宇ノ沢智雄の発言 (決算委員会)
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○説明員(宇ノ沢智雄君) 三十三年度の農林省所管の検査報告について、御説明いたします。
検査報告五十二ページの一般会計の部から申し上げたいと思います。
まず、工事の関係の検査について申し上げますと、三十三年度中に国が直轄で施行いたしましたものにつきましては、総工事個所百八十六カ所、総工事費百九億八千二百余万円のうち、三十五工事、金額にいたしまして八十億千六百万円について検査をいたしました。
それから都道府県に代行させました分につきましては、工事個所四百五十八カ所、工事費にいたしまして十九億六千余万円のうち、七十四工事、金額にいたしまして五億三千六百余万円について検査を実施いたしました。
その結果は、当局の工事に対します監督の強化、さらに的確な検収が行なわれておりまして、工事自体に対します出来方などにつきましては、特に不当として指摘すべき事項はございませんでした。
なお、三十二年度の検査報告に掲げました工事の施行実施にあたりまして、経費の配分が総花的になっており、従いまして、総体として事業の完了がおくれており、予算が効率的に使用されていないという点につきましても、改善の努力が見られますが、なお、こうした点については、今後とも本院として検討を続けて参りたいと考えており出す。
工事関係の指摘事項としましては、五十二ページの百九十六号に掲げてございますように、仙台農地事務局で、岩手県に代行施行させました開拓道路についての案件が一つだけでございます。
本件は、町道の改修工事を施行したものでございますが、工事の内容を見てみますと、既存の町道の一部を拡幅改修したもので、この町道は改修前にありましても、主としてその周辺にございます既存の農家百三十六戸の営農及び町有林千八百十町歩から切り出される木材の搬出等、あわせて氷内、石鍋両開拓地に二十三年度までに入植しました四十四戸の開拓農家の営農並びに酪農経営に利用されてきておったものでございまして、工事施行前の現地は、本件工事の設計に際しての横断図及び本件道路と接続しておりまする林道の現況から見ましても、幅員は三メートル程度のもので、格別使用に支障があったものとは認められない次第でございまして、かような道路の拡幅工事を、全額国費負担の開拓事業費で行なう必要はなかったものと認められるという趣旨の案件でございます。
次は物件で、これは五十三ページの百九十七号の国有財産の管理当を得ないものでございますが、本件は、農林省所管の一般会計に属します行政財産のうち、農林本省分ほか都内所在の十カ所の機関で管理しておりまする財産——台帳価格にいたしまして二十九億六千余万円のものにつきましての管理の適否を実地に検査いたしましたところ、行政財産が長期にわたりまして目的通りに使用されないで、民間の団体などに無償で貸付されているという案件でございまして、中にはこのような状態が引き続いて十数年にわたっておるものもございまして、新しい国有財産法の施行後は、本件のような使用または貸付状況にあるものについては、このような取り扱いを認めることは妥当な処置ではございませんので、こうした事項につきましては、早急に成親の手続をとることが必要であるという趣旨でございます。
次は、補助金について申し上げます。公共事業関係の補助金の経理につきましては、従来に引き続いて、三十四年度中、その経理及び工事施行の状況について、全国の工事現場三万一千四百二十二カ所のうち、北海道ほか三十六都府県につきまして、その八・四%に相当いたしまする二千六百六十カ所、工事費にいたしまして百六十七億八千六百余万円について検査を実施いたしましたが、前年に引き続いて関係当局の指導監督が強化され、当局の竣工検査におきましても、千余の工事につきまして、約二億円相当の手直し及び減額処置を講じて、その是正をはかっておるような次第でございまして、事業主体の自覚と相まって、前年に比べ、事態はさらに一層改善の跡が顕著でございます。
不正事項として指摘しましたものは、前年の二百二十四件、七千百三十五万二千余円に比べますと、本年度は六十三件、金額にしまして二千八十一万四千円と、件数、金額ともに減少しておるようなわけでございます。しかしながら、なお設計に比べまして、工事量が不足していたり、事業主体が、正当な自己負担をしていないものなど、例年指摘しておるような事態が依然として見受けられるような次第でございます。
なお、災害復旧工事の査定を了しまして、主務大臣から事業主体に対して、事業費の確定通知をいたしましたものに対しまする、いわゆる早期検査につきましては、これも前年に引き続いて、三十三年度発生災害について、復旧事業費の比較的多かった青森ほか八県を選んで、三十四年の三月から五月までの間に、三千百四十五工事、金額にいたしまして三十三億余円について検査を実施いたしました。その結果、これについても、当局が現地査定を強化されましたことなどによりまして、本院の検査による指摘件数も、前年に比べまして著しく減少し、改善の跡がうかがわれる次第でございます。
しこうして、検査の結果、修正減額を要するものとして、当局に注意いたし、減額是正されたものは五百四十二工事、八千四百余万円、国庫補助金にいたしまして、六千百六十余万円となっております。
