予算委員会

1961-05-16 衆議院 全266発言

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会議録情報#0
昭和三十六年五月十六日(火曜日)
   午前十一時二十九分開議
 出席委員
   委員長 船田  中君
   理事 愛知 揆一君 理事 重政 誠之君
   理事 野田 卯一君 理事 保科善四郎君
   理事 井手 以誠君 理事 川俣 清音君
   理事 横路 節雄君
      相川 勝六君    赤澤 正道君
      井出一太郎君    稻葉  修君
      臼井 莊一君    小川 半次君
      上林山榮吉君    仮谷 忠男君
      北澤 直吉君    櫻内 義雄君
      田中伊三次君    床次 徳二君
      中曽根康弘君    中野 四郎君
      中村三之丞君    羽田武嗣郎君
      橋本 龍伍君    前田 正男君
      松浦周太郎君    松野 頼三君
      松本 俊一君    三浦 一雄君
      山崎  巖君    淡谷 悠藏君
      岡  良一君    木原津與志君
      小松  幹君    河野  密君
      高田 富之君    楯 兼次郎君
      堂森 芳夫君    永井勝次郎君
      野原  覺君    長谷川 保君
      松井 政吉君    春日 一幸君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        外 務 大 臣 小坂善太郎君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        農 林 大 臣 周東 英雄君
        通商産業大臣  椎名悦三郎君
        運 輸 大 臣 木暮武太夫君
        国 務 大 臣 西村 直己君
 出席政府委員
        内閣官房長官  大平 正芳君
        法制局長官   林  修三君
        大蔵事務官
        (主計局長)  石原 周夫君
        大蔵事務官
        (理財局長)  西原 直廉君
        通商産業事務官
        (企業局長)  松尾 金藏君
 委員外の出席者
        通商産業技官
        (企業局賠償特
        需室長)    平岡 広助君
        専  門  員 岡林 清英君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和三十六年度特別会計予算補正(特第1号)
 昭和三十六年度政府関係機関予算補正(機第1
 号)
     ————◇—————
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船田中#1
○船田委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十六年度特別会計予算補正(特第1号)及び同じく政府関係機関予算補正(機第1号)を一括して議題といたします。
 質疑を続行いたします。河野密君。
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河野密#2
○河野(密)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、近く行なわれるであろうと報道されておりまする池田総理の渡米問題に焦点をしぼって、主として外交問題をお尋ねしたいと存じます。
 なお、いろいろな問題につきましては、同僚諸君よりそれぞれ御質問を申し上げることになっておりますので・私はもっぱら外交問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。
 私の質問の要旨はプリントにいたしまして差し上げてありますので、この順序に従って御質問を申し上げるのでございまするが、私はその中で、最近特に注目を浴びておりまする日韓問題について、張勉政権に対する政府の考え方等に警戒をする意味の質問をすることにいたしておりました。たまたまけさのラジオ放送並びにテレビ放送あるいは新聞の号外によりまして、韓国にクーデターが起こったということが報道されましたので、ちょうど予定しておりました問題でありますので、この際その問題の御質問をまずまっ先にいたしたいと存ずるのであります。
 新聞の号外、ニュース等によりますると、けさ韓国に軍部のクーデターが起こって一切の権利を掌握した、こういうようにいわれておるのでございます。先般ちょうど自由民主党の代表者並びに外務省の担当の局長が韓国を訪問して帰ってきたばかりであります。昨日はこの席上におきましてその成果について報告、質問がなされたばかりであります。それらの問題の報告等におきましては、何らこういう点についての示唆も暗示もなかったのでありまするが、突如としてこういう事態が起こりました。これに対して外務省が現在持っておられるところの情報を一つ御発表願いたいと存じます。
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小坂善太郎#3
