社会労働委員会

1961-05-10 衆議院 全169発言

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会議録情報#0
昭和三十六年五月十日(水曜日)
   午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 大石 武一君
   理事 齋藤 邦吉君 理事 永山 忠則君
   理事 藤本 捨助君 理事 柳谷清三郎君
   理事 小林  進君 理事 滝井 義高君
   理事 八木 一男君
      井村 重雄君    伊藤宗一郎君
      浦野 幸男君    小沢 辰男君
      加藤鐐五郎君    岸本 義廣君
      佐伯 宗義君    櫻内 義雄君
      澁谷 直藏君    中山 マサ君
      松山千惠子君    赤松  勇君
      淺沼 享子君    大原  亨君
      河野  正君    五島 虎雄君
      島本 虎三君    田邊  誠君
      中村 英男君    吉村 吉雄君
      井堀 繁雄君    本島百合子君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 古井 喜實君
 出席政府委員
        厚生政務次官  安藤  覺君
        厚生事務官
        (大臣官房長) 高田 浩運君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局
        長)      尾村 偉久君
 委員外の出席者
        参議院議員   高野 一夫君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局結
        核予防課長)  若松 栄一君
        専  門  員 川井 章知君
    —————————————
五月十日
 委員島本虎三君及び田邊誠君辞任につき、その
 補欠として山本幸一君及び佐々木更三君が議長
 の指名で委員に選任された。
    —————————————
四月二十八日
 引揚者給付金等支給法の一部を改正する法律案
 (参議院提出、参法第二〇号)
 社会福祉施設職員退職手当共済法案(内閣提出
 第一八一号)(参議院送付)
五月四日
 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律
 の一部改正に関する請願(鈴木茂三郎君紹介)
 (第三三四七号)
 同(門司亮君紹介)(第三三四八号)
 同(山田長司君紹介)(第三三四九号)
 同(尾関義一君紹介)(第三三八五号)
 同(簡牛凡夫君紹介)(第三三八六号)
 同(綱島正興君紹介)(第三三八七号)
 同(成田知巳君紹介)(第三三八八号)
 同(松本一郎君紹介)(第三三八九号)
 同(渡邊良夫君紹介)(第三三九〇号)
 同(相川勝六君紹介)(第三五二七号)
 同(五島虎雄君紹介)(第三五二八号)
 同外一件(首藤新八君紹介)(第三五二九号)
 同外五件(早稻田柳右エ門君紹介)(第三五三
 〇号)
 同(小平久雄君紹介)(第三五四九号)
 同(佐藤觀次郎君紹介)(第三五五〇号)
 同(杉山元治郎君紹介)(第三五五一号)
 同(野原覺君紹介)(第三五五二号)
 同(赤城宗徳君紹介)(第三六一五号)
 同(井出一太郎君紹介)(第三六一六号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第三六一七号)
 同(小沢辰男君紹介)(第三六一八号)
 同(猪方孝男君紹介)(第三六一九号)
 同外一件(大石武一君紹介)(第三六二〇号)
 同外六件(久野忠治君紹介)(第三六二一号)
 同外六件(鈴木正吾君紹介)(第三六二二号)
 同(園田直君紹介)(第三六二三号)
 同(田口長治郎君紹介)(第三六二四号)
 同(中島巖君紹介)(第三六二五号)
 同(福田一君紹介)(第三六二六号)
 同(前田義雄君紹介)(第三六二七号)
 同外二件(松本七郎君紹介)(第三六二八号)
 日雇労働者健康保険料引上げ反対に関する請願
 (加藤清二君紹介)(第三三五〇号)
 同外百三十二件(鈴木茂三郎君紹介)(第三三
 八〇号)
 同(島本虎三君紹介)(第三五三一号)
 同(藤原豊次郎君紹介)(第三五三二号)
 酒癖矯正施設の設立に関する請願(櫻内義雄君
 紹介)(第三三五一号)
 同(前田正男君紹介)(第三六三二号)
 拠出制国民年金の実施延期に関する請願(多賀
 谷真稔君紹介)(第三三五二号)
 日赤争議早期解決に関する請願(下平正一君紹
 介)(第三三七九号)
 同(井出一太郎君紹介)(第三六一二号)
 同(小川平二君紹介)(第三六一三号)
 同(原茂君紹介)(第三六一四号)墓地埋葬制
 度に関する請願(高見三郎君紹介)(第三三八
 一号)
 同(鈴木仙八君紹介)(第三六三〇号)
 社会保障拡充及び小児マヒ対策促進等に関する
 請願外百七件(西村力弥君紹介)(第三三八二
 号)
 全国一律八千円の最低賃金制法制化等に関する
 請願外十三件(西村力弥君紹介)(第三三八三
 号)
 老齢福祉年金支給に関する請願(保利茂君紹
 介)(第三三八四号)
 小児マヒ対策に関する請願(島本虎三君紹介)
 (第三六二九号)
 小児マヒ対策に関する請願百四十件(谷口善太
 郎君紹介)(第三六三一号)
 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正に関す
 る請願(山崎始男君紹介)(第三六三三号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 引揚者給付金等支給法の一部を改正する法律案
 (参議院提出、参法第二〇号)
 結核予防法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第五六号)
     ————◇—————
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大石武一#1
○大石委員長代理 これより会議を開きます。
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小林進#2
