羽田武嗣郎の発言 (予算委員会第二分科会)

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○羽田分科員 私といたしましては、去る二月五日に日教組本部の小林委員長以下三十四名の諸君が日本社会党に集団入党したことは、日教組ばかりではなく、各方面に非常に強い反響を与えておると思うんです。ちょうど朝日新聞の投書欄の「声」というところに「教師の任務と教育の中立性」と題して東京の中学校校長の阿川昔という方が投書をしておるのでありますから、この反響の一つとして読み上げたいと思うのでございます。
  校長になって十一年、しみじみ思うことは教師として学級をもっていたときの楽しさである。いまでもつとめて補教に出るようにしているが、校長と生徒とではその親近感がまるでちがう。
  私の長い経験からいって、教師の生徒に及ぼす感化力は、おどろくほど大きい。生徒の教科に対する興味は、その担任に対する好悪感に左右され勝ちである。自分の親愛する先生の授業には熱心になるが、自分のきらいな先生の授業にはそっぽを向く。
  教師の何気ない一言が、生徒に強い刺激と反応を与える。教師は教壇での一言一行に十分慎重にしなければならない。
 学校にはそれぞれ校風があるが、学級にもそれぞれのふんいきと色彩がある。それは如実に担任教師の性格・熱意・指導力を反映している。担任にその人を得るか得ないかは、その学校の生命となる。だから教師はその責任の重大さを考え、教師たるの本務をおろそかにしてはならない。
  教師も労働者であるという考えはよいとしても、こうした感化力を持つ教師の任務を一刻も忘れてはなるまい。組合員という意識の前に、教師たる本務の重大さを十分自覚する必要があろう。
  小林委員長以下、日教組幹部が社会党に入党したので、今後日教組の動向が社会党的になることは必然であろう。しかし組合員である教師のすべてが社会党的な意向で生徒を指導したら問題である。
  信仰は個人の自由であるし、入党もまた個人の権利である。しかし一方に偏向した人が、真に中正な意見を述べることができるであろうか。安保反対・勤評反対を熱心に唱える教師が、まさか教壇でもその考えを述べたとは思わないが、その人の担任する生徒が、先生と同一意見でないという事実を私は知っている。すぐれた教師であればあるほど、先生の考え方、見方が生徒に強く影響してゆくのである。
  教師が教育の中正を守るためには、特定の政党や宗教にははいらないことが、いちばん正しい道ではないかと思う。
 まあ、こういうただいま読み上げたような阿川校長の意見のように教師個人がどの政党を支持しようともそれは自由でありますが、日教組五十万の組織員に絶対的な影響力を持ったこれら中央幹部の集団入党は、教育の中立性を侵すゆゆしい重大事と考えておりますが、これに対しては文部大臣はどういう御所見を持っていらっしゃいますか。

発言情報

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発言者: 羽田武嗣郎

speaker_id: 17595

日付: 1961-02-28

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第二分科会