高野一夫の発言 (社会労働委員会)

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○高野参議院議員 ただいま議題となりました引揚者給付金等支給法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 昭和三十二年に成立いたしました引揚者給付金等支給法は大略過般の大戦の終結により外地から引き揚げてきた者及び本邦に引き揚げることを余儀なくされるに至った後外地において死亡した者の遺族について、所定の要件に該当する場合にそれぞれ引揚者給付金または遺族給付金を支給することとし、これらの者の生活の再建に資することといたしたものであります。
 しかして、本法成立の際参議院において、第一に、終戦日以前に引き揚げてきた者であっても、その実情が同様の状態にあったものに対して適正なる措置を講ずべきこと、第二に、終戦前閣議決定に基づいて強制的に引き揚げを命ぜられたような立場にある者に対しても本法が適用されるよう十分考慮すべきこと、以上の二点からなる附帯決議がなされたのでありますが、これは本法成立の当時より、今次の戦争に関連する緊迫した事態に基づく日本国政府の要請または連合国の官憲の命令により生活の本拠を有していた旧委任統治領であった南洋群島から引き揚げてきた者及びこれと同様の事情にあると認められる者または南洋群島から引き揚げてくる途中において死亡した者の遺族及びこれと同様の事情により死亡した者の遺族につきましては、それらの者が内地において生活再建をはかるに際し経験しました困難は、すでに本法により引揚者給付金または遺族給付金を受けることができることとされている者のそれと全く同様なものであり、従ってこれらの者に対しても本法による引揚者給付金または遺族給付金を支給できる道を開くことが至当である旨の要望ないし意見が関係各方面においてきわめて強いものがあったと申すことができるのでありまして、かつ、これらの要望ないし意見は全く妥当なものと考えられるのであります。また、これらの給付金を受ける権利の消滅時効につきましては、昨年の一部改正により従来の三年を四年に改めたのでありますが、これらの給付金を請求するための在外期間の立証等の書類や資料の収集等の理由により、時効の期間満了までに請求手続をなし得ないものがなお若干あると認められるのであります。従いまして、以上の附帯決議及び関係各方面の要望ないし意見の趣旨にのっとって引揚者給付金の支給対象を南洋群島その他これと同様な事情にある地域から引き揚げた者にまで拡大するとともに、遺族給付金の支給対象をこれらの引揚者の遺族及びこれらの地域にあった者で同様の事情により本邦に引き揚げることを余儀なくされるに至った後引き続き外地にあって昭和二十年八月十四日以前に死亡した者の遺族にまで拡大するとともに消滅時効をさらに一年延長することとし、本法案を提出いたした次第であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに可決していただきますようお願いする次第であります。

発言情報

speech_id: 103804410X03019610510_008

発言者: 高野一夫

speaker_id: 25551

日付: 1961-05-10

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会