○小林(進)委員 議事進行について……。国会対策委員長会談を重ねて、ようやくきのう約二週間にわたる国会の紛争——その紛争も、われわれの側から言わしむれば、農業基本法という当然農民の生活を守る基本法たるべきもの、それの慎重なる審議に応じない、そういうようなことから勃発をいたしまして、この重要法案審議の重大なる時期を約二週間有余、社会労働委員会にいわせればそのほかいわゆる国保の補助金の問題も含めて三週間有余、われわれは審議をストップしてきたのであります。それが国会対策委員長会談に基づいてようやく糸がほぐれて、そしてきのうはわが社会労働委員会においても理事会を開いて、一つ明日から審議の促進をやろうという話し合いをいたしました。あなた方与党の方でも自分たちの至らないところは反省をし、定員に満たないところは定員をそろえて、そして一つ慎重なる審議の態勢を作り上げる。われわれの方も話すべきものは話し、言うべきことは言うて、なるべく共通の話し合いの場を持ちながら、この終末期の国会のみごとな仕上げをやろうではないか、こういう申し合わせをしてわれわれは理事会を終わった。しかも、その終わるときの理事会の内容は、山本委員長はきょう十日は何か急用があるから一日欠席することを一つ了承願いたい。よろしい、明日は一体どうするか、明日は理事会を省いて、そのかわり正午前十時から開会をするようにしよう。そのときに私は十時半ということを申し上げた。十時半から一つ委員会を開こうと言ったときに、与党の諸君は何と言った。十時半ではおそ過ぎるから正十時に委員会を開会しようということで巻き返して、私の主張を押えて十時から開会をするという約束をされて、きのうの理事会は散会をいたしている。しかるに一体きょうの状況は何であるか。私は九時半から国会の自分の控室に入って、正十時からの約束でありますから、十時になったら委員会の招集のマイクの放送があるだろうと待っておったが、ほかの委員会の放送はありますけれども、社会労働委員会の放送はついにない、ないじゃありませんか。きのうあれほどいわゆる国会の理事会を再開して軌道に乗せてやろうという申し合わせをして、そして時間もきめておいた。単なる申し合わせではない。私の十時半という申し出を特に切って、与党の諸君が十時という修正意見を出して、この問題だけでも二、三のやりとりをしてきちっときめた。そのかたい約束がその翌日における再開第一回目の委員会においてすでにそれが実行されないような、そういう委員会のやり方であり、理事会の申し合わせであるならば、われわれは何を話し合ってもむだであります。これは話をもとに戻してもむだでありますから、一体そういうような理事会の申し合わせというものは、常に翌日第一日目の委員会において簡単に約束を破られて支障ないものかどうか、破っても支障ないものとおっしゃるならば、われわれも態度を改めて今後ともそのような行動に移さなければならぬと思うのでありまして、一体理事会の申し合わせというものはかくのごとく軽易に扱ってよろしいものであるかどうか、いま一回一つ直ちにこれから理事会を開いて、この問題の理事会の申し合わせの価値というものはどれほどまで重要なものか重要でないものか、そういう点を含めて私は理事会で御審議をいただきたい。理事会を開いていただかなければ、私は残念ながらこの委員会を開催することに応ずるわけにいきません。どうかさっそく理事会を開いていただきたいと思います。
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大石武一#3
○大石委員長代理 今の小林委員の御発言ごもっともであります。これは全く委員長の不徳のいたすところで、このような遅延をしたことを心よりおわび申し上げます。言いわけは申し上げない。確かに私が悪いのであります。(小林(進)委員「理事会を開いて下さい」と呼ぶ)私個人の失策でありますから、ほかの諸君の責任でありませんから……。
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小林進#4
○小林(進)委員 理事会の申し合わせですから、理事会を開いて下さい。私はわが党を代表している理事なんですから、理事会を開いてくれなければ委員会には応じられません。
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大石武一#5
○大石委員長代理 わかりました。
 それでは委員会を暫時休憩いたしまして、これから理事会を開きます。
   午前十時五十二分休憩
     ————◇—————
   午前十一時三分開議
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大石武一#6
○大石委員長代理 これより委員会を再開いたします。
 参議院提出の引揚者給付金等支給法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
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大石武一#7
○大石委員長代理 まず発議者より提案理由の説明を聴取いたします。参議院議員高野一夫君。
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高野一夫#8
○高野参議院議員 ただいま議題となりました引揚者給付金等支給法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 昭和三十二年に成立いたしました引揚者給付金等支給法は大略過般の大戦の終結により外地から引き揚げてきた者及び本邦に引き揚げることを余儀なくされるに至った後外地において死亡した者の遺族について、所定の要件に該当する場合にそれぞれ引揚者給付金または遺族給付金を支給することとし、これらの者の生活の再建に資することといたしたものであります。
 しかして、本法成立の際参議院において、第一に、終戦日以前に引き揚げてきた者であっても、その実情が同様の状態にあったものに対して適正なる措置を講ずべきこと、第二に、終戦前閣議決定に基づいて強制的に引き揚げを命ぜられたような立場にある者に対しても本法が適用されるよう十分考慮すべきこと、以上の二点からなる附帯決議がなされたのでありますが、これは本法成立の当時より、今次の戦争に関連する緊迫した事態に基づく日本国政府の要請または連合国の官憲の命令により生活の本拠を有していた旧委任統治領であった南洋群島から引き揚げてきた者及びこれと同様の事情にあると認められる者または南洋群島から引き揚げてくる途中において死亡した者の遺族及びこれと同様の事情により死亡した者の遺族につきましては、それらの者が内地において生活再建をはかるに際し経験しました困難は、すでに本法により引揚者給付金または遺族給付金を受けることができることとされている者のそれと全く同様なものであり、従ってこれらの者に対しても本法による引揚者給付金または遺族給付金を支給できる道を開くことが至当である旨の要望ないし意見が関係各方面においてきわめて強いものがあったと申すことができるのでありまして、かつ、これらの要望ないし意見は全く妥当なものと考えられるのであります。また、これらの給付金を受ける権利の消滅時効につきましては、昨年の一部改正により従来の三年を四年に改めたのでありますが、これらの給付金を請求するための在外期間の立証等の書類や資料の収集等の理由により、時効の期間満了までに請求手続をなし得ないものがなお若干あると認められるのであります。従いまして、以上の附帯決議及び関係各方面の要望ないし意見の趣旨にのっとって引揚者給付金の支給対象を南洋群島その他これと同様な事情にある地域から引き揚げた者にまで拡大するとともに、遺族給付金の支給対象をこれらの引揚者の遺族及びこれらの地域にあった者で同様の事情により本邦に引き揚げることを余儀なくされるに至った後引き続き外地にあって昭和二十年八月十四日以前に死亡した者の遺族にまで拡大するとともに消滅時効をさらに一年延長することとし、本法案を提出いたした次第であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに可決していただきますようお願いする次第であります。
