地方行政委員会法務委員会連合審査会
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会
会議録情報#0
昭和三十六年二月八日(水曜日)
午前十時五分開議
出席委員
地方行政委員会
委員長 濱田 幸雄君
理事 金子 岩三君 理事 田中 榮一君
理事 丹羽喬四郎君 理事 太田 一夫君
理事 川村 継義君 理事 阪上安太郎君
天野 公義君 伊藤 幟君
宇野 宗佑君 小澤 太郎君
仮谷 忠男君 久保田円次君
田川 誠一君 富田 健治君
永田 亮一君 前田 義雄君
安宅 常彦君 佐野 憲治君
二宮 武夫君 野口 忠夫君
松井 誠君 山口 鶴男君
和田 博雄君 門司 亮君
法務委員会
委員長 池田 清志君
理事 馬場 元治君 理事 山口六郎次君
理事 井伊 誠一君 理事 猪俣 浩三君
井村 重雄君 上村千一郎君
浦野 幸男君 小島 徹三君
長谷川 峻君 山村新治郎君
阿部 五郎君 坪野 米男君
畑 和君 中村 高一君
田中幾三郎君 志賀 義雄君
出席国務大臣
内閣総理大臣 池田 勇人君
法 務 大 臣 植木庚子郎君
国 務 大 臣 安井 謙君
出席政府委員
法制局長官 林 修三君
警察庁長官 柏村 信雄君
警 視 監
(警察庁警備局
長) 三輪 良雄君
検 事
(刑事局長) 竹内 壽平君
公安調査庁長官 藤井五一郎君
公安調査庁次長 關 之君
自治事務官
(選挙局長) 松村 清之君
委員外の出席者
警 視 総 監 小倉 謙君
警 視 監
(警視庁公安部
長) 石岡 実君
専 門 員 円地與四松君
専 門 員 小木 貞一君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
治安に関する件
――――◇―――――
〔池田法務委員長、委員長席に着く〕
この発言だけを見る →午前十時五分開議
出席委員
地方行政委員会
委員長 濱田 幸雄君
理事 金子 岩三君 理事 田中 榮一君
理事 丹羽喬四郎君 理事 太田 一夫君
理事 川村 継義君 理事 阪上安太郎君
天野 公義君 伊藤 幟君
宇野 宗佑君 小澤 太郎君
仮谷 忠男君 久保田円次君
田川 誠一君 富田 健治君
永田 亮一君 前田 義雄君
安宅 常彦君 佐野 憲治君
二宮 武夫君 野口 忠夫君
松井 誠君 山口 鶴男君
和田 博雄君 門司 亮君
法務委員会
委員長 池田 清志君
理事 馬場 元治君 理事 山口六郎次君
理事 井伊 誠一君 理事 猪俣 浩三君
井村 重雄君 上村千一郎君
浦野 幸男君 小島 徹三君
長谷川 峻君 山村新治郎君
阿部 五郎君 坪野 米男君
畑 和君 中村 高一君
田中幾三郎君 志賀 義雄君
出席国務大臣
内閣総理大臣 池田 勇人君
法 務 大 臣 植木庚子郎君
国 務 大 臣 安井 謙君
出席政府委員
法制局長官 林 修三君
警察庁長官 柏村 信雄君
警 視 監
(警察庁警備局
長) 三輪 良雄君
検 事
(刑事局長) 竹内 壽平君
公安調査庁長官 藤井五一郎君
公安調査庁次長 關 之君
自治事務官
(選挙局長) 松村 清之君
委員外の出席者
警 視 総 監 小倉 謙君
警 視 監
(警視庁公安部
長) 石岡 実君
専 門 員 円地與四松君
専 門 員 小木 貞一君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
治安に関する件
――――◇―――――
〔池田法務委員長、委員長席に着く〕
池
池田清志#1
○池田委員長 これより地方行政委員会、法務委員会連合審査会を開会いたします。
両委員長の協議によりまして、本日は法務委員長たる私が本連合審査会の委員長の職務を行なうこととなりましたから、よろしく御協力のほどをお願い申し上げます。
なおこの際、委員各位の御了承を願っておきたいと存じます。御承知の通り、両委員会の理事間の申し合わせによりまして、本連合審査会における質疑時間につきましては、各会派の持ち時間がきめられておりまするので、この点につきましても、議事が円滑に終了いたしまするようよろしく御協力のほどをお願い申し上げたいと存じます。
これより町会に引き続き治安に関する件について調査を進めます。質疑を継続いたします。田中幾三郎君。
この発言だけを見る →両委員長の協議によりまして、本日は法務委員長たる私が本連合審査会の委員長の職務を行なうこととなりましたから、よろしく御協力のほどをお願い申し上げます。
なおこの際、委員各位の御了承を願っておきたいと存じます。御承知の通り、両委員会の理事間の申し合わせによりまして、本連合審査会における質疑時間につきましては、各会派の持ち時間がきめられておりまするので、この点につきましても、議事が円滑に終了いたしまするようよろしく御協力のほどをお願い申し上げたいと存じます。
これより町会に引き続き治安に関する件について調査を進めます。質疑を継続いたします。田中幾三郎君。
田
田中幾三郎#2
○田中(幾)委員 嶋中事件をめぐりまして、一昨日から衆参両院におきまして審議が続けられて参ったのであります。大体問題点といたしましては、総理大臣を含めて当局の責任問題、資金と背後関係、第三には破防法適用の問題、第四には右翼に対する対策という、大体四つの点にしぼられておるようであります。その中でも、ほとんど論議は責任問題に集中されまして、いかにもこの嶋中事件の跡始末は責任問題を解決するような印象を与えておるやに存ずるのであります。しかし要は今日、この非常な勢力をもって台頭してきておるところの右翼の勢力をいかにして押え、いかにしてこれに対処するかということが今後における最も大きな政治上の論点でありまするし、国民もまたこれに対して大きな関心を持っておると思うのでありまして、後ほどこの点について私は触れたいと思うのでありますが、しかし責任問題も一応明らかにしておかなければならぬと思うのであります。
警視総監は、最初何ら責任のないようなことを申しておりましたが、責任ないとは考えない、反省すべきところは反省すると、やや後退したような答弁をなされてきておるのであります。すでに警視総監の責任、警察庁長官の責任、公安委員長の責任につきましては、それぞれの法規の上からも論議をされてきたのでありますけれども、今日の段階においては、その責任をとるのか、またいかなる形でとるのかということは必ずしも明らかにされていないのでありまして、この四点を通じて何ら結論に近づいておらないのはまことに遺憾であります。
