても——四回やったのでありますが、大体平行線というような形でありましたので、これではどうも暮れも迫ったし困るから、一つ中央労働委員会にあっせんを依頼して、そこで公平な第三者で判断をしてもらおうじゃないかということを言うたのでございますが、どうもそうはいきませんでした。そこで十二月、今月の二日でございますが、本社の方としましては中央労働委員会にあっせんを依頼しておるのでございます。
その後、病院ストの問題は、御承知のように、赤十字としましては、先ほども申し上げましたように第一次、第二次、第三次、第四次というように四回のストがあったのでございまして、若干違ってはきておる。新しくストに参加した病院があったり、あるいは初めてストをやっておっても、二度目からやめたというような病院もあるのでございますが、ごく大ざっぱに申し上げまして、全国百の病院の中に三十前後といいますか、三十ちょっとになるかもしれませんが、職場大会というようなものを含めて、まだそういうことがございまして、解決しておらないのはまことに遺憾に存じます。私どもとしましては、十月二十九日、先々月の二十九日に、今申し上げましたような趣旨の書面の回答をいたしておるのでございまして、今日まで一カ月余りいたっておるわけでございます。この間、団体交渉等で本社の意のあるところは十分申したつもりでございます。なかなか妥結ができませんので、これは繰り返しますが、どうしても公正な第三者によって中労委のあっせんを受けて、そうしてそこで妥当な結論を見出して妥結をしたいという努力をしておるのでございますが、いまだにその希望は捨てぬのであります。
なお明日午後一時半から私どもはさらにまた団交を継続する予定でございます。
経過は、ごく簡単でございますが、以上でございます。