○小坂国務大臣 韓国におきまするお尋ねのクーデターに関する情報でございまするが、御承知のように、われわれの方といたしましては先方に代表部あるいは大使館がございませんし、いわゆる公電をとるによしないわけでございますが、新聞その他を総合いたしますと、まずAP電で、これはすでに御承知でございましょうと思いますから、省略いたしますが、張都暎中将、これは陸軍参謀総長でございますが、この人が軍事革命委員会の議長に指名されたということが伝えられております。またクーデターの理由といたしまして、反共統一体制を強化する。「一、軍事革命委員会は韓国の反共的立場を強化する。二、国連憲章を支持し、対米協力を強化し自由を守る。三、腐敗を一掃する。四、国民を飢えと悲惨な生活から救い出す国民経済を建設する。五、共産主義に対する闘争を強化することによって朝鮮を統一する。六、革命完了後文民による新たな政治が発足できる。」ということを言っておるということでございます。なお、UPIの電報でございますると、「クーデターは綿密な計画でなされ、秘密もよく保たれている。ソウル市内は夜明けまでには正常の状態に帰っているが、ほとんどすべての町角に歩しょうが立っている。マグルーダー米第八軍司令官兼国連軍司令官は指揮下の全軍隊を警戒態勢下におき、事件に巻込まれないよう全米軍を兵営や軍構内にクギ付けにするとともに、さらに全部下指揮官に保安措置を強化するよう命令した。」こんなふうにAP、UPは伝えておるのであります。
 われわれといたしましてはこの韓国の革命につきまして、クーデターにつきまして、他国の内政につきましてとかくの批判をすることは差し控えたいと存じますが、韓国におきまして一日も早く秩序が回復いたしまして、事態が安定することを望んでいる次第であります。
 なお日韓会談が今次の革命によりまして影響を受けるかどうかということにつきましては、今のところまだ、今朝四時のできごとでありますので、今の情報では何とも申し上げることはできませんが、影響を多少受けるといいますか、日程その他についてのズレが出るということは、これはやむを得ないことかと思います。
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河野密#4
○河野(密)委員 日韓会談等の問題につきましては後刻お尋ねいたしたいと思いますが、こういう事態が起こるであろうということは、われわれ門外漢としても想像にかたくなかった。韓国の情勢、政情その他の動きからいたしまして、韓国に何らかの変動が起こるのじゃないか。幸か不幸か存じませんが先月は辛うじて事なきを得たというような状態であったのであります。そういう際において、政府が日韓会談等について考えておられることが非常に甘いのじゃなかったかということをわれわれはしきりに言っておったのでありますが、この点について政府としては、こういう情勢を察知することについて万全であったかどうか、こういう点はどうでありますか。
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小坂善太郎#5
○小坂国務大臣 韓国の軍隊は非常によく訓練されておりますし、まじめな軍隊であるというように聞いております。今回野田団長以下自民党の方々が行ってこられましても、さような印象を受けてこられたようでございます。むしろわれわれが一番問題にいたしておりましたのは、昨年の四月革命以来できました張勉政権が、従来の李承晩政権によるところの非常な独裁、これを民主的な方向に切りかえる、その過程において幾つかの方法を経ねばならぬのであります。その立法の過程におきまして、いろいろ反対勢力等との間のいざこざが、あるいは一周年を待たずして四月革命の再来のごとき状況になるかもしれぬという点につきましては、いろいろと懸念はいたしたのであります。しかしようやくこの危機も乗り越え、いろいろな法律関係のものを整備いたしまして、いよいよ経済関係の開発ということに乗り出す段階になったのでございますから、隣国のわれわれといたしましては一衣帯水の地でもございまするし、できる限り韓国経済の伸長、また韓国の民生に寄与するということをもって、われわれは自由を愛し、平和を愛する国民としての務めを果たすべきである、かような気持で見ておりましたわけであります。むしろ韓国の新政権によりまして獲得された自由、言論、集会、結社の自由というものがいろいろな紛淆を呼ぶ一面もあるわけであります。そういう点から、その政権についてとかくの論のあることはもちろん承知しておりました。しかしわれわれといたしましては、隣国の政情が安定し、しかも経済が繁栄していくということを望むという気持で、この問題をあたたかく見守ろうではないか、こういう気持で折衝いたしておったわけであります。
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河野密#6
○河野(密)委員 外務大臣にお尋ねしますが、今の外務大臣のお話でありますと、張勉政権の政治方針というものを日本政府としては大体支持する、こういうような考え方である、さればこそ日韓会談等も行なわれたのである、従って今度のクーデターそのものは、今まだ十分に全貌はわかっていないにいたしましても、この限りにおいては望ましいことではない、こういうふうにお考えなんですか。