そこで私は、総理大臣の責任については後ほどお伺をいたしますが、今日この段階におきまして、警視総監、警察庁の長官、公安委員長は、この責任に対していかにお考えになっておるか。きのうまではああであったけれども、あの審議を通じて、いろいろ各方面からの質疑を通じまして、さらに私はまたお考えになるところが多かったであろうと思うのであります。従いまして、今日この段階における三者の御所見をまずお伺いいたしたいと思います。
この発言だけを見る →警視総監は、最初何ら責任のないようなことを申しておりましたが、責任ないとは考えない、反省すべきところは反省すると、やや後退したような答弁をなされてきておるのであります。すでに警視総監の責任、警察庁長官の責任、公安委員長の責任につきましては、それぞれの法規の上からも論議をされてきたのでありますけれども、今日の段階においては、その責任をとるのか、またいかなる形でとるのかということは必ずしも明らかにされていないのでありまして、この四点を通じて何ら結論に近づいておらないのはまことに遺憾であります。
そこで私は、総理大臣の責任については後ほどお伺をいたしますが、今日この段階におきまして、警視総監、警察庁の長官、公安委員長は、この責任に対していかにお考えになっておるか。きのうまではああであったけれども、あの審議を通じて、いろいろ各方面からの質疑を通じまして、さらに私はまたお考えになるところが多かったであろうと思うのであります。従いまして、今日この段階における三者の御所見をまずお伺いいたしたいと思います。
柏
柏村信雄#3
○柏村政府委員 今回の嶋中与件はまことに遺憾なことに存じておるわけでございます。警視庁におきましても、事前の情勢につきまして、あとう限りの努力をしてきており、中央公論社はもちろん、嶋中邸につきましても、相当の警備態勢をとったわけでございますが、その間においてああした不祥事件が突発いたしましたことにつきまして、警察として、全体的に見て反省すべきものは今後において十分反省して参りたいというふうに考え、その責任を感じておるものでございます。私はこの事件に限らず、警察の責任ある地位にある者といたしまして、常に全国の警察の事象について、強くみずからを戒め、また警察全体についての機能の強化、責務の遂行ということについて万全を期するように努力をいたしておるわけでございます。
私自身の進退問題につきましては、昨日参議院の連合審査会においても申し上げましたけれども、常に出処進退について誤らないようにいたしたいというふうに考えております。それは単に事件についての責任を負う、負わぬという問題のみに限らず、全体の情勢というものを判断しつつ、退くべきときには退き、踏みとどまって職責遂行に邁進すべきものと考えるときには、あるいは一部の強い批判がありましても、そうした態度をとっていこうということを日ごろ考えておるものでございます。今回の事件につきましては、私といたしましては、ただいま責任をとって辞任するという考えは持っておりません。
この発言だけを見る →私自身の進退問題につきましては、昨日参議院の連合審査会においても申し上げましたけれども、常に出処進退について誤らないようにいたしたいというふうに考えております。それは単に事件についての責任を負う、負わぬという問題のみに限らず、全体の情勢というものを判断しつつ、退くべきときには退き、踏みとどまって職責遂行に邁進すべきものと考えるときには、あるいは一部の強い批判がありましても、そうした態度をとっていこうということを日ごろ考えておるものでございます。今回の事件につきましては、私といたしましては、ただいま責任をとって辞任するという考えは持っておりません。
田
安
安井謙#5
○安井国務大臣 ただいま責任問題についてのお問い合わせでございますが、御承知の通りに、国家公安委員会といたしましては、事件の起きました翌日まず事情を聴取いたしまして、とりあえずやることは、今後こういう問題に対してどういう対策を講ずべきかということについてのいろいろな検討を行なったわけであります。なお、今後世論の動向あるいは国会の御議論等を十分参酌をいたしまして、適当なときに適当な方法で全部のいろいろな問題の結論を国家公安委員会としては出したいと存じておる次第でございます。
この発言だけを見る →田
田中幾三郎#6
○田中(幾)委員 それは答弁になっていません。私は本件に対する責任を率直にとるのか、いかなる形でとるのかと聞いておるのであります。しかし、そういう御答弁であれば、ここでイエスかノーか聞くわけにいきませんから、その点はこれでとどめておきますが、警視総監がいかにも万全の措置をとったような口吻でありましたけれども、私に非常な責任があると思うのは、深沢氏の作品が発表されてからひんぴんと右翼団体によって、もしくは個人によって、作者なりあるいは中央公論の関係者が抗議を受けたり、非常な迫害というか受けておるわけです。ですから、警察庁、警視庁の方で、もしこれを未然に防ぐ責任を感じておるならば、私は調べるつもりならば、このうちの数十人の中には三人や五人の脅迫の現行犯があったと思う。深沢氏があれほど脅迫を感じて行方をくらましている状態です。これは深沢氏に対するのみならず、一般の言論出版に対する大きな圧迫ですよ。これによってほかの一般業者も非常な脅迫を感じていると思う。本件についてはすでにひんぴんとして行動が行なわれている。お調べによりましても、十一月二十八日に愛国党員の岡田尚平以下八名、十一月三十日には精忠国民隊宮尾某、十二月二十三日には日本政治革新同盟員及び皇道塾飯島弘行以下八名、十二月十五日には大日本葉隠機関古賀二郎、一月二十八日には全日本愛国者団体会議代表佐郷屋某以下十一名、一月三十日には大日本愛国党及び防共挺身隊員ら二十五名が本件に関して抗議を申し込んでいるわけです。これらの右翼団体の党員並びに代表者が抗議を申し込んでいるのでありますから、これを突きとめ、そして逮捕する心がまえを持っておりましたならば、私は現行犯の三人や五人はこの事件においてつかまえられたと思う。それをつかまえるという取り締まりの心がまえがないからこれを放任しておいたのじゃないか。もしそれ、これを二人なり三人なり逮捕して現行犯として拘置しておいたならば、これがほかの方へ連鎖反応を起こして、この運動というもの、抗議というものはある程度鎮圧できたのじゃないかと思うのです。そこを私は心配する。その点をなぜやらなかったか、あるいはまた、そういうつもりで逮捕にかかろうとしておったのかどうか。ただ漫然としてこれらの行動を終始傍観しておったのか、そうであるとするならば、これは非常な責任の――戸締まりよりもむしろあなたの方の取り締まりがなかったわけです。ですから、その点に対する御所見を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →柏
