尾村偉久の発言 (社会労働委員会)

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○尾村政府委員 ただいまの結核の、今後の対策の方針は先ほど御説明いたしました通りでございますが、これを実際に身を入れて成績を上げるというには、確かに御指摘のような具体的なことが裏づけがございませんと、その方向が充実しないということで、そのうちの第一点である保健所の機能の充実でございますが、これは確かにもう長年——わずかずつは保健所の医療職員はむしろふえておるのであります。さよう新聞にございましたように、一時はやはり減ったということもございますが、全般的には少しずつは充実しておる。従いまして、この三十六年度も二百七十名の増加をいたして予算もお願いしたわけでございますが、しかしそれではとてもまだまだ足らない、こういうことでございますので、これと関連しての御指摘でございましたその他の保健所以外の医療機関とタイ・アップしてこういうような医療政策をやる、あるいは予防政策をやる、これはもう現在それに乗っておりまして、実際にその方がよい。保健所はあくまでそういうような世話役であり、計画、立案あるいは費用のお世話をするということを第一の目標にして——もちろん保健所でないとそのごく近間、保健所の方が便利なところもございましょうし、それから保健所が横切りにしてその機械、たとえばレントゲン自動車その他もございますが、それらの運転を担当する。ただしその実際の医療従業員はまた、これは医師会の会員なりあるいは地元の指定医療機関の専門家なりに提供していただく。こういうような形が一番適切だと思いまして、そういうような方向でことしもいわゆる非常勤的な嘱託の雇い上げ料というものを非常に増額いたしまして、それから健康診断の経費につきましても、いわゆる委託経費というものを非常にこのパーセンテージをふやして、しかもその単価は賛同が得られるように、別な保健所経費の方の補助が三分の一いっている場合と、それからそういうものと無関係で御委託する場合とでは、当然単価が若干差がある、こういうことでございますので、たとえばその点も差をつけまして、相当量を今度増加したわけであります。従来そういうことを明確にしておらなかった間接撮影を中心とする一般健康診断では、一五%、五千万人の一五%といたしますれば相当な数になります。これは民間のその他の医療機関に委託検診をしていただく。それから、精密検診については、二五%をそういうような指定医療機関等に依頼する、こういうことをはっきりと積算上も明記いたしましてやったわけでございます。これをどしどしとなるべく拡大していく、これはもう必要なことでございます。非常に御指摘の通りで、われわれもその方針で今後やっていきたい、こう思っております。
 それから、第二点の三十四条、今度改正いたしませんでしたが、三十四条のいわゆる結核の適正医療普及のために従来やって参りましたパス、マイシンあるいは手術、それから手術前後の入院、こういうものに対する公費負担でございますが、これは、確かに従来は適正医療の普及ということで、審査協議会を通しまして、できるだけ日本全国の関係の指定医療機関に、同じような最低必要な結核医療方法の普及ということで価値もあり、さらにこれによりまして、今までなかなか健康診断の結果ではつかみにくかった患者のいわゆる管理ができる、登録されますので、これをもとにしてかなり広く管理ができる。この二つの大きな目的を果たしてきたわけでございますが、御指摘のように確かに費用的に非常に安くなった部面、パスとか——マイシンはまだ相当高額でありますが、ヒドラジドというようなものはぼちぼち適正医療のワクとか、あるいはそれをはずしましても、別な管理方式の強化というようなのを今度計画しておりますので、そちらで置きかえられるのではないかという気がいたしておりますので、この点は今後再検討いたしまして、一般の方にいった方がかえって普及しやすいということならば、それはもう十分それで目的を達するわけでございますから、そういうふうに検討したい、こう思っております。
 それから学童の予防内服でございますが、これはやはり従来の学説としても、相当な実験例が出まして、相当有効であるということになっております。ただし、学童の場合には陽転後の初期予防内服になると思います。現在厚生省でことしから実施いたしましたのは初期予防内服であって、治療後の回復期の予防内服は、健康保険の方である部分予算も取られまして、開始を見るわけでございます。従ってそれとは若干趣を異にいたしますが、やはり予防内服を取り上げることは必要だ、こう私どもの方でも思っておりますけれども、ただこれには問題がございまして、一体医療行為、これは経費的な問題になりますが、医療給付として予防内服というものを取り上げるか、あるいは医師の管理下で、治療の一環である臨床——まだ発病しておらぬが、もう初期治療であるという建前でいく場合と、純粋の、BCGをやるというごとき予防措置の延長としてやるという場合で、衛生行政でやるか保険給付等の保障政策でいくかというので、だいぶやり方、趣が変わってくるわけであります。内服の方法それ自身は同じことでございましょうが。従って今のところは、必要と思いますけれども、試験期が始まった、こう解しておりまして、ことしの保険の実施成績等も見まして、これを学童に及ぼす場合には、学校保険法との関連が直ちに出て参ります。衛生行政でやるのでなくて、結核予防法に基づきましても、検診の義務その他は学校長、結局市町村の教育委員会というところに義務が負わされておりまして、市町村の衛生行政の筋に乗っておりませんので、その点もある程度調整いたしませんと、単純には、そうただいいからといってすぐ手がつくというものでもないということでございますので、今の経費面、責任をどちらでやればよりいいかというところも含めまして十分実施をしよう、やりたいという方向で今後研究を続ける、こういうふうにいたしたいと思います。

発言情報

speech_id: 103804410X03019610510_018

発言者: 尾村偉久

speaker_id: 6409

日付: 1961-05-10

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会