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小坂善太郎#7
○小坂国務大臣 日本に対して好意を持つ政権というものに対して、われわれも好意を持つのは当然だと思います。張勉政権は親日ということを大きな柱に打ち立てておったことは、御承知の通りでございます。しかしそのことについて、韓国の国内でいろいろな意見があるということも、これはまた韓国の国内の事情でございますし、また今回のクーデターは親日ということが柱になって行なわれたということではないと思います。その韓国の国内の事情について、われわれがとかくの意見を差しはさむ、どういうやり方がいい、悪いと言うことは内政干渉にわたることでございますから、一切そういう批評は差し控えたいと思います。
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河野密#8
○河野(密)委員 今度の韓国のクーデターが、私は極東における最近の情勢と無関係であるとは考えられないと思うのであります。御承知のように、あとからお尋ねをいたしますが、現在アメリカのジョンソン副大統領は東南アジア旅行の途次にあります。南ベトナムにおいては、南ベトナムに対する軍備の拡充に対して積極的な支援を与えるという共同声明を発表しております。同時にその直後において、南ベトナムにおける共産ゲリラ隊に対抗する訓練されたアメリカのゲリラ部隊を送り込むということを決定いたしております。次にフィリピンに参りまして、それから台湾に参りまして、御承知のように台湾においては、台湾政権をあくまでも支持する、中共の承認はやらぬのだということを声明したと報道されております。それから香港に参りまして帰ることと思うのでありますが、今回の朝鮮における軍部のクーデターというものが、こういう極東の大きな動きというものと何らかの関係があるかないか、これが私は非常に重大なポイントであると思うのでありますが、政府はどういう御見解でありますか。
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小坂善太郎#9
○小坂国務大臣 ただいまのお話によりますと、アメリカのジョンソン副大統領が韓国を訪問し、それからあと東南アジアの各国を回ったことと関連して今回のクーデターを見るというふうな御質問のようでありますが、そういうふうには私は見たくないのであります。ジョンソン副大統領が行って、今度のクーデターと何らかの関連を持ったのではないかというようなことは、私は考えません。
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河野密#10
○河野(密)委員 私は関係があると申しておるのではありません。その行動とどうというように、直接結びつけようというのではないのですが、アメリカの極東政策というものが最近大きく変わりつつある、その変わりつつある方向とは何らかの関連があるのじゃないか、こういうことを聞いておるのでございまして、これは私は日本として決して軽々に看過すべき問題ではないと思うのでありますが、この点くどいようですがもう一ぺん御答弁を願いたいと思います。
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小坂善太郎#11
○小坂国務大臣 私は今回のクーデターとアメリカの副大統領の訪問が何ら関係を持つものではないし、韓国のクーデターは韓国自身の問題であって全体の動きとは関係がない、かように考えます。
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河野密#12
○河野(密)委員 具体的にお尋ねいたしますが、現在朝鮮におきましては南北統一の問題が起こりつつある。この二十日には、学生が板門店におきまして南北統一の会合を開くということになっておりました。去る三日前の十三日には、京城市内におきましてデモが行なわれた。これに対して張勉政府はこのデモを禁止するという方針をとったにかかわらず、このデモが行なわれた、こういう事実があるのでありますが、こういう事実と今回のクーデターというものは何らかの関連があるというふうにはお考えにならないのでありますか、どうでありますか。
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小坂善太郎#13
○小坂国務大臣 民主主義の国におきましては、言論、集会、結社また行動の自由があるのでありますから、デモというものはどこでもあるわけだと思うのであります。別にそのこととこのクーデターを関連づけていろいろ考えてみる必要も私はないと思います。
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河野密#14
○河野(密)委員 それでは外務大臣にお尋ねしますが、これはもとより非常に秘密のうちに計画されたと申しまするが、外務省の担当の局長がその数日前に韓国を訪問して、その報告は何という報告でありましたか。報告を受けたんですか、受けないのですか。
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小坂善太郎#15