柏村信雄#7
○柏村政府委員 中央公論社社長に対しまして、ただいまお話しのように抗議がたびたび行なわれたということは事実であります。警視庁といたしましては、そのつど事前に情報をキャッチいたしまして、抗議の現場に警察官が立ち会いまして、もしそこで犯罪行為にわたるようなことがあれば、もちろん逮捕する態勢をとっておったのであります。しかしながら、抗議の間において相当激烈な言葉が出るということはあったでありましょうが、嶋中氏もこれに対して誠意を持って応待するということでございまして、抗議にいった者と嶋中氏との間において、その間に物別れになっているというようなことではなくて、直ちに回答されることは回答され、また回答を留保して何月何日に回答するという約束をして引き取るというような状況でございましたので、中央公論社におきまして嶋中氏に抗議に行った事実はございますが、その間において逮捕にまでいくという事態はなかったのでございます。
なお、嶋中氏、中央公論社あて、あるいは深沢氏に対して自宅あてに脅迫状と思われるようなものが相当郵送されているわけでございますが、こういうものにつきましては、警視庁においてもしさいに検討いたしまして、罪状に触れるものについては措置をいたす考えでおったわけでございまして、決して漫然と抗議を見のがしておったという状況ではございません。
この発言だけを見る →なお、嶋中氏、中央公論社あて、あるいは深沢氏に対して自宅あてに脅迫状と思われるようなものが相当郵送されているわけでございますが、こういうものにつきましては、警視庁においてもしさいに検討いたしまして、罪状に触れるものについては措置をいたす考えでおったわけでございまして、決して漫然と抗議を見のがしておったという状況ではございません。
田
田中幾三郎#8
○田中(幾)委員 その取り締まりの態度がいけない。抗議を申し込んだときに警官が立ち会って、だれが脅迫をいたしますか。私が遺憾に思うのは、交通事故の取り締まりなんか、交通巡査が立っておれば違反を起こさないのです。ところが隠れておって、違反の起こったときにうしろから出ていって取り締まるのです。つまり犯罪をこしらえさせて逮捕するというやり方をやっていますが、それとこれとは違う。それを逆にいって、もうこれは脅迫団体なんですから、右翼団体なんですから、立ち会っておるということは、あるいは生命、身体を防ぐところの防犯になるかもしれません。けれども、これはすでに犯罪を犯す団体ということがわかっておる、行動隊ですから。それを立ち会えば、犯罪のつかまるわけがありません。ですから私は、見張りとかそういうことでなしに、元凶と思われる者を逮捕するなら、隠れておって、行ったときに逮捕すればいい。そういうことをしないということは、何か私は右翼に対してあなたの方の取り締まりが、つまり逮捕してこれを抑圧するという強い態度でないという――防犯のことはわかるけれども、これはつかまえて現実にそのものを抑圧しなければだめなんです。トラを町に放っておくのと同じなんですから、悪いやつがいたらやはりこれを逮捕して監禁しておくよりしようがないじゃないですか。そういうことをしなかったということは、あなたの方の知恵の足りなさ――不注意ということが言えないならば、知恵が少し足りなかった、取り締まりとしては非常な不成績だと私は考える。その点はどうですか。
この発言だけを見る →柏
柏村信雄#9
○柏村政府委員 嶋中氏がその抗議の申し込みに対して、これを拒絶するという態度であるならば、警察官を事前に配備するということの必要はなく、無理に押し入ろうとする者については、それぞれの罪状によって逮捕するということもあり得る。しかしながら、抗議を受けて聞こうという態度であった場合には、その抗議団と会われるということは当然のことであります。これは犯罪にならない。そういう場合に、もしこの間のような人間がその中に入っておって、警察官が現場にいないで事態が起こったとしたら、これは警察の重大な責任になる。そういう意味で、犯罪を起こさせてからつかまえて、被害が及ばない状況というものを想定することは非常に困難じゃないか。むしろ、あのときは正当に抗議を受けるという立場に嶋中氏がおるのでありますから、抗議を受けておる状況をつぶさに観察して、犯罪を起こさないような措置をとるということが、私は警察の至当な措置ではなかったかというふうに考えておるのであります。
この発言だけを見る →田
田中幾三郎#10
○田中(幾)委員 総理大臣に伺います。この事件を単なる殺人事件と解釈してはならない。淺沼氏の場合は、あれはこつ然として起こった事件でありますが、殺された委員長は政治的にも非常に地位の高い人でありますから、事件は重大でありました。この事件は女中が殺されたのでありますけれども、事件は単なる殺人事件ではありません。ただいま申し上げましたように、右翼の団体が何回かの抗議を申し込んで、右翼というものがすでに動いておるという背景と、その動きの中でこの事件が起こったのでありますから、これは単なる殺人事件ではありません。やはり私はテロにつながったところの事件と思うのであります。しかも総理大臣は、前の淺沼氏の事件のときの連合審査会において、十月の二十四日に答弁をされて、「今回の事件の結果にかんがみまして、お話しの通り、抜本的の緊急な措置を講じていきたいと考えております。」「総理としては、二度とこういうことのないように全力を尽くさなければならぬ。そうしてこれを防止することが私の務めであると考えた次第であります。」こう申されておるのであります。私は、こういうことを申される以上は、総理は非常な決意を持って、具体的にこの対策を講じなければならなかったと思う。この右翼の台頭は、一つは左翼に対する勢力の対決であります。しかし、左翼の団体行動については、破防法があって、団体活動としての規制をこの破防法によってやっておるのであります。