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大石武一#9
○大石委員長代理 本法案の質疑につきましては、明日あらためて行なうことといたします。
     ————◇—————
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大石武一#10
○大石委員長代理 結核予防法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑を許します。滝井義高君。
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滝井義高#11
○滝井委員 結核予防法の一部を改正する法律案について概要を先にお尋ねをして、そのあとに逐条的な二、三の重要問題をお尋ねしたいと思うのです。
 まず第一にお尋ねしたいのは、厚生省から出ておりますこの資料にもありますように、結核の死亡の数が昭和三十四年には三万二千九百十四人、人口十万に対比三五・四程度に減少してきておる。しかもその死亡順位は三十三年が六位、三十四年が七位とだんだん下がってきたのですが、こういうように結核の死亡の順位が急激に下がりつつあるというのは、これは一体どういうところにこういう状態が出てきたと政府はお考えになっておるのですか。これを日本の結核対策の勝利と見るのか、それとも何か日本人の栄養その他が自然によくなって、結核に対する抵抗力が強くなったためにこういう状態が出てきたと見るのか、この両方相待ってこういうことになったということも言えるかと思いますが、今後における日本の結核対策を立てる上に、ここらあたりの明確な因果関係というものをやはりはっきりさしておくことが必要じゃないかと思うのです。それを一体厚生省当局はどう見ておるのか、これを御説明願いたいと思います。
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尾村偉久#12
○尾村政府委員 ただいまの結核死亡率が相当なスピードで低下しておる原因でございますが、ただいまの御意見の中のやはりこれは今までのところは両方の理由が奏功しておる、こう見ております。と申しますのが、一つは対策の中での化学療法あるいは手術療法等によりまして、従来でございますと一定の進行を見たものは古くからの大気、安静、栄養というだけの一般療法ではなかなかそれ以上積極的に食いとめられない、死の転帰をとるというのが従来の例でございましたが、これが食いとめられるようになりまして、進行をとめるのみならず、相当のものを治癒に向かわせることができるようになった。しかもその普及度が患者数に対しまして逐次拡大されておりますので、これが最も有力な死亡率そのものの低下の最大の要因、こう存じておりますが、もう一つの問題として栄養状況その他の生活環境状況も非常に影響しておる。こう思われますのが、最近やはり低所得で、いわゆる国民の平均の水準から見ますと栄養も不十分である、生活条件も悪いという者の死亡率の低下率が非常に遅々としておりまして、これらの条件がそろっておる対象は、やはりこの平均の低下率以上のスピードで早くいい方に向かっておる、こういうような点から見ますと、やはりこれらの方も相当な影響がある。従って現在までの実績から推定しては、ここ当分は両者ともにやはりこの結核対策には必要であって、一方のみが最大の要因であるからそれだけに力を入れたということでは、日本全体の今後の一そうの結核の低下対策にはやはり不十分である、こういうふうに見ているわけでございます。
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滝井義高#13
○滝井委員 そうしますと、化学療法の普及なり生活環境の改善という、これが両々相待って結核の死亡が減少した、こうおっしゃるのですが、そうしますとなかなかなぞが解けない部面が出てくるのです。と申しますのは、昭和三十三年の結核実態調査の実績と昭和二十八年の結核実態調査の実績を比較して、あなた方の統計で見ますと、要指導の総数が三十三年は四百五十一万、二十八年は五百五十三万、これは減少しております。しかし要医療は三十三年三百四万、二十八年二百九十二万と、要医療の者は増加しているのですね。そうして、しかも若年層はなるほどBCGその他の普及で結核の減少はあったが、高年令層は増加をしてきているわけです。そうすると、要医療が増加をして、高年令層に結核の対象者が増加をして、しかし一方結核自体は軽症化をしている。昔みたいにごろごろいうような空洞の大きな開放性の結核患者が今の若い層から現われるということは少ないわけです。軽症化しているわけです。こういうなぞがそうすると解けなくなるのですよ。要医療の者が増加をしている。なるほど軽症化している。とにかく結核であるということは間違いない人は増加をしているということになりますと、これは環境とか化学療法だけでなく、何かがこれはひそんでおるのじゃないかという感じがするのですが、ここらの要医療がむしろ増加をしているという、これに対する回答はどういう工合にしますか。
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尾村偉久#14