○小坂国務大臣 報告を受けております。報告によりますると、韓国におきまする一般の空気、今度の訪問によりまして受けました印象は、政界、財界、言論界、まあ学者層だけは会わなかったようでありますが、ほとんどすべての階層と意見を交換した、その空気は、いまだかつてないほどの日本に対する親愛感にあふれておったということでございまして、先方も日韓会談をこういう空気のうちにまとめてみたいという気持にあふれておるというふうな報告を受けております。
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河野密#16
○河野(密)委員 親日的な空気がどうこうということは別といたしまして、韓国の政情そのものに対して、はたして日韓会談をやり得る情勢にあるかなかったか、それは当然政治家としても担当の局長としても判断すべき責任があると私は思うのであります。それが判断できないでほかのことを幾ら報告しても、それは報告がむだじゃないかと思いますが、どうですか。
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小坂善太郎#17
○小坂国務大臣 周囲の国とできるだけ友好な関係を結んでいこうということは、われわれの不動の方針でございます。その関係を結ぶ過程におきましていろいろ先方と問題について意見を交換しあるいは議論をして、わが方の立場も鮮明し、また先方の考えも聞くということは当然のことでございまして、そこにクーデターが起きるかもしれないから何もやらないということではいけないのじゃないか。またそういうものが起きないことをもちろん望むわけでございますが、起きたからといって何も日本政府の責任でも何でもないと思います。
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河野密#18
○河野(密)委員 私は、他国にクーデターが起こるかどうかということを別に探索しろとかそういうことを言っておるのではないのであります。その国の政情が安定しているか安定していないかということは、いやしくもその国を訪問して、今お話のように学界を除いて、政界、財界あらゆる階層の者と会談をする機会があったならば、その国の政情が安定しておるか、これを会談の対象として差しつかえないかどうかということは当然わかるべきものである、政治的感覚によってもわからなければならないはずだ、それがわからなかったならばどうかしておると言わなければならぬと思うのであります。現に、私たちは朝鮮問題に対する専門家ではありませんけれど、われわれがちらちらと耳にする情報だけでも、私たちはこの張勉政権が安定しておるとは考えておらなかった。現にその安定していないと思われる節としては、張勉政権のもとにおいても依然として汚職のあとが絶えない、こういうことが国民の不満を買っておる。あるいは農村を中心とする窮乏が非常に蔓延しておる。こういう事実を見て、張勉政権というものはきわめて不安定なものであると私たちは判断をしておったのであります。でありますから、私も質問の要綱を差し上げるについて、日韓会談を進めるについて張勉政権をどう評価するんだ、政府の評価が聞きたい、あぶないじゃないか、こういうことを書いて差し上げておいたのでありますが、それが、きのう差し上げて、きょうはすでにクーデターが起こっておる、こういう事実について、私は外務当局として、あるいは外務省の担当の局長として、あるいは政治家として、そういうことは私は責任を感じなければいけないと思う。その点どうですか。
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小坂善太郎#19
○小坂国務大臣 政権はできるだけ強固なものがいいと思います。しかしそれが強固であるかどうかということをこちらで勝手に判断して、そうしてどうも不安があるから一切つき合わぬというようなわけにはいかぬと思います。その事実によって、政権がそこに現実にあるという事実によって、その政権との間にいろいろ交渉を持つというのは、これは外交の常識だと思います。
 クーデターがあったのになぜ気がつかなかったという御質問でございますが、そういうことが最初からわかるようならクーデターは成功しないと思います。
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河野密#20
○河野(密)委員 私は、外務大臣にクーデターの片棒をかつげ、秘密を守れということを言っておるのじゃない。そういうクーデターの起こるところ、およそ政情の不安というものがある。政情の不安に対する評価、見方というものがすでに不十分じゃないか、韓国そのものに対する見方が足らないからして、月夜にかまを抜かれるような事態を生ずるんじゃないか、こういうことを私は言っておるのであります。これは私たちが、専門家ではないけれども、韓国の事態を見るについて、やはりあなた方よりはむしろ実情に即する見方をしている、大衆に接触する見方をしておるから、われわれの方が正しい見方をすることができるんだ。そこにあなた方が反省しなければならぬ、私はそういうことを申し上げておるのです。外務大臣どうですか。
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小坂善太郎#21