しかし、右翼はそう多くの集団を持たなくても、テロという一つの武器のもとにこれは活動しておるのでありますから、左翼の団体活動とは私は違うと思うのであります。愛国党でも、これは三十人かそこいらの党員しかありません。しかし、これは党員の人数によって右翼の勢力が伸びるのでなくして、統率するところの代表者の勢力というものが非常に影響を及ぼすのです。二・二六事件を見ましても、五・一五事件を見ましても、北一輝氏、西田税氏、大川周明氏など、必ずしも党員を持っていなかった。自分の個人の勢力があれだけの影響力を及ぼして、青年将校を動かして、日本の右翼革命をやったのでありますから、私は、左翼の団体を取り締まる考えをもっては、右翼の勢力を取り締まることは、なかなかむずかしいのじゃないかと思うのであります。左翼の団体なら、団体を規制して解散させればよろしいが、右翼の方は、団体をかりに解散いたしましたとしても、その勢力は、空気のごとく、そこに見えなくても残っておるのです。ですから、この勢力を何とか現実に動かないような対策を講ずるということが、右翼に対する将来の対策であると私は思うのです。
また、資金源についても、いろいろ論じられておりますけれども、検察庁が調べて初めてある右翼団体の経理がわかったわけなんです。もしあれをやらなければ、経理は何もわからなかったわけでしょう。政治資金規正法が悪いのじゃないかと私は思うのです。あれは窓口を通って届け出さえすれば、あとは何らの監査はないのです。いかにしてこれが集められたものであるか、いかにこれが使われたものであるかという監査がない。窓口があって監査がない。国家の財政でも、御承知のように会計検査院があって、監査する。会社にも監査役がおって、会社の経理を監査をする。ですから、やはり資金源についても、ただ届け出をさせる――うそであってもなくても届け出さえすればそれで通っていくのですから、もっとそういうものを監査するという、たとえば政治資金規正法の中に第三者の監査の方法を設けて厳重にこれを監査していくということでもやるとか、何とか具体的に施策の上に表わしてこなければ、国民の思想がよくなればこういうことがおさまるのだとかいうようなことでは、この右翼の勢力というものを抑圧することはできないと思うのでありまして、この嶋中事件が単なる殺人でないということに対して、総理はいかに責任を感じられておるか、またその対策について、ただ言葉だけでなしに、具体的にどういうような制度なり法律を作ってやっていこうという――これは今ここであなたに詳しく聞こうとは思いませんけれども、この前もそう言って何らできていないのでありますから、単なるヒントでもよろしいから、もっと具体的なあなたのお考えを今の責任の問題と同時にお伺いいたしたいと存ずるのであります。
この発言だけを見る →また、資金源についても、いろいろ論じられておりますけれども、検察庁が調べて初めてある右翼団体の経理がわかったわけなんです。もしあれをやらなければ、経理は何もわからなかったわけでしょう。政治資金規正法が悪いのじゃないかと私は思うのです。あれは窓口を通って届け出さえすれば、あとは何らの監査はないのです。いかにしてこれが集められたものであるか、いかにこれが使われたものであるかという監査がない。窓口があって監査がない。国家の財政でも、御承知のように会計検査院があって、監査する。会社にも監査役がおって、会社の経理を監査をする。ですから、やはり資金源についても、ただ届け出をさせる――うそであってもなくても届け出さえすればそれで通っていくのですから、もっとそういうものを監査するという、たとえば政治資金規正法の中に第三者の監査の方法を設けて厳重にこれを監査していくということでもやるとか、何とか具体的に施策の上に表わしてこなければ、国民の思想がよくなればこういうことがおさまるのだとかいうようなことでは、この右翼の勢力というものを抑圧することはできないと思うのでありまして、この嶋中事件が単なる殺人でないということに対して、総理はいかに責任を感じられておるか、またその対策について、ただ言葉だけでなしに、具体的にどういうような制度なり法律を作ってやっていこうという――これは今ここであなたに詳しく聞こうとは思いませんけれども、この前もそう言って何らできていないのでありますから、単なるヒントでもよろしいから、もっと具体的なあなたのお考えを今の責任の問題と同時にお伺いいたしたいと存ずるのであります。
池
池田勇人#11
○池田(勇)国務大臣 今回の事件は、お話しの通り単なる殺人の事件とは考えておりません。非常に根の深い、言論の自由に対しまする反逆と私は考えておるのであります。従いまして、今後こういうことのないように万全の措置を講じなければなりません。浅沼事件以後におきましても、私はまず関係大臣に、善後策並びに今後に対しての方策をとるように指令いたしております。また、私自身におきましても、党の関係等におきまして、右翼とのつながりを断つように、そしてまた自分としても政治の姿を正すように努力して参っておるのであります。なお、浅沼事件後の具体的の問題につきましては国家公安委員長からお答えいたします。
この発言だけを見る →安
安井謙#12
○安井国務大臣 ただいま総理からもお答えがありました通り、淺沼事件以来、警察といたしましてはさらに警備力を強化いたしまして、また身辺のそれぞれの護衛というようなものにつきましても相当な手配をいたしております。またいろんな右翼関係の団体の監視、捜査もいたしておるわけでございます。いろんな手続を踏んで参ったにもかかわりませず、結果から見ましてこういった不詳な事件が起こりましたことはまことに申しわけないと思っております。さらに戒心しましてこういった点について万全を期したいと思っております。
この発言だけを見る →池
田
田中幾三郎#14
○田中(幾)委員 なお右翼の勢力というものは非常に強い動きをしておるということは、この「防共新聞」、これに書いてありまする言葉は、「今後かかる事件を起さざるために、刑法に不敬罪等を復活せしめ、また新聞紙法および出版法を制定しなければならぬ。」また、これはいい悪いは別問題として、「池田内閣は、之等を断行して祖国日本を護る勇気あるや否や。吾人は、池田内閣は之を行なう使命を確認して是を断行せざれば存在の意義なしと断定するものである。政府も国民も国体破壊の大逆罪に対して断々乎として、急速に処理しなければならぬ。もし政府が躊躇逡巡せば国民が起たねばならぬ。またまた七生報国の真愛国者出づべし。」非常に激しい行き方であります。
