田中幾三郎の発言 (地方行政委員会法務委員会連合審査会)
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○田中(幾)委員 それは答弁になっていません。私は本件に対する責任を率直にとるのか、いかなる形でとるのかと聞いておるのであります。しかし、そういう御答弁であれば、ここでイエスかノーか聞くわけにいきませんから、その点はこれでとどめておきますが、警視総監がいかにも万全の措置をとったような口吻でありましたけれども、私に非常な責任があると思うのは、深沢氏の作品が発表されてからひんぴんと右翼団体によって、もしくは個人によって、作者なりあるいは中央公論の関係者が抗議を受けたり、非常な迫害というか受けておるわけです。ですから、警察庁、警視庁の方で、もしこれを未然に防ぐ責任を感じておるならば、私は調べるつもりならば、このうちの数十人の中には三人や五人の脅迫の現行犯があったと思う。深沢氏があれほど脅迫を感じて行方をくらましている状態です。これは深沢氏に対するのみならず、一般の言論出版に対する大きな圧迫ですよ。これによってほかの一般業者も非常な脅迫を感じていると思う。本件についてはすでにひんぴんとして行動が行なわれている。お調べによりましても、十一月二十八日に愛国党員の岡田尚平以下八名、十一月三十日には精忠国民隊宮尾某、十二月二十三日には日本政治革新同盟員及び皇道塾飯島弘行以下八名、十二月十五日には大日本葉隠機関古賀二郎、一月二十八日には全日本愛国者団体会議代表佐郷屋某以下十一名、一月三十日には大日本愛国党及び防共挺身隊員ら二十五名が本件に関して抗議を申し込んでいるわけです。これらの右翼団体の党員並びに代表者が抗議を申し込んでいるのでありますから、これを突きとめ、そして逮捕する心がまえを持っておりましたならば、私は現行犯の三人や五人はこの事件においてつかまえられたと思う。それをつかまえるという取り締まりの心がまえがないからこれを放任しておいたのじゃないか。もしそれ、これを二人なり三人なり逮捕して現行犯として拘置しておいたならば、これがほかの方へ連鎖反応を起こして、この運動というもの、抗議というものはある程度鎮圧できたのじゃないかと思うのです。そこを私は心配する。その点をなぜやらなかったか、あるいはまた、そういうつもりで逮捕にかかろうとしておったのかどうか。ただ漫然としてこれらの行動を終始傍観しておったのか、そうであるとするならば、これは非常な責任の――戸締まりよりもむしろあなたの方の取り締まりがなかったわけです。ですから、その点に対する御所見を伺いたいと思います。