○尾村政府委員 御指摘のように、この要医療の中の重症者、すなわち要入院は百三十数万から八十六万というふうに非常に減りましたので、これを含めた要医療の総数が三百万前後で変わらないとすると御指摘の通りでございまして、要入院を除いた要医療という比較的中等より軽い方の面は確かに増加している、こういうことは言えると思います。ただこれは二十八年の実態調査の発表にもございますが、実は二十八年当時と三十四年の当時との要医療の当時における対象の取り方が若干進歩したわけでございます。従いまして、二十八年当時はこの程度の病状については医療の対象にならない、せいぜい観察するんだ、こういう方に入ったグループが多うございまして、これで要指導が非常に多かったのでございますが、これが三十三年になりますと、その後の結核医療の経験によりまして、この程度のものまでやはり医療を継続しなければいかぬ、ないしは早く事前に開始しなければいかぬ、こういうふうな治験が変わって参ったものでありますから、その方に転換繰り入れられたものが非常に多いということでございまして、それが要指導が非常に減って、中等、軽症の要医療がむしろふえたという一つの大きな要因をなしております。これら両者を合体いたしますと総数において減少しておる、こういうことになるわけでございます。しかしそれだけではなくて、御指摘のように、あくまで高年令層の方では死亡率も減り方が少ない、それから罹病率もごく一部、すなわち七十才程度になりますと前よりもふえておるという部面が現われておりますが、これはやはり私どもの分析では古い結核患者が非常に多い。この部分は、前は死亡ということによりまして、この中の罹病者の数がこの世の中からなくなったという形で、病気それ自体の減少でなくて、生命を断つことによって解決したのが、化学療法で持ちこたえはするが、なおりもしないというような長期療養の者がここへ蓄積をしてきた。しかも五年間で御承知のように年々一年近くの寿命が延びておりますので、従って高年令層の蓄積の仕方は、これは人口の増加も加わりまして一そうふえておるという形でございまして、しかもこの高年令層の長期の者には一そうその生活環境のいろいろの条件というもので、悪条件がありますと、それが家族も持ち、家庭の中の家族の一員としてこれは悪い条件で集積しておる、こういうことでございますので、従いまして、結果からいいますと、こういう連中にふえておりますものは、かねてからのBCGの予防接種等の効果も少しも恩恵にあずかっておらない。発病は終戦直後ぐらいまでの非常に悪条件のときに悪い条件で発病して、それがずっと続いておって、その後化学療法等によりまして生命の延長という恩恵を受けた、これが逆にここに蓄積しておる、こういうふうに見ておるわけであります。従って、先ほど御指摘の、一部は近代の対策の恩恵を受けたけれども、もう一つの問題である栄養その他の生活条件の方の悪影響が比較的続いておる階層であるというようなことで、非常に的確な分析の御返答にはなりませんでしたが、やはりそういうふうな諸要件が重なって中年層以上が割合と結核対策の中では悪い条件で残っておるのではないか、こう見ておるわけでございます。それ以上に、なお現在社会条件と結核の罹病率等の検討をいたしておりまして、一部はこれは中間のものがまとまったのでございますが、やはり今言ったようなものがそれぞれの事項につきましてある程度うかがえるような結果が出ておるわけでございます。
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滝井義高#15
○滝井委員 大体御説明で、結核の死亡は急速に減少しておる、しかし同時に罹病者が軽症化する傾向がある。それからだんだん結核患者というものが高年令層によけいに出てきている。それは若い時代にかかった結核が、生命の延長その他で商年令層に蓄積の傾向がある。しかもその高年全層で特に結核が多いという層は、主として所得の低いところ、あるいはこれは若年層でも所得の低いところなんです。厚生行政の基礎調査を見てみますと、二万円以上の世帯では有病率の減少というものは実に顕著です。ところが一万円以下の世帯では有病率の改善がほとんど見られない。従って結核というものは日本では昔ながら低所得階層に集中をしている、こういうことが今の結論の中から出てくるのです。そうしますと、こういう非常な矛盾とアンバランスを含んだ結核患者の発病の状態を見ますと、こういう中で、予防から治療、後保護までの具体的な対策を厚生省はおやりになろうとするわけですが、今度出てきた、こういう命令入所その他だけではどうにもならぬと思うのです。こんなものは九牛の一毛で、結核対策の大宗、いわゆる本流としてわれわれは見ることはできないと思うのです。こういうような大きな情勢の変化が、結核という国民病あるいは社会的疾患の中に起こってきたというこの現実に立って、厚生省としてはもっと具体的な大胆な政策を打ち出さなければならぬと思うのですが、それが依然として結核予防法の、世帯主に対する七割給付、命令入所、従業禁止というようなことだけでは、私は解決できないのじゃないかと思うのです。これを一体古井さんとしてはどうやって今のような非常に矛盾した状態のある結核を今後撲滅するための対策をお立てになるのか、これを一つ少しく体系的に総合的に御説明を願いたいと思います。
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尾村偉久#16
○尾村政府委員 先に私からお答えさしていただいて、そして総括的に大臣が説明されるということでございますので、御了承願います。
 御意見の通りに、今度の予防法の改正をお願いしていることによりまして、全体の結核対策がこれで十分だということでは全然ないつもりでございます。ただ先ほどから申しましたような今盲点の一つになっている部面をとりあえず相当大々的にやるということでございます。従って一挙に何もかもやるということも必要かとも思いますけれども、ただこれはいろいろな能力の問題もございましょうし、その他の事情から、直ちに効果が上がるという点の一番右翼とわれわれが考えておるもの、いわゆる大きな盲点になっているもの、それをことし手をつけた、こういうことでございます。従ってこれは当然ことし半年で開始いたしますけれども、来年は通年でこの倍の分量は当然また対象を拡げることもできる、こういうふうな拡大の改正でもございます。その他のたとえば健康診断等のいわゆる予防措置の徹底、これも現実には取り上げてやっておりますが、御承知のように全国民が受けておるわけではなくて、従って受けない側にある程度まだ残っておる、本人も自覚しないというものもあるわけでございますので、それもことしまた拡大の努力をするようにいろいろな施策を講じておりますが、もちろん将来一そう強化する、これも必要でございまするし、それからさらに今度の命令入所、それから一方保険局で改正をお願いしております世帯主の七割給付、これと類似のいろいろな結核医療保障、これもまだこれで全部を尽くしたわけではないのでありまして、これの方の強化拡大ももちろん将来当然要るわけでございます。それからさらに治療が終わりましてから、あるいは治療とともにやりますアフター・ケアとかあるいはリハビリテーションを適切にやりませんと、せっかく金もかけ本人も長期の苦労をしてある程度までいきながら生活の悪条件のためにまたもとに戻ってしまう、こういうものが従来の実績でも相当な高率あるわけでございますから、それらの方も当然これはやるべきだということで、この予防、医療、後保護、これはやはり将来は一そう並行してそれぞれ強化する、これは結核対策の方針として当然考えるべきである、こう思っておるわけでございます。ただいまのようにいろいろな事情から、やはり順序を若干立てまして計画的に努力している、こういうことで御了承をお願いしたいと思います。