もう一つの全日本愛国者団体会議という新聞にも「少なくともこの問題は日本国民全体の問題として、日本国民が納得出来る方式で万人監視の中で解決しなくてはならぬ。もし池田内閣にして逡巡躊躇して急速なる処理を怠らんか、またまた七生報国の愛国者は起たん。」と言っておる。七生報国というのは死んで相手を殺すということです。こういう危険な思想を持った団体がやっておるのでありまして、一昨日でありましたか、坪野君の質問にもありましたが、朝日新聞に今度はあなたをやるのだ、しかしお母さんが生きておるから、お母さんには悪いからといってちゅうちょするというような言葉がありました。きのうは人の身、きょうはわが身でないとだれが保証しますか。ですから私は、この問題の責任問題を追及するなら追及するとして、今後におけるこういう非常に危険な過激な思想を持っておる右翼の勢力でありますから、あなたはそれを言葉だけでなしに、この問題に対していかにして対処するか、またこの問題を放置しておくのならば、左翼との激突が起こって血を見る惨事が各所に起こります。新島をごらんなさい。もはやすでに右翼も行っているでしょう。ですから左翼の団体に対する規制は破防法でやれるのでありますし、もし藤井長官のおっしゃるように条件が可能であるならば、あの破防法をそのまま自動的に適用もできるわけであります。しかし右翼の勢力というものは、団体規制だけではできない一つの特質を考えられて、具体的にすみやかに立てられないというと、私は左翼との対決もあり、人命がはなはだしく侵される。あるいは一人一殺主義というようなことで、一人の党が一人ずつ殺すというようななことになってくれば、これがまた一つの大きな社会の混乱を及ぼすかもしれませんから、どうぞ一つ善処をされたい。
同心にわが党は、国会に対して暴力対策特別委員会を設置して下さいということを要望してありますが、あらゆる衆知をしぼって、これはわれわれは政府の責任だけに――今後は野党としてもわれわれは責任を負わなければならないのでありますから、衆知をしぼってこの対策を立てるために何らかの方策を立てられるように御要望申し上げて、質問を終わります。
この発言だけを見る →もう一つの全日本愛国者団体会議という新聞にも「少なくともこの問題は日本国民全体の問題として、日本国民が納得出来る方式で万人監視の中で解決しなくてはならぬ。もし池田内閣にして逡巡躊躇して急速なる処理を怠らんか、またまた七生報国の愛国者は起たん。」と言っておる。七生報国というのは死んで相手を殺すということです。こういう危険な思想を持った団体がやっておるのでありまして、一昨日でありましたか、坪野君の質問にもありましたが、朝日新聞に今度はあなたをやるのだ、しかしお母さんが生きておるから、お母さんには悪いからといってちゅうちょするというような言葉がありました。きのうは人の身、きょうはわが身でないとだれが保証しますか。ですから私は、この問題の責任問題を追及するなら追及するとして、今後におけるこういう非常に危険な過激な思想を持っておる右翼の勢力でありますから、あなたはそれを言葉だけでなしに、この問題に対していかにして対処するか、またこの問題を放置しておくのならば、左翼との激突が起こって血を見る惨事が各所に起こります。新島をごらんなさい。もはやすでに右翼も行っているでしょう。ですから左翼の団体に対する規制は破防法でやれるのでありますし、もし藤井長官のおっしゃるように条件が可能であるならば、あの破防法をそのまま自動的に適用もできるわけであります。しかし右翼の勢力というものは、団体規制だけではできない一つの特質を考えられて、具体的にすみやかに立てられないというと、私は左翼との対決もあり、人命がはなはだしく侵される。あるいは一人一殺主義というようなことで、一人の党が一人ずつ殺すというようななことになってくれば、これがまた一つの大きな社会の混乱を及ぼすかもしれませんから、どうぞ一つ善処をされたい。
同心にわが党は、国会に対して暴力対策特別委員会を設置して下さいということを要望してありますが、あらゆる衆知をしぼって、これはわれわれは政府の責任だけに――今後は野党としてもわれわれは責任を負わなければならないのでありますから、衆知をしぼってこの対策を立てるために何らかの方策を立てられるように御要望申し上げて、質問を終わります。
池
猪
猪俣浩三#16
○猪俣委員 この連合審査委員会が連日やっておるのでありますが、新聞の面を見ましても、世論のささやく声を聞きましても、どうもさっぱり根本的な対策がない、徹底した論議が行なわれておらないという批判を受けております。私は、警備の問題もちろん重要でありまして、警察当局に相断のミスがあるから、相当の責任のあることに対してはいなめません。これは警察当局が善処せられるべきものだと思います。しかし、淺沼のテロ事件、引き続いて嶋中事件、事はただ警備の問題だけで終わる問題ではございません。深刻にして重大なるわが国の民主政治の破壊的な行動がわれわれ考えられる。そういう重大な認識がありませんと、どうも総理の、私は淺沼テロ事件以来質問をしておりまするが、今にしてさっぱりわからない。一体どういうふうにこの時局に対処しようとするのか。
そこでいろいろお聞きしたいこと多々ありますが、時間がありませんので、私は主として総理並びに公安調査庁長官にお尋ねしたいと思うのでありますが、浅沼テロ事件でも、今回の嶋中事件でも、これはテロも悪いがデモも悪いなんということで解決すべき問題じゃない。必ず政府の答弁は、テロはけしからぬけれども、デモの行き過ぎも考慮してもらいたい。嶋中事件についても、はなはだ不都合ではあるけれども、しかし言論の自由をはき違えないようにしてもらいたい、必ずそういう条件をつける。これは私は非常にいけない言葉だと思う。この思想が根本だ。私は本日この産経新聞なんか見まして、国家公安委員の人たちの意見が載っておる。これがみな何と言っておる。一体、デモなんというものも公安条例とかその他の法律に違反している不法なものだ、だからテロだとかデモだって、みな不法な暴力であることは同じことだ。こういうことを言うて、こんなことで一体この凶悪なる犯罪は断絶できますか。