○小坂国務大臣 私は、さっきから申し上げておりまするように、韓国と一衣帯水の間にあるわが国としては、できるだけ善隣友好の関係を持ちたい、こう考えておるのでございます。向こうが瑕疵が多少でもあればつき合わぬということで済まぬと私は思う。韓国の民衆も、私どもはかなり前からいろいろな関係を持っている民衆でございます。韓国の国民大衆にも平和と繁栄の光を及ぼすように隣国のわれわれとしてもできるだけしたいということでありまして、この交渉を、予備会談をしたということが、一体責任を感ずるとか反省をとかおっしゃいますけれども、これは私は、お言葉でございまするが、承服できないのであります。やはりわれわれは、かりにあなたの御質問に百歩譲りまして、調印をしたその翌日こうなったということならば、おっしゃる通りだと思いますけれども、十分に先方といろいろな意見をかわす、これが何で悪いかと実は思うのでございます。
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河野密#22
○河野(密)委員 私の申し上げるのは、そういう政権を安定政権なりと考え、その安定政権という前提のもとに、政府が日韓問題を最近は積極的にお進めになろうとしておる、その態度がいけない、こういうことを申し上げておるのであります。韓国の政権は、われわれから見ても安定していなかったじゃないか、そういうことはわかっておったじゃないか、そういうことを申し上げておるのでありますが、ただ押し問答をしておってもむだでありますから、私はこの順序に従いまして質問を進めたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、私の今回の質問は、主として池田総理の渡米、その任務というものにしぼってお尋ねをしたいと思うのであります。本国会の終了後、池田総理は米国訪問の旅行に出発されるということでありますが、これは間違いないでしょうね。その日程も六月の十七日と発表されております。日本国民は、池田総理がどういう意図を持って訪米せられるか、その目的を明らかに聞いてはおらないのであります。しかも、昨日も上林山君の御質問にもありましたが、一般報道機関の報道するところによると、過般の連休の際に、池田首相以下側近者が会同して、訪米準備のための勉強会を開いたといわれておるのであります。またすでに終盤を迎えた本国会におきましても、国会審議を通じて、たとえば防衛二法案は池田総理渡米の関係上、これはどうしても通さなければならないんだとか、どういう法案は対米ゼスチュアとして欠くべからざるものなのだ、こういうことがいわれておるのでありまして、いわば訪米の問題が大きな政治問題となっておると言わなければなりません。国民としては、具体的に何も内容を知らされることなく、ただ鳴りもの入りで訪米々々と宣伝されておるのであります。すでにこの訪米においては国民は苦い経験を持っておるのでありまするから、何か重大な事態がこれによって起こるのではないか、何か日本が大きな負担を負うのじゃないかということを、国民は心ひそかに心配をしておると思うのであります。そこで、私は、その国民の気持を代表する意味において池田総理に御質問をいたしたいと思うのであります。
 先ほど多少触れましたが、現在の国際情勢はきわめて微妙な段階に立っております。ラオスの問題を中心とする国際会議は、現在ジュネーブにおいてその前途が予測を許さない状況でございます。先ほど申し上げましたように、ジョンソン米副大統領は、現に東南アジア訪問の旅行中でありまして、その使命はきわめて重大であるといわれております。五月五日の記者会見において、ケネディ大統領は、私はこの旅行をきわめて重要なる任務とみなしており、帰国後ジョンソン副大統領からなまの報告を受けるのを心待ちにしておる、こう言っておるのであります。キューバの問題、ラオスの問題等、このところ黒星続きといわれるケネディ外交が、何らかの起死回生の手段をねらっているだろうことは、南ベトナムにおける軍事援助を約した共同コミュニケによっても表われていると思うのであります。こういう空気の中で池田首相は訪米されるのでありまして、池田訪米によって何を持ってくるか、国民は少なからざる不安にかられておると思うのであります。うっかり乗り込んでワシントンからとんだものを背負わされては困る、ミイラ取りがミイラになっては困ると国民は危惧しておるのであります。その一方、しかし国民としては、池田首相がせっかく訪米されるならば、ぜひこれだけのことはやってきてもらいたいという希望を持っております。その複雑なる気持、この国民の気持を池田首相はどう判断されておるか。私は、この国民の気持の理解の上に立って訪米をするならば、訪米をするという、その池田首相の所信を一つ承りたいと思うのであります。
 まず率直に承りたいと思うのでありますが、今回の池田首相の訪米の主たる目的は何でありますか、何を目的として、何を意図して訪米されるのか、これを国民の前に明らかにしていただきたいと思うのであります。巷間伝えられるところによると、新防衛計画の策定であるとか、あるいはこれに対する米国の援助の要請であるとか、あるいは東南アジアに対する日本の協力義務の問題であるとか、こういうことが主要な任務の一つであるといわれておりまするが、これはどうでありまするか。われわれは、かかることはあり得ないことを望むのでありまするが、池田総理に率直に池田総理訪米の目的、意図、これはどういうところにあるのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