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滝井義高#17
○滝井委員 予防と治療と後保護に力を入れられることはけっこうですが、私は非常に大きな点が抜けていると思うのです。それはなるほど作文としては予防ということで、あなた方が三十四年から二百十六の保健所の管轄地区ごとに結核対策の推進地区をお作りになった。そうして健康診断と予防接種の徹底、一般住民に対する検診の強化、それから患者管理の徹底による完全受療、完全治癒の促進、濃厚感染源の一掃、国の助成の強化、こういうことを三十四年に政策としてお立てになり、三十五年には四百二十六地区に拡大をし、ことしはさらに命令入所、国民健康保険における精神病、結核の七割世帯主給付というふうに拡大をしておられるわけです。その一連の政策で、まず第一に予防の面の保健所というのが、その機能を発揮する状態にないわけです。結核検診が一番普及徹底しているのは学童だけなんです。一般住民は徹底していない。一般住民の結核の健康診断、予防接種は二割一分です。学童は八割ぐらいいっていますけれども、一般は二割一分です。学童は家庭内部からの、老人結核から学童に感染をするか、あるいは学校の教師自体が開放性の結核でない限りは、そう感染はないわけです。大都会はそうでもないかもしれませんが、大体機会が少ないわけです。そこらあたりを押えればいいのですが、最近はそういうものがあったにしてもBCGとツベルクリンの反応検査で相当防いでいけるわけです。そうすると問題は一般住民その他を対象とする保健所の活動がどうかということ、これはきょうの朝日新聞かなんかにも出ておる通り、とにかく技術者が七割いないのです。東北にいったら二割七、八分の充足率です。給料の条件が悪いために医者が集まらない。衛生技術者になる希望者がいない。医科大学卒業者で衛生技術者の希望者が一つの学校に一人か二人おるかいないかという状態です。だからまず予防という面にぽかっと大きな穴があいてしまっておる。それから今度は治療の面になりますと、これがまた一つの大きな隘路になっておる。というのは、あなた方は結核の問題を結核予防法で解決しようとしていらっしゃる。ところが結核予防法というのは、読んで字のごとく予防なんです。ところがそれに今度は治療面が加わってきておる。この治療法を私はこのまま置いておる限りにおいてはだめだという意見です。この治療をこの際——もうパスだってマイシンだって安いです。パスのごときは一日分十グラムやったところで、普通のお薬代と同じ程度でしょう。一日二・九かそこらでしょう。普通だったら二・八くらいですから、同じですよ。だから私が調べたところでは、今医者は結核患者が来たら、パスを普通の病気としてやっていますよ。そんなものを結核予防法でレントゲンをとったり、あの結核審査協議会なんかに一々かけてやるんでは大へんだというので、みんな普通の投薬でやっていますよ。熱心な医者は、そんなものを出すのはばかばかしい、戸籍謄本まで持ってきて、そうして結核予防法の申請なんかするのはばかくさい、だから平病でやってしまう、こういう状態が出てきているのです。ハスもマイシンも、今ではもはや特殊な薬ではないんです。みんな薬店から、ヒドラジドその他の錠剤を買って、大衆はみんな飲んでいますよ。だから、そういうものを特殊なものとして、何か神がかり的なものとして奉って、結核予防法のワクの中に閉じ込めておくことが問題なんです。こんなものは健康保険へ開放してしまったらいい。もうマイシンの注射だって安くなったんですから、これは神経痛のイルガピリンみたいなもの、あの方が高いくらいですよ。だから、こんなものは全部健康保険や国民健康保険でおやりになったらいい。そうしてそういう結核に払った医療費だけは基金に国からお支払いになったらいい。それを一々あのめんどうくさい手続をやらせるところに一つの隘路があるんです。だから、これは事務の簡素化の一つの大きな前進にもなる。あんなめんどうくさい——私は実は代議士になった一つの目的は、ああいう医療の事務を簡素化するために私は代議士になったのだということをよく天下に公言していますが、ああいうことをやらせることが日本の医療を、こういうようにして医者の心を曲がらした一つの原因ですよ。武見医師会長から算術なんて言われるのは、結局そのためですよ。医者と患者との間に第三者が入ったんだから、この三者だから、これは仁術が算術になったと言われるのはそのためです。こういう事務的なことを医者にやらせているから、事務の勉強によけいに重点がかかって、ほんとうの医学の勉強を怠るという結果が出てくる。そういう制度にしちゃった。だから私はこの際、まあ保険でやるということになれば保険局になって、あなたの方の権限がそれだけ縮小するかもしれぬけれども、やはり日本の結核を撲滅する意味で、尾村さんのところも大乗的な見地にお立ちになって、これをさっとやるべきだと私は思うのです。これを健康保険、国保で普通の医薬と同じ取り扱いをおやりになると、結核はぐっとなくなりますよ。軽いうちにみんなパス、マイシンをやっちゃうんです。やったところで額はかさまないんです。それから日本の製薬企業だって、パスはたくさんできて困るくらいできるんです。一グラムが一円以下でできるんですよ。だから、こんなものは安くして、そうして結核の予防にも飲ましたらいい。坂田さんが厚生大臣のときに、学童に予防的にこれを飲ませるという約束をしたんです、ところが、その後それがどうなったのか何も音さたがないんですが、これがどうなったか尾村さんにも聞かなければいかぬ。そういうように、こういう薬を予防面にも使うし、それから治療面にも普通薬として用いていくという方向に、この際踏み切るべきだというのが私の意見です。そうしますと、治療面というものはぐんと進むのです。後保護の問題は、予防と治療が徹底をしてきますと、後保護は、今の中高年層以上の結核患者の対策になるから、非常に限局されたことになる。それと、再発防止の対策というものは、これは予防面から取り得るわけです。それともう一つは、今厚生省と医師会はけんかばかりしていますけれども、この結核対策に医師会を動員するということです。これはもう私は何回もここで言ったんです。そうしてお医者さんに月に一万円ぐらいやってもいいじゃないか。それをおやりになって、保健所は閑古鳥が鳴いているんですから、保健医は開放性結核患者のおる家を回るだけの人員がないんだから、開業医を動員をして、そうして少ない保健医とその開業医をタイ・アップさせながらやったら、これはわけはないのですよ。