これらの人たちの頭を私は疑わざるを得ない。一人の人間の生命を断つことを目的として、突如襲いかかってその生命を断つということは、世にこのくらい凶悪犯罪はないでありましょう。国家公安委員の小汀なんという人はけしからぬと思う。二月三日の朝日新聞の座談会に、一体近ごろのデモなんというものは法律を一つも守っておらぬ、非常に不法である、テロばかり不法の暴力といって憎むのは違う、テロ行為ばかり憎んでもいけない、こういう言論を吐いている。今、今日淺沼、嶋中事件で天下粛然としているこの際に、国次公安の重責をになっておる者が何ということを言っているか。なるほどデモ行為の中には公安条例に違反し、道路交通取締法に違反している不法なデモの行き過ぎがあるでありましょう。これはこれとして批判すべきものでございましょう。かるがゆえにテロだけを憎むのは不当だということは、一体何ということだ。こういう公安委員があるからして、今日天下騒然たる際においても警察の責任を明らかにすることができない。私はあなたに対してどう考えているか聞きたい。
なお、ついでに申しますが、幾ら右翼団体といえどもむちゃくちゃなテロをやっているわけじゃありません。決して右翼団体はデモの行き過ぎがあるからテロをやるのじゃありません。これは彼らがこの民主団体のデモ行為、あの驚くべき国会のデモ行為は中国、ソ連の国際共産主義の指令に基づいて、扇動に基づいてやっておるんだという、こういうことの認識から立ち上がっておることは山口二矢を調べた係官がよくおわかりでありましょう。いかに彼らが無法な人間といえども、デモ行為が公安条例に違反したりあるいは道路交通取締法に違反した不法なものであるから淺沼を殺したなんということにはならぬでしょう。そうじゃない。社会党なり総評が中国からあるいは資金をもらったり、あるいは彼らの指令に基づいてこういう運動をやって日本を赤化するんだ、赤の手先だ、こういう議論をいたいけな少年にしみ込まれまして、それが凶悪な犯罪にかりたてる原因になっておる。
そこで私はあなたに聞きたい。一体不法なるデモの行き過ぎと一人一殺のこの凶悪なるテロ行為とはどちらもいけない、どちらも不法な暴力でどちらもいけないんだということで相殺論法をとることがはたしていいかどうか。さようなる論法をとっておるからして、テロに対するところの憎しみ、テロに対するところの徹底的な態度が内閣にないんだという印象を与えるのであります。そこでそういうことに対するあなたの認識を承わりたい。
なお、岸内閣のとき、この国会周辺を取り巻いた膨大なる市民の決起、あの安保反対デモ闘争が国際共産主義に踊らされているんだというところの内閣声明が出たはずだ。あなたはその閣僚の一員として参画せられ、のみならず、私の聞くところによれば、国際共産主義の扇動から起こっているんだということを内閣声明に入れることを強く主張したのは池田通産大臣だと聞いておる。はたしてあなたは今日でもそう思いますか。これがそもそも右翼団体を刺激し、かような天下騒然たる原因をなしているんだ。治安の乱れのもとはここにある。これをつかずして右翼団体のテロを抑圧することはできませんよ。入れかわり立ちかわりやってくるでありましょう。ただ警察の警備なんと言っておったって、これは末梢の問題だ。こういうふうな安保反対闘争が一体ソ連、中国から資金をもらったり、あるいはその指令によってやっているなんというようなこと、あるいは内閣諸公の国際共産主義の働きなんだという声明、あるいは自民党の諸君がかような無責任なる暴言をなす。これが右翼を刺激することは歴然たるものだ。
そこであなたに伺いたいことは、一体不法なるデモ行為と一人一殺のテロ行為とが同じように論ぜられるべきものか。一個の生命は全地球よりも重いという裁判所の判決があります。民主政治下においては、生命の尊重、人格の尊厳ということが民主主義の根源であることは申すまでもない。それを全面的に否定するテロ凶悪犯罪と、表現の自由として許されておるデモ行為の行き過ぎとを同価値に見て、あれも悪いがこれも悪い。要するにこれは相殺論法というものだ。しかもこのデモ行進の背後には赤いひもがついているというような無責任なる宣伝をやる。これが治安が治まらぬ根本原因だと考えます。これに対してあなたの考え方を承りたい。
この発言だけを見る →そこでいろいろお聞きしたいこと多々ありますが、時間がありませんので、私は主として総理並びに公安調査庁長官にお尋ねしたいと思うのでありますが、浅沼テロ事件でも、今回の嶋中事件でも、これはテロも悪いがデモも悪いなんということで解決すべき問題じゃない。必ず政府の答弁は、テロはけしからぬけれども、デモの行き過ぎも考慮してもらいたい。嶋中事件についても、はなはだ不都合ではあるけれども、しかし言論の自由をはき違えないようにしてもらいたい、必ずそういう条件をつける。これは私は非常にいけない言葉だと思う。この思想が根本だ。私は本日この産経新聞なんか見まして、国家公安委員の人たちの意見が載っておる。これがみな何と言っておる。一体、デモなんというものも公安条例とかその他の法律に違反している不法なものだ、だからテロだとかデモだって、みな不法な暴力であることは同じことだ。こういうことを言うて、こんなことで一体この凶悪なる犯罪は断絶できますか。これらの人たちの頭を私は疑わざるを得ない。一人の人間の生命を断つことを目的として、突如襲いかかってその生命を断つということは、世にこのくらい凶悪犯罪はないでありましょう。国家公安委員の小汀なんという人はけしからぬと思う。二月三日の朝日新聞の座談会に、一体近ごろのデモなんというものは法律を一つも守っておらぬ、非常に不法である、テロばかり不法の暴力といって憎むのは違う、テロ行為ばかり憎んでもいけない、こういう言論を吐いている。今、今日淺沼、嶋中事件で天下粛然としているこの際に、国次公安の重責をになっておる者が何ということを言っているか。なるほどデモ行為の中には公安条例に違反し、道路交通取締法に違反している不法なデモの行き過ぎがあるでありましょう。これはこれとして批判すべきものでございましょう。かるがゆえにテロだけを憎むのは不当だということは、一体何ということだ。こういう公安委員があるからして、今日天下騒然たる際においても警察の責任を明らかにすることができない。私はあなたに対してどう考えているか聞きたい。
