小坂善太郎の発言 (外務委員会)
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○国務大臣(小坂善太郎君) ただいま議題となりました通商に関する日本国とキューバ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
政府は、キューバの対日差別関税廃止及び戦後におけるキューバとの片貿易是正のため、機会あるごとにキューバとの通商協定締結に努力して参りましたが、昭和三十五年四月ラウール・セペーロ・ポニーリァ商務大臣を首席代表とするキューバ代表団が通商交渉のため来日いたしましたので、これと交渉を行ないました結果、妥結をみまして、同月二十二日東京におきまして署名を行なった次第であります。
この協定の内容は、関税、輸出入規制、出入国、滞在及び事業活動に対する最恵国待遇並びに船舶に対する内国民及び最恵国待遇の規定を骨子としておりまして、日本が戦後締結いたしましたインド、マラヤ等との協定に類似しております。
この協定の締結により、両国間の通商関係は安定した基礎の上に発展するものと期待されます。
よって、以上申し上げました利益を考慮し、また、キューバ側におきましては、すでに昨年五月十九日に批准済みでありますので、この協定の効力発生のため、わが国も必要な手続をできるだけ早急にとりたいと存じ、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。
次に、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
フィリピン共和国とわが国との国交関係は、御承知の通り、昭和三十一年七月二十三日にサン・フランシスコ平和条約が両国間に発効することにより正常化をみるに至ったわけであります。それ以来政府は、両国間の貿易、通商関係を長期かつ安定した基礎に置くため、機会あるごとに通商航海条約の締結交渉の早期開始をフィリピン共和国政府に申し入れてきたのでありますが、フィリピンの対日感情も年とともに好転し、また、近年における両国間の通商関係の進展をみて、フィリピン政府も次第にわが国との通商航海条約締結の必要性を認識するに至りましたので、一昨年六月、日本側の条約草案を先方に提示して交渉開始を正式に申し入れた結果、昭和三十五年二月から交渉が開始され、約十カ月の折衝の後十二月初旬案文につき合意をみて、十二月九日この条約及び議定書の署名調印をみた次第であります。
この条約の内容は、入国、滞在、出訴権、財産権、内国課税、事業及び職業活動、為替管理、輸出入制限、関税、海運等の事項につき最恵国待遇を相互に許与することをその骨子としております。
戦後わが国は、東南アジア諸国のうち、インド及びマラヤ連邦と通商協定を締結しておりますが、友好通商航海条約としてはフィリピンとの間の本条約が最初のものであり、また、フィリピン共和国にとりましては、独立後外国と締結する最初の友好通商航海条約でありまして、その歴史的な意義は深いものがあると思われます。
この条約により入国、滞在、事業活動等の面において、両国間の関係が正常化するとともに、わが国の東南アジア貿易中重要な地位を占めている対比通商関係が円滑な発展を遂げるものと期待される次第であります。
よって、この条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上、本件につき、すみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。
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