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池田勇人#23
○池田(勇)国務大臣 昨年暮れの大統領選挙によりまして新しくケネディ政権が成立いたしました。従いましてわれわれといたしましては自由国家群の一員として、自由国家の諸国と常に緊密な連絡と申しますか、意思の疎通をはかる必要があることは当然であります。そういう場合におきまして新政権ができ上がったので、私はケネディ並びに米国政府の要人とひざを交えて自分の所信あるいは世界情勢に対する彼らの考え方を話し合うということが目的であるのであります。従いまして今どういう問題について所信を聞くか、またこちらから話すかということは、ただいま検討中でございます。アイテムはまだきまっておりません。
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河野密#24
○河野(密)委員 この訪米はアメリカ側の要請によるものでありますか、それとも日本側の申し入れによるものでありますか。
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池田勇人#25
○池田(勇)国務大臣 アメリカ側から来られたらどうかという内意がございまして、私も行ってみたいという気持があったのであります。
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河野密#26
○河野(密)委員 アメリカ側の要請によって行かれる、そういうことでありますから、私たちは国際情勢のこの微妙な中において、今すぐ行くことがはたして日本のために得策であるかどうであるかということを懸念いたしまするが、これはアメリカ側の要請であるとすれば、この日程等は変更は絶対にでき得ないものである、こう考えられますか。
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池田勇人#27
○池田(勇)国務大臣 初めはもう少し早かったのであります。しかし国会その他のことを考えまして六月の下旬ということにいたしました。私は日程を変える気持はございません。
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河野密#28
○河野(密)委員 次にお尋ね申し上げまするが、今総理大臣の御説明によりますると、アメリカ側の要請によって、日本もそういう気持があるから渡りに船と乗ったのである、しかし行くについて会談のどういう題目を選ぶかということはまだ決定をしておらないのだ、こういうお話でございます。ただ世界情勢に対して理解を深めるのだ、あるいは両国間の緊密なる関係を強めるのだ、あるいは経済問題についてお互いに話し合うのだというようなばく然たるものであってはならないし、そういうものであり得ないと思うのであります。少なくとも池田総理の今回の訪米については、私はアメリカ側においても相当の用意をして待っておるであろうし、日本側としても私はこの会談に臨むには相当な決意を持って臨まなければならない問題であろうと思うのでありまして、そこで池田総理にお尋ねをいたすのでありまするが、単なるそういうおざなりな、月並みなことでなくして、具体的に中国問題について隔意のない話し合いをする必要があると思うのであります。これは当然池田総理は中国問題についてお話しになるはずだと思うが、これはどうでありますか。
 それから第二に沖繩、小笠原の施政権返還の問題、これは当然日本側としてこれを要求すべき筋合いになっておると思うのでありますが、これはどうでありますか。
 また第三番目に外交政策の基本方針というものについて話し合うべき筋合いであると思うのであります。特にこれは最近アジアの情勢が非常にこんとんといたしております。先ほどお聞きになりましたように朝鮮において新しくクーデターが起こったという事態がある。そういう事態の中においてわれわれが顕著に見受けられることは、中立を要望する声というものが一面において高まっておるのでありますが、こういう問題について当然これは会談の中に取り入れるべきものと思うのでありますが、総理はどういうふうにお考えになりますか。
 中国問題について隔意のない話し合いをする用意がありますか。小笠原、沖繩の施政権の返還を要求する用意を持っておるか。あるいは中立政策について話し合いをする、外交の基本政策について話し合いをする考えを持っておるかということを承りたいと思います。
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池田勇人#29
○池田(勇)国務大臣 先ほど申し上げましたごとく、ただいま問題をはっきりきめておりません。しかしお話しのような点は、わが国にとりましても、またアメリカにおきましても重要な問題でございまするから、そういう方面にまで話はいくのではないかと思って、そういう問題につきまして検討を加えておるのであります。
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