なお、ついでに申しますが、幾ら右翼団体といえどもむちゃくちゃなテロをやっているわけじゃありません。決して右翼団体はデモの行き過ぎがあるからテロをやるのじゃありません。これは彼らがこの民主団体のデモ行為、あの驚くべき国会のデモ行為は中国、ソ連の国際共産主義の指令に基づいて、扇動に基づいてやっておるんだという、こういうことの認識から立ち上がっておることは山口二矢を調べた係官がよくおわかりでありましょう。いかに彼らが無法な人間といえども、デモ行為が公安条例に違反したりあるいは道路交通取締法に違反した不法なものであるから淺沼を殺したなんということにはならぬでしょう。そうじゃない。社会党なり総評が中国からあるいは資金をもらったり、あるいは彼らの指令に基づいてこういう運動をやって日本を赤化するんだ、赤の手先だ、こういう議論をいたいけな少年にしみ込まれまして、それが凶悪な犯罪にかりたてる原因になっておる。
そこで私はあなたに聞きたい。一体不法なるデモの行き過ぎと一人一殺のこの凶悪なるテロ行為とはどちらもいけない、どちらも不法な暴力でどちらもいけないんだということで相殺論法をとることがはたしていいかどうか。さようなる論法をとっておるからして、テロに対するところの憎しみ、テロに対するところの徹底的な態度が内閣にないんだという印象を与えるのであります。そこでそういうことに対するあなたの認識を承わりたい。
なお、岸内閣のとき、この国会周辺を取り巻いた膨大なる市民の決起、あの安保反対デモ闘争が国際共産主義に踊らされているんだというところの内閣声明が出たはずだ。あなたはその閣僚の一員として参画せられ、のみならず、私の聞くところによれば、国際共産主義の扇動から起こっているんだということを内閣声明に入れることを強く主張したのは池田通産大臣だと聞いておる。はたしてあなたは今日でもそう思いますか。これがそもそも右翼団体を刺激し、かような天下騒然たる原因をなしているんだ。治安の乱れのもとはここにある。これをつかずして右翼団体のテロを抑圧することはできませんよ。入れかわり立ちかわりやってくるでありましょう。ただ警察の警備なんと言っておったって、これは末梢の問題だ。こういうふうな安保反対闘争が一体ソ連、中国から資金をもらったり、あるいはその指令によってやっているなんというようなこと、あるいは内閣諸公の国際共産主義の働きなんだという声明、あるいは自民党の諸君がかような無責任なる暴言をなす。これが右翼を刺激することは歴然たるものだ。
そこであなたに伺いたいことは、一体不法なるデモ行為と一人一殺のテロ行為とが同じように論ぜられるべきものか。一個の生命は全地球よりも重いという裁判所の判決があります。民主政治下においては、生命の尊重、人格の尊厳ということが民主主義の根源であることは申すまでもない。それを全面的に否定するテロ凶悪犯罪と、表現の自由として許されておるデモ行為の行き過ぎとを同価値に見て、あれも悪いがこれも悪い。要するにこれは相殺論法というものだ。しかもこのデモ行進の背後には赤いひもがついているというような無責任なる宣伝をやる。これが治安が治まらぬ根本原因だと考えます。これに対してあなたの考え方を承りたい。
池
池田勇人#17
○池田(勇)国務大臣 私は、いかなる意味におきましても暴力は絶対に排除すべきものである、こう言っておるのであります。これが根本でございます。集団暴力とテロの問題、この軽重につきましてはおのずからだれでもわかることです。テロは最も憎むべきものだと、私はこう言っておるのであります。日本の集団テロが国際共産党とのつながりがあるということは、前の内閣において言われたと思います。しかし私はこれについて、これを入れるべきだという主張をした記憶はございません。
この発言だけを見る →猪
猪俣浩三#18
○猪俣委員 あなたまだそういうことを言っておる。私が聞くことは、不法なる暴力がいけないことは当然です。しかし淺沼が殺され、嶋中のうちがやられておるこの際に、わざわざデモ行進の行き過ぎを持ち出してきて、そうしていかにもデモが悪いからテロが起こるのだというようなことをにおわせることは、ますますテロ行為をやろうとする人たちを激励することになりはしませんか。そうすると、テロをやることによってデモを静める効果があるということになる。私はそれを言うのです。これを同価値に論じてはいけない。(「軽重はおのずからわかっておると言っておるのではないか」と呼ぶ者あり)軽重の力がわかっておるならはっきり言いなさい。このテロ行為をわれわれが言うと、いや、言論の行き過ぎはいかぬの、デモの行き過ぎはいかぬのと必ず言う。しからば小汀公安委員のテロばかり悩んではいけないという意見に対してあなたはどう考えますか。
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猪
猪俣浩三#20
○猪俣委員 そうすると、結局テロ行為もデモ行為もあなたはいけないと言っても、そのいけない程度が違うわけでしょう。私は、あなたから徹底的に凶悪犯罪は天人ともに許すべからざるものであるということを声明してもらいたい。一個の生命は全地球よりも重いという判決がある。その趣旨に従って断固たるあなたの決意を承りたい。デモの悪いことは、それはまたデモの悪いことで別に論ずればよろしい。この際にそういうふうな水増し論をやってはいけない。相殺論法をやられてはいけないということをあなたに言っておるのです。それは言えませんか。言えないなら言えないでよろしい。
この発言だけを見る →池
猪
猪俣浩三#22
○猪俣委員 しからばテロが最も憎むべきものであるならば、これはもうすでに昨年の十月二十四日以来私は具体的に例をあげてあなたに質問をしておる。この最も憎むべきテロをやる者に対して一体どういう対策をとったか、こんなものは警備なんというような問題ではないのです。国家公安委員長に説明ばかりさせておってはいけない。あなたは一体どうするのです。世論を聞いてごらんなさい。具体策は一つもないという新聞の論調になっておる。そうしてわれわれの怠慢のように書かれておる。はなはだ心外なんです。私どもは昨年からあなたに言っておる。数カ月たっておるではありませんか。この矯激なる最も憎むべきテロ及びテロをそそのかす団体に対して、内閣総理大臣としていかなる方法で根絶する方針であるか、具体的な確固たるあなたの意思を示してもらいたい。
この発言だけを見る →池
池田勇人#23