次に、公共事業関係を除きました一般補助について申し上げますと、三十二年度における農林省所管の一般補助事業につきましては、農山漁村建設総合施設費補助金ほか二十二費目に限定いたしまして、特に補助事業の実施が全国的に広範で、かつ補助金交付額が多額でございます。農山漁村建設総合施設費補助金に重点を置きまして、全国の事業実施地域二千一カ所のうち、北海道ほか二十都府県までの百一地域を選んで、これら地域内の事業施行者に交付されました国庫補助金三億二千余万円につきまして検査を行ないますと同時に、これら二十一都府県下の市町村の一部とそれから各種組合に交付されました小団地開発整備費補助金ほか十八費目の補助金、金額にいたしまして一億二千五百余万円でございますが、それと、さらに北海道ほか五都県下の農業協同組合等に交付されました農業災害復旧利子補給補助金ほか二費目、金額にいたしまして六百七十余万円についても検査を行ないましたが、この結果不当事項として指摘しましたものは、前年の二百九十八件に比べまして、本年度は六十件に減少いたしております。これは検査件数が前年の二千三百五十件に対しまして、本年度は千三百二十五件に減少したことにもよりまするが、検査件数に対しまする指摘率が前年度二・六%に対しまして、本年は〇・六%に低下しておりますることから見ましても、これにつきましても、事業主体の自覚と、当局の指導監督の強化により、事業の実施にあたり改善の跡が顕著であるということが言えると思います。
次は、特別会計について申し上げます。
まず食糧管理特別会計につきまして、食糧庁及び三十食糧事務所につき実地検査を行ないましたが、この結果は食糧買い入れ、売り渡し、運送及び特別会計の経理自体については、特に指摘すべき事項はございませんでしたが、食糧の保管にあたりまして、検査報告の六十二ページに掲げてございますように、多量の米麦の亡失をきたし、多額の国損を生じたままになっている事態が、それぞれ青森、千葉、埼玉の各食糧事務所においてございます。これらは直接の原因は、保管業者等による不信行為によることはもちろんでございまするが、これら食糧事務所における担当官の寄託食糧の入出庫時における現品の確認とかあるいは業者の保管、管理に対する指導及び監督あるいは在庫数量の常時確認の処置が十分でなかったことにもよるものと認められます。
次に、農業共済再保険特別会計について申し上げます。
本特別会計の事業につきましては、三十四年度におきましても、共済金は組合員に正当に支払われているかどうか、保険金の請求に際し被害の評価及び府県農業共済組合連合会への報告は、事実に即して行なわれているかどうかということなどにつきまして、水稲及び蚕繭の被害の比較的多かった福島ほか八県の百四十七農業共済組合の共済金の十億千七百余万円の経理につきまして調査を行ないましたところ、共済金の経理当を得ないと認められるものが六十九組合、金額にいたしまして、三億七千四百余万円でございまして、その不当経理の態様を示しますと、六十四ページの表のような状態となっておりまして、従来から数多く見受けられた事例が、依然として跡を断たないような状態でございます。
次に、自作農創設特別措置特別会計につきましては、この特別会計が持っております三十三年の末現在の未墾地、既墾地その他のうち、ごく一部を検査いたしましたが、この特別会計の財産は、いずれも自作農創設の目的で取得した財産で処分未済となっておるものでございますが、三十四年度中これらの財産管理及び農地対価等の徴収状況に重点を置いて、おおむね各農地事務局管内から一つの県を選びまして、北海道ほか大県につき調査を行ないましたところ、六十七ページに掲げてありますように財産の管理、本会計の経理が適切を欠いているものと認められる事態がございました。
次に、国有林野事業特別会計について申し上げます。
本会計の事業につきましては、検査の重点を立木及び素材の売り渡し価格、あるいは売り渡し方法の妥当性並ぶに林道工事の施行につきまして、十四営林局七十二営林署の検査を行ないましたが、特に以上申し上げましたような点で、不当と指摘し得るほどの過誤は認められませんでした。特に連年予算が増加しております林道関係の工事につきましても、検査の結果は、全営林局を通じまして、局によって多少工事のできばえ等に優劣のあった程度でございまして、これらの点につきましても、特別な指摘事項は見られませんでした。指摘事項として提起いたしております二百七十号、二百七十一号は、いずれも関係職員により前渡資金を横領されたものでございますが、本件は、いずれも地方の比較的小さな部局で生じた事件でございますが、造林等の関係で、特定の職員に会計の事務の全般をまかせ切りにしておりまして、会計事務相互間といいますか、その間の牽制組織というものの運用に欠陥があったことに主たる原因があるようでございますので、こうした点につきまして、今後ともなお一そうの留意が必要かと存じます。
次に、特定土地改良工事特別会計について申し上げます。
本特別会計所属の工事につきましては、三十四年中直轄分三十九工事、金額にいたしまして六十六億二千余万円のうち、二十工事、金額にしましてうち五十六億二千八百余万円、約八四%相当額、それから代行工事分につきましては五十工事、金額九億六千余万円のうち、大工事、金額にいたしまして九千百余万円、約九%の検査を実施いたしました。その結果、工事の施行にあたりまして指摘いたしましたものは、二百七十二号と二百七十三号の二件だけでございます。
二百七十二号は、堤防盛土工事費の積算にあたりまして、この堤防工事費の原価の一部を占めます浚渫船の修理について、その検討が十分でなかったために、工事費が高価となっているものでございます。
それから次に二百七十三号は、堤防の盛土工事の施行にあたりまして、当初堤防の施工計画では二十三メートルと計画しておりましたところを、浚渫船の能力から見て、敷幅では、全敷幅にわたって一時に所定の高さに盛土することは困難であるといたしまして、堤防の法尻から十三・九メートルの個所に九十センチメートルの間隔で支柱を設けまして、これに松板を建て込んだものでございますが、盛土の敷幅を縮小することの当否の検討の決定が、もう少し早期に行なって工事に着手いたしましたならば、相当程度の経費が節約されたのではないかという案件でございました。
以上、簡単でございますが、説明を終わります。