尾村偉久の発言 (社会労働委員会)
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○尾村政府委員 御指摘のように、この要医療の中の重症者、すなわち要入院は百三十数万から八十六万というふうに非常に減りましたので、これを含めた要医療の総数が三百万前後で変わらないとすると御指摘の通りでございまして、要入院を除いた要医療という比較的中等より軽い方の面は確かに増加している、こういうことは言えると思います。ただこれは二十八年の実態調査の発表にもございますが、実は二十八年当時と三十四年の当時との要医療の当時における対象の取り方が若干進歩したわけでございます。従いまして、二十八年当時はこの程度の病状については医療の対象にならない、せいぜい観察するんだ、こういう方に入ったグループが多うございまして、これで要指導が非常に多かったのでございますが、これが三十三年になりますと、その後の結核医療の経験によりまして、この程度のものまでやはり医療を継続しなければいかぬ、ないしは早く事前に開始しなければいかぬ、こういうふうな治験が変わって参ったものでありますから、その方に転換繰り入れられたものが非常に多いということでございまして、それが要指導が非常に減って、中等、軽症の要医療がむしろふえたという一つの大きな要因をなしております。これら両者を合体いたしますと総数において減少しておる、こういうことになるわけでございます。しかしそれだけではなくて、御指摘のように、あくまで高年令層の方では死亡率も減り方が少ない、それから罹病率もごく一部、すなわち七十才程度になりますと前よりもふえておるという部面が現われておりますが、これはやはり私どもの分析では古い結核患者が非常に多い。この部分は、前は死亡ということによりまして、この中の罹病者の数がこの世の中からなくなったという形で、病気それ自体の減少でなくて、生命を断つことによって解決したのが、化学療法で持ちこたえはするが、なおりもしないというような長期療養の者がここへ蓄積をしてきた。しかも五年間で御承知のように年々一年近くの寿命が延びておりますので、従って高年令層の蓄積の仕方は、これは人口の増加も加わりまして一そうふえておるという形でございまして、しかもこの高年令層の長期の者には一そうその生活環境のいろいろの条件というもので、悪条件がありますと、それが家族も持ち、家庭の中の家族の一員としてこれは悪い条件で集積しておる、こういうことでございますので、従いまして、結果からいいますと、こういう連中にふえておりますものは、かねてからのBCGの予防接種等の効果も少しも恩恵にあずかっておらない。発病は終戦直後ぐらいまでの非常に悪条件のときに悪い条件で発病して、それがずっと続いておって、その後化学療法等によりまして生命の延長という恩恵を受けた、これが逆にここに蓄積しておる、こういうふうに見ておるわけであります。従って、先ほど御指摘の、一部は近代の対策の恩恵を受けたけれども、もう一つの問題である栄養その他の生活条件の方の悪影響が比較的続いておる階層であるというようなことで、非常に的確な分析の御返答にはなりませんでしたが、やはりそういうふうな諸要件が重なって中年層以上が割合と結核対策の中では悪い条件で残っておるのではないか、こう見ておるわけでございます。それ以上に、なお現在社会条件と結核の罹病率等の検討をいたしておりまして、一部はこれは中間のものがまとまったのでございますが、やはり今言ったようなものがそれぞれの事項につきましてある程度うかがえるような結果が出ておるわけでございます。