○池田(勇)国務大臣 私といたしましては、まず政治の姿を正して、国民が安心し、助け合うような政治をすることが一番だ、これが根本でございますから、就任以来それを機会あるごとに言っておるのであります。しこうして淺沼事件発生以来、具体的な問題につきましては私は関係各大臣に言っておるのであります。先ほど説明したようなこともございますが、三十六年度の予算におきましても、私は今までよりもこういう警備につきましては、十分とは申せませんが、相当の人員とかあるいは機能をふやすように努力していっておるのであります。これは単に内閣総理大臣あるいは政府だけの責任ではございません。私は国民全般がほんとうに考うべきことであろうと思うのであります。でせっかくのあれでありまするから、猪俣さんにおかれて徹底的にこれを防止する方法があるならば、お知恵を借るにやぶさかではございません。私も十分に検討いたします。
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猪俣浩三#24
○猪俣委員 私を総理大臣にしていただけば、私は直ちにやりますよ。してくれますか。笑いしかし私は、ある程度のあれは出しておるはずであります。第一に右翼テロ団体を根絶しなければならぬ。これは予科練時代の軍事基地と同じものである。そこで特殊の教育を施しては飛び立っておる。たまには目標にはずれることはありましょう。だから、この軍事基地をなくさなければテロ事件は終結しない。そこで軍事基地をなくする方法、第一にはこの資金源を断たなければならない。そこであなたにこの資金源の調査をお願いし、あなたも資金源を断つことが必要であるとおっしゃっておる。しかし、今日までどういう調査をなされて、どういうことになったか、さっぱりわけがわからぬ。おとといも法務省から報告になった。こんなものは政治資金規定法で届けてあるものをまる写しにしたようなものである。われわれは民間にあって権力がありませんから、なかなか調査ができない。右翼の資金源について全部調査したいと思いますけれども、なかなかできない。しかし、政府は警察も持っていれば公安調査庁を持っている。これはいくらでも調査ができたはずです。それを今日まで明確なる調査をしておらぬ。そこでそれには、あるいは法律の不備があるかもしれぬ。だから政治資金規正法を改正して、もし届け出におかしな点があるならば、ある程度の調査権を付するように改正しなければならぬじゃないかということも私は十月に言っているはずです。それに対してあなたは何の考慮も払っておらない。いかなる右翼団体の資金源の調査を命じられたか、政治資金規正法について、一体いかなる改正をしようとあなたが考えたか、一つも私は承っておらぬのだ。なおまた破壊活動防止法の適用についても、私はすでに申し上げておる。これは法務省で研究しておるらしいのでありますが、なお右翼団体を根絶するには、やはり立法措置が必要だ。ドイツは第一次大戦後、いわゆる天皇政治が廃止せられまして、ワイマール憲法ができた。そうすると民主主義に対して反感を持つ右翼が次々にテロを行なって、いろいろの大臣その他反対党の領袖等が次々に殺される。そこで一九二二年に共和国擁護法という法律を作って、テロを扇動する者、及びテロリズムを実行する者、こういう者に対して徹底的な厳罰をし、その財産すべてを没収する、こういう強硬な立法をした。そのために十年間ドイツにおいてテロは閉塞したのであります。一体日本の政府並びに警察は、この右翼団体なるものに対してあまりに――これは無理もないのだ、右翼の掲げておる目標は、大体今の自民党諸君やなんかの考えておることと一致しておるのです。憲法を改正する、国防を充実する、天皇は神聖だというようなことを書いている。荒木文部大臣が考えていられるようなよい日本人なんというような思想でやっておるから、皆さんとお互いに主義が一致していると思うかもしれませんが、彼らに対する憎しみが足りないのです。しかしこれは必ずや、今左翼ばかりがねらわれているが、またぞろこれはお互いの頭上にかかってくるかもしれません。私はここに峻厳なる態度をもって、第一次大戦後のドイツの一九二二年の共和国擁護法のような特別法を作るか、しからざれば少なくとも私は連座規定を設けろ、その連座規定でも立証責任を転換すればいい。たとえば愛国党の赤尾君が、あの山口その他小森に対して、あれはどうしても扇動したと思われる。ああいう場合には一応扇動として処罰して、もしそうでないならば、これは愛国党の方からそうでないという証拠を明らかにすることによって無罪を主張する。立証責任の転換くらいはこの際刑法なり特別法を作ってやらなければならぬじゃないか、こういう話も私はしているはずです。それに対して何らの措置が今日まで講じられておらない。一体こういうことに対して、あなたは考えたことがあるのかないのか、それを一つお聞かせ願いたい。
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池田勇人#25
○池田(勇)国務大臣 資金源を断つという問題につきましては、私は党の総裁になりましてからかたくこれを守っております。それから政治資金規制法の問題は、公職選挙法の問題とともに検討を加えておるのであります。なお、破防法につきましても関係当局で考えておりましょう。また立法措置につきましても、わが党におきまして、犯罪防止基本対策要綱というものをきめまして、どういう点を立法するかという点を今検討しております。これは新聞にも出て御存じの通りであります。いろいろなことをやっております。しかし、お話のように強力な立法措置が必要ならば、やはりあなた方の方でもお考え下さるし、われわれの方にもお知らせ下さって、ともにともにやっていくのがほんとうじゃございますまいか。私はそういう考えでおるのであります。
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池
猪
猪俣浩三#28
○猪俣委員 考え方があることは、もう右翼団体はみなそう言っております。考え方のあることを聞いておるのではない。あなたの確信だ。岸内閣のときは証拠があるとまでおっしゃった。あなたもその閣僚の一人でしょう。証拠を見せてもらいましたか。見たはずだと思いますが、どうですか。
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