河野密の発言 (予算委員会)

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○河野(密)委員 私の申し上げるのは、そういう政権を安定政権なりと考え、その安定政権という前提のもとに、政府が日韓問題を最近は積極的にお進めになろうとしておる、その態度がいけない、こういうことを申し上げておるのであります。韓国の政権は、われわれから見ても安定していなかったじゃないか、そういうことはわかっておったじゃないか、そういうことを申し上げておるのでありますが、ただ押し問答をしておってもむだでありますから、私はこの順序に従いまして質問を進めたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、私の今回の質問は、主として池田総理の渡米、その任務というものにしぼってお尋ねをしたいと思うのであります。本国会の終了後、池田総理は米国訪問の旅行に出発されるということでありますが、これは間違いないでしょうね。その日程も六月の十七日と発表されております。日本国民は、池田総理がどういう意図を持って訪米せられるか、その目的を明らかに聞いてはおらないのであります。しかも、昨日も上林山君の御質問にもありましたが、一般報道機関の報道するところによると、過般の連休の際に、池田首相以下側近者が会同して、訪米準備のための勉強会を開いたといわれておるのであります。またすでに終盤を迎えた本国会におきましても、国会審議を通じて、たとえば防衛二法案は池田総理渡米の関係上、これはどうしても通さなければならないんだとか、どういう法案は対米ゼスチュアとして欠くべからざるものなのだ、こういうことがいわれておるのでありまして、いわば訪米の問題が大きな政治問題となっておると言わなければなりません。国民としては、具体的に何も内容を知らされることなく、ただ鳴りもの入りで訪米々々と宣伝されておるのであります。すでにこの訪米においては国民は苦い経験を持っておるのでありまするから、何か重大な事態がこれによって起こるのではないか、何か日本が大きな負担を負うのじゃないかということを、国民は心ひそかに心配をしておると思うのであります。そこで、私は、その国民の気持を代表する意味において池田総理に御質問をいたしたいと思うのであります。
 先ほど多少触れましたが、現在の国際情勢はきわめて微妙な段階に立っております。ラオスの問題を中心とする国際会議は、現在ジュネーブにおいてその前途が予測を許さない状況でございます。先ほど申し上げましたように、ジョンソン米副大統領は、現に東南アジア訪問の旅行中でありまして、その使命はきわめて重大であるといわれております。五月五日の記者会見において、ケネディ大統領は、私はこの旅行をきわめて重要なる任務とみなしており、帰国後ジョンソン副大統領からなまの報告を受けるのを心待ちにしておる、こう言っておるのであります。キューバの問題、ラオスの問題等、このところ黒星続きといわれるケネディ外交が、何らかの起死回生の手段をねらっているだろうことは、南ベトナムにおける軍事援助を約した共同コミュニケによっても表われていると思うのであります。こういう空気の中で池田首相は訪米されるのでありまして、池田訪米によって何を持ってくるか、国民は少なからざる不安にかられておると思うのであります。うっかり乗り込んでワシントンからとんだものを背負わされては困る、ミイラ取りがミイラになっては困ると国民は危惧しておるのであります。その一方、しかし国民としては、池田首相がせっかく訪米されるならば、ぜひこれだけのことはやってきてもらいたいという希望を持っております。その複雑なる気持、この国民の気持を池田首相はどう判断されておるか。私は、この国民の気持の理解の上に立って訪米をするならば、訪米をするという、その池田首相の所信を一つ承りたいと思うのであります。
 まず率直に承りたいと思うのでありますが、今回の池田首相の訪米の主たる目的は何でありますか、何を目的として、何を意図して訪米されるのか、これを国民の前に明らかにしていただきたいと思うのであります。巷間伝えられるところによると、新防衛計画の策定であるとか、あるいはこれに対する米国の援助の要請であるとか、あるいは東南アジアに対する日本の協力義務の問題であるとか、こういうことが主要な任務の一つであるといわれておりまするが、これはどうでありまするか。われわれは、かかることはあり得ないことを望むのでありまするが、池田総理に率直に池田総理訪米の目的、意図、これはどういうところにあるのか、これをお聞かせ願いたいと思います。

発言情報

speech_id: 103805261X02219610516_022

発言者: 河野密

speaker_id: 28496

日付: 1961-05-16

院: 衆議院

会議名: 予算委員会