どうしてこんなやさしい政策を今まで歴代の厚生大臣が——もう私が何回言ったかしらぬが、なるほどその意見はよろしいとおっしゃるのだが、一向に実行しない。こういう点から、いわゆる予防医学の方向に日本の開業医なり公的医療機関を誘導してくる、こういう政策をおとりになったら、結核なんか撲滅するのはわけないです。それをやらないところに問題があるのです。これは今のあなた方のやられるようなこういう予防法のチャチな改正なんかじゃ、百年待っても結核はなくならないですよ。そういう点を思い切ってどうですか、私は今三つの点を——今の保健所は閑古鳥が鳴いておるんだから、ここに開業医か公的医療機関の医師をできるだけ動員して、そうして月一万円くらいの手当をお出しになったらいい。これはやらしたところで安いものだ。それから、パス、マイシン等の抗生物質を普通薬と同じように取り扱う。それから、学童の陽転者にはすみやかに予防的に飲ませていく。これは実験してみるということを坂田さんが約束した。そういうような方向でもってどうしていけないのかということなんですがね。
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尾村偉久#18
○尾村政府委員 ただいまの結核の、今後の対策の方針は先ほど御説明いたしました通りでございますが、これを実際に身を入れて成績を上げるというには、確かに御指摘のような具体的なことが裏づけがございませんと、その方向が充実しないということで、そのうちの第一点である保健所の機能の充実でございますが、これは確かにもう長年——わずかずつは保健所の医療職員はむしろふえておるのであります。さよう新聞にございましたように、一時はやはり減ったということもございますが、全般的には少しずつは充実しておる。従いまして、この三十六年度も二百七十名の増加をいたして予算もお願いしたわけでございますが、しかしそれではとてもまだまだ足らない、こういうことでございますので、これと関連しての御指摘でございましたその他の保健所以外の医療機関とタイ・アップしてこういうような医療政策をやる、あるいは予防政策をやる、これはもう現在それに乗っておりまして、実際にその方がよい。保健所はあくまでそういうような世話役であり、計画、立案あるいは費用のお世話をするということを第一の目標にして——もちろん保健所でないとそのごく近間、保健所の方が便利なところもございましょうし、それから保健所が横切りにしてその機械、たとえばレントゲン自動車その他もございますが、それらの運転を担当する。ただしその実際の医療従業員はまた、これは医師会の会員なりあるいは地元の指定医療機関の専門家なりに提供していただく。こういうような形が一番適切だと思いまして、そういうような方向でことしもいわゆる非常勤的な嘱託の雇い上げ料というものを非常に増額いたしまして、それから健康診断の経費につきましても、いわゆる委託経費というものを非常にこのパーセンテージをふやして、しかもその単価は賛同が得られるように、別な保健所経費の方の補助が三分の一いっている場合と、それからそういうものと無関係で御委託する場合とでは、当然単価が若干差がある、こういうことでございますので、たとえばその点も差をつけまして、相当量を今度増加したわけであります。従来そういうことを明確にしておらなかった間接撮影を中心とする一般健康診断では、一五%、五千万人の一五%といたしますれば相当な数になります。これは民間のその他の医療機関に委託検診をしていただく。それから、精密検診については、二五%をそういうような指定医療機関等に依頼する、こういうことをはっきりと積算上も明記いたしましてやったわけでございます。これをどしどしとなるべく拡大していく、これはもう必要なことでございます。非常に御指摘の通りで、われわれもその方針で今後やっていきたい、こう思っております。
 それから、第二点の三十四条、今度改正いたしませんでしたが、三十四条のいわゆる結核の適正医療普及のために従来やって参りましたパス、マイシンあるいは手術、それから手術前後の入院、こういうものに対する公費負担でございますが、これは、確かに従来は適正医療の普及ということで、審査協議会を通しまして、できるだけ日本全国の関係の指定医療機関に、同じような最低必要な結核医療方法の普及ということで価値もあり、さらにこれによりまして、今までなかなか健康診断の結果ではつかみにくかった患者のいわゆる管理ができる、登録されますので、これをもとにしてかなり広く管理ができる。この二つの大きな目的を果たしてきたわけでございますが、御指摘のように確かに費用的に非常に安くなった部面、パスとか——マイシンはまだ相当高額でありますが、ヒドラジドというようなものはぼちぼち適正医療のワクとか、あるいはそれをはずしましても、別な管理方式の強化というようなのを今度計画しておりますので、そちらで置きかえられるのではないかという気がいたしておりますので、この点は今後再検討いたしまして、一般の方にいった方がかえって普及しやすいということならば、それはもう十分それで目的を達するわけでございますから、そういうふうに検討したい、こう思っております。
 それから学童の予防内服でございますが、これはやはり従来の学説としても、相当な実験例が出まして、相当有効であるということになっております。ただし、学童の場合には陽転後の初期予防内服になると思います。現在厚生省でことしから実施いたしましたのは初期予防内服であって、治療後の回復期の予防内服は、健康保険の方である部分予算も取られまして、開始を見るわけでございます。従ってそれとは若干趣を異にいたしますが、やはり予防内服を取り上げることは必要だ、こう私どもの方でも思っておりますけれども、ただこれには問題がございまして、一体医療行為、これは経費的な問題になりますが、医療給付として予防内服というものを取り上げるか、あるいは医師の管理下で、治療の一環である臨床——まだ発病しておらぬが、もう初期治療であるという建前でいく場合と、純粋の、BCGをやるというごとき予防措置の延長としてやるという場合で、衛生行政でやるか保険給付等の保障政策でいくかというので、だいぶやり方、趣が変わってくるわけであります。内服の方法それ自身は同じことでございましょうが。従って今のところは、必要と思いますけれども、試験期が始まった、こう解しておりまして、ことしの保険の実施成績等も見まして、これを学童に及ぼす場合には、学校保険法との関連が直ちに出て参ります。衛生行政でやるのでなくて、結核予防法に基づきましても、検診の義務その他は学校長、結局市町村の教育委員会というところに義務が負わされておりまして、市町村の衛生行政の筋に乗っておりませんので、その点もある程度調整いたしませんと、単純には、そうただいいからといってすぐ手がつくというものでもないということでございますので、今の経費面、責任をどちらでやればよりいいかというところも含めまして十分実施をしよう、やりたいという方向で今後研究を続ける、こういうふうにいたしたいと思います。
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滝井義高#19
○滝井委員 あとの方から先にいきますが、問題は、今パス等は非常に安くなっておるから、平病、普通薬に切りかえる検討をしたい、マイシンは相当値がというけれども、こんなものは普通薬にしてしまうと、幾らでもできますよ。製造能力はあるのだから。そしてまたそんなものは高く取らなくても、普及していくということになると、今結核予防法というヴェールに包まれて、何かはるかみすを隔てて見るような状態に置いておるからこそ高い感じがするだけであって、取っ払って普通薬にして保険のあれの中に入れるということになってごらんなさい、われ先に作ってみんな使いますよ。健康保険のワクをはめておるから。予防法のワクをはめておるから高貴薬のような感じがするだけなんです。もうそんなものは高貴薬じゃないですよ。だから、これをやりますと肺炎だって盲腸の手術だって何だってずっと楽になって、うんと医療費が減るんですよ。
 それから学童の問題も、なるほど学校保険でやるか、公衆衛生でやるか、いろいろ問題があるんです。しかし問題は財政負担をどうするかということですが、これを解決したら、あとの所管くらいは厚生省と文部省とお話し合いになればいい。財政も、国民皆保険ですから、保険証は、学童はみな家族になっているわけですから持っている、それでおやりになったらいい。そうして、どうでしょう、パス一グラムは今原価で幾らぐらいしますか。あなたの方で正確に——今私は一円以下、六、七十銭あるいは五十銭以下でできるんじゃないかと思いますが……。
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尾村偉久#20
○尾村政府委員 原価の点はちょっと私も正確のところよく存じませんけれども、現実にはパスの場合には……。
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滝井義高#21
○滝井委員 一円以下、五、六十銭でしょう。
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尾村偉久#22
○尾村政府委員 大体そんな見当でございます。原価計算はよくわかりません。というのが、今の保険できめておりますものも、それから市価で売っておる価格で見ましても、常識的にはそんなところじゃないか、こう思っております。
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滝井義高#23
○滝井委員 大臣、お聞きのようにこんなに安くなっておるんですよ。普通の薬よりか安いんです。それをヴェールをかけるから、これがいかにも高貴薬のような感じがしておるわけです。そうしてそれを結核の審査協議会にかけて、三百グラムとか九百グラムとか許すんですよ、こんなばかなことないですよ。しかも汗牛充棟ただならざる、事務の紙をたくさん持っていくんです。大臣は結核予防法の申請の事務を一ぺんお聞きになっていただきたいと思うのです。実に複雑です。あんなことばかり医者にやらしておるから、厚生省は恨まれるんですよ。で、私はこの際、古井厚生行政が一つの大きな足跡を残すためにこれを一つやってもらいたいと思うのです。これを結核予防法からはずしてしまうんです。それから外科の手術なんというものもはずしてけっこうなんです。何も結核予防法で特殊にやる必要はない。肺臓外科なんか普通の外科とちっとも変わらないんだから……。そうしますと、だんだん外科手術は少なくなっているんですから、パス、マイシンが普及して、これを健康保険の普通のものに入れさえすれば、あなたの方は治療のことはなくなるんですから、今度予防に専心できるんです。そうすると、あなたの方は予防に専心をする、それから保険の方でその治療をやる、こういうことになると、予防のあなた方の方がずっと徹底すれば、保険におけるパス、マイシンなり外科手術というものは、今の古い業者だけが中心になって、新しい業者はできなくなる。今度学童に予防をやるわけですが、これはあなたの方がやるか、文部省の方がやるか知らないけれども、一円以下になっている薬をもったいぶる必要はない。それを原価でやったらいい、そうして保険でやったらいい。そうしてその者については七割とか、八割の給付をやるんですから、学童の負担はもうわずかですよ。これは予防なんですから、何千グラムも飲む必要はないんです。こういう点をもう少し画期的に前進をしていただけば、日本の結核というものは割合簡単に防げ、治療面でも、事務的にも非常に簡素化して大きな進展を見られる。それを予防法という城郭に立てこもっておるところに、日本の結核行政というものが壁にぶち当たる原因がある、こういうことなんですね。大臣どうですか、そういう点を一つすみやかに御検討になっていただきたいと思いますが、大臣の御意見はいかがですか。
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古井喜實#24
○古井国務大臣 結核の問題については、大体今までの考え方は局長からお話ししたようなことでありますし、これからまた検討したいという点も局長が話しておったようなことでありますが、その中で、保健所と健康保険との関係については、これは私もよほど考えてみなければならぬ点がある、こういう気がいたしておるのであります。その場合に、保険は治療、予防は保健所というように考えていくか、治療の幅はどう変えるかは別といたしまして、そういうふうに考え方を分けるのか、あるいはもう少し予防的な面をも健康保険の方に開拓していくということができないものか、そういう方面にも大いに開業医の方も責任的に活動してもらうというようなことができないものかどうかということが一つの問題としてあると思うのです。これはぜひ詰めて、はたしてそうならばやってみたいという気持で今事務的に検討をさしておる途中でありますが、あわせて、はたしてそれがよいと結論的に考えますれば改善をやってみたいという考えでおるところであります。
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滝井義高#25
○滝井委員 健康保険が予防的な面に出ていくというのは、主としてこれは財政的な面で出ていったらいいと思うのです。ですから私は、学童にやる分については財政上の問題も健康保険で受け持ったらいい、こういうことなんですね。大臣が言うように、ある程度そこらあたりをお考えになってもらったらいいのじゃないかと思うのです。こういう点は尾村さんのところも行きがかりを捨てて、もう少し思い切って一つやってもらいたいですね。そして予防の本流はあなたの方、治療の方は保険でやる、しかしその予防の財政的な面もある程度保険でにない得る、こういうことにしておけばいい。そうしますと、サントニンその他をこっそりやる必要も何もない。営々とやれることになる。たとえば小児麻痺の予防注射のごときは一回三百四十七川もかかるでしょう。二人も三人も五つか六つの子供を持っている家庭は、とてもこれはできやしませんよ。そういう面も健康保険で見てやりますということになれば、保険経済は財政は余っているのですから、そして同時にそれは今度国庫負担をもっと保険に増大をせしめる一つの理論的な根拠にもなるのですね。そうすればあなたの方の行政も、金のことを心配せずに自由自在に行政がやれるわけなんです。金のことを心配して日本の予防衛生が進まないという、しかもなり手がいないという状態では困ると思うのです。
 それとついでに、これは大臣がいないとちょっと工合が悪いのですが、日本の衛生技術官が希望を持っていないということです。それはどうしてかというと、保健所の所長までいったら、あと上はいくところがないのです。あといくところはどこかというと、衛生部長しかない。衛生部長は一人だけです。そこで、これは尾村さんみずからがその道を歩いてこられたのだから私はあえて言うわけですが、現在医療職というものには国家公務員の六級職の試験はありますか。
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尾村偉久#26
○尾村政府委員 現在医療職の場合には試験をやっておりません。医師の場合には、医師の国家試験を通ったことで済ませまして、あとは選考採用ということで、いわゆる人事院の施行する試験はないということになっております。
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滝井義高#27
○滝井委員 そうしますと、尾村さんが保険局長や次官になることは、今の制度ではほとんどできないのです。今まで厚生省で技術者で次官になった人はいないのです。ここなのですよ。ところが法科を出た人は薬務局長にだって何だってなれるのですよ。こんなばかな制度が今までだまって置かれておるところに問題がある。これはどういうところに問題があるかというと、結局六級職の試験がない。だからあなた方も医療職じゃなくて六級職の試験を受ける形を作るべきなんです。どうせあなた方は行政官なのだから、技官だといっても行政のわからない技官などというものは、これはカッパの丘上がりと同じですよ。だから行政をやるためには六級職の試験を受ける制度を作ったらいい。そうするとあなたも事務次官になれる。それから今度は大臣、こういうことになるわけですね。次官にならずに大臣になるといってもなかなかむずかしい。これは後藤新平かそれ以外にはなれないのですね。こういうことで、結局頭打ちで優秀な人がいかない。このごろ私が偶然調べてみましたところ、われわれのはるか大先輩がみんな保健所の所長さんなんです。私は保健所の所長の地位が悪いとは言わぬです。しかしそれで希望を失ってしまう。マンネリズムに陥る。これが若い技官に非常に希望を持たせないのです。そこでこれは大臣に言わなければならぬことだが、たとえば医務局を見てみますと、医務局に一体技官の課長が幾人おりますか。あなたに聞くのは少し筋違いだが、大臣がおらぬから、あなたから答弁してもらいたい。
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尾村偉久#28
○尾村政府委員 医務局には課長として二名おります。これは国立病院課長、国立療養所課長、あとは参事官として看護と歯科、これはもと課でございまして、現在は参事官ということでおります。
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滝井義高#29
○滝井委員 一番大事な、たとえば医師会関係とやるというような点になると、だれもいないのですね。これはやはり日本の技術者というものが、こんなに技術が必要だというときになって、しかも技術をもって立たなければならぬ厚生行政の中でいないということですよ。かつて薬務局長は、薬系の慶松という優秀な人が薬務局長だった。自来絶えて、薬務局は法学士がやっておる。これは法学士でも薬務行政はできるのですから、医学士だって保健行政ができないはずはない。こういう点が日本の厚生行政がだめなところなんです。社会保障が進まない理由でもあるのです。これは今までみんなが黙っておった。われわれはずいぶん言ってきたけれどもだめなんです。ほかの者は六級職の試験があるでしょう。理科系統はみんなあるのです。だから建設省へ行ってごらんなさい。建設省は技術屋さんが次官になるのです。これは一番日本の行政にとって大事なことなんです。——安藤政務次官、こちらの方へ来て下さい。
 そこで政務次官に政治責任を持ってお答えを願いたいのは、厚生省の技官というものはほんとうに大望を持っていないのです。特に末端における県の行政、保健所の所長なんかそうです。そこで私は二点について安藤政務次官の言明を得たいのですが、この際医療職についても人事院に言って——何だったら、私は午後人事院に来てもらいますが、六級職の試験と申しますか、国家公務員の試験を受けさせるようにやってもらいたい。これを一つ責任を持ってやれるようにするかどうか。
 それから、今後厚生省においても技術官でもなれるように、厚生省の法学出は年次順に全部なってきています。高田さんの次にはなる人はおよそきまっている。高田さんの前の田辺さん、その前の安田さん——そこらあたりはよく知らないが、法科出はそうなってきている。ところが技官出の方はそうなっておらぬ。尾村さんは一体いつ大学を出ましたか。川上局長は一体いつ大学を出ましたか。尾村さんにしても、川上さんにしても、聖成さんにしても、頭打ちで次官になる道はない。だからこの際厚生省の悪いしきたりは打破して、やはり年功順にいくならば、古い技術官もどしどし次官にできるかどうかということです。これができぬということならば、厚生省はこれから社会保障や技術を中心にする役所と言わずに、ほんとうに行政だけの役所にしてしまえばいい。こういうところに問題がある。それから薬務局でも、薬剤師の専門家を当然あそこに置かなければならぬ。こういうところに、もうほんとうの行政ができずに事務だけで、手先だけでものを解決しようとする悪弊が出てきたのです。この悪弊は、今や大きなコケになってたまって、なかなかどけることができない。しかしこの際、明敏な古井、安藤のバッテリーの厚生行政ですから、これを一つぜひ実現をしてもらいたいと思うのですが、どうですか。
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