田中茂穂の発言 (決算委員会)

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○政府委員(田中茂穂君) 昭和三十四年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書及び同政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに本国会に提出し、また、昭和三十四年度末における国の債権の現在額について本国会に報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 昭和三十四年度予算は、昭和三十四年三月三十一日に成立いたしました本予算と、昭和三十四年四月八日及び同年十一月二十六日並びに昭和三十五年二月十九日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。
 昭和三十四年度本予算は、わが国経済の安定的成長と質的改善をはかり、もって、国民生活の向上と雇用の増大に資することを基本としたものでありまして、この基本方針に基づき、長期にわたり通貨価値の維持と国際収支の安定を確保するため、財政の健全性を堅持することとし、一般会計の規模は、税収その他の普通歳入と経済基盤強化資金の使用とによって、支弁し得る範囲にとどめるとともに、国民生活の向上と経済基盤の充実等をはかるため、後年度における財政の健全性の保持を十分考慮しつつ、減税の実施、国民年金の創設、道路及び港湾の整備拡充並びに公立文教施設の整備充実等重要施策を推進することを重点として、編成されたものであります。
 なお、本予算成立後、国際通貨基金等に対する出資額の増額に必要な経費、伊勢湾台風による災害の復旧に必要な経費等について、予算補正を行なったのであります。
 昭和三十四年度における経済成長の実績は、予期以上に目ざましい上昇を遂げたのであります。すなわち、国民総生産は十二兆五千二百二十四億円に達し、前年度に対して二〇・六パーセント、実質一七・七パーセントの拡大となり、鉱工業生産では同じく二九・二パーセント、輸出は通関において二四・八パーセントの伸びを示し、雇用情勢も好転をみせる一方、物価もおおむね安定し、昭和三十四年度末の外貨準備高も十三億六千百万ドルに達するに至ったのであります。
 以下、決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきましては歳入の決算額は一兆五千九百七十二億円余、歳出の決算額は一兆四千九百五十億円余でありまして、歳入歳出を差し引きますと千二十一億円余の剰余を生ずる計算であります。
 この剰余金から昭和三十五年度に繰り越しました歳出の財源に充てなければならない金額三百四十一億円余及び前年度までの剰余金の使用残額百六十八億円余を差し引きますと、五百十二億円余が昭和三十四年度に新たに生じた純剰余金となるのであります。
 なお、右の剰余金千二十一億円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち昭和三十五年度の歳入に繰り入れ済みであります。しかして、そのうち、昭和三十四年度に新たに生じました純剰余金五百十二億円余から、歳入歳出決算上の剰余金の計算の臨時特例に関する政令の規定によって、地方交付税及び道路整備事業費の財源に充てられることとなる額七十三億円余を控除した、残額四百三十八億円余の二分の一を下らない額に相当する金額につきましては、財政法第六条の規定によりまして、公債又は借入金の償還財源に充てられるものであります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額一兆五千百二十億円余に比べて八百五十一億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和三十三年度剰余金の受け入れが予算額に比べて四百十七億円余を増加しておりますので、これを差し引きますと純然たる昭和三十四年度歳入の増加額は四百三十四億円余となるのであります。そのおもな内訳は租税及印紙収入における増加額三百四十八億円余、専売納付金における増加額三十五億円余、官業益金及官業収入における増加額六億円余、政府資産整理収入における増加額十五億円余、雑収入における増加額二十八億円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額一兆五千百二十億円余に、昭和三十三年度一般会計からの繰越額二百四十八億円余を加えました予算現額一兆五千三百六十九億円余から、支出済額一兆四千九百五十億円余を差し引きますと、その差額は四百十九億円余でありまして、そのうち翌年度に繰り越しました額は前述のとおり三百四十一億円余、不用額は七十八億円余となっております。
 右の翌年度への繰越額のうち、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ国会の議決を経、これに基づいて翌年度へ繰り越しました金額は三百二十四億円余でありまして、その内訳のおもなものは、旧軍人遺族等恩給費につきまして、支給事務の処理にあたり軍歴及び死亡事実の調査確認等に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったもの、防衛本庁、施設整備費等につきまして、調達計画の調整、アメリカ合衆国軍からの供与品の引渡等に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったもの、防衛支出金につきまして、アメリカ合衆国軍との交渉に不測の日数を要したこと及び気象の関係、設計の変更等により工事の施行に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。
 財政法第四十二条ただし書の規定により、避けがたい事故のため翌年度へ繰り越しました金額は十二億円余でありまして、その内訳のおもなものは、防衛本庁で機械及び部品の製作等に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものであります。
 財政法第四十三条の二第一項の規定により、継続費の年割額を繰り越しました金額は四億円余でありまして、これは、潜水艦建造費、昭和三十三年度甲型警備艦建造費及び昭和三十四年度乙型警備艦建造費でありまして、建造工程、需品調達等が遅延したため年度内に支出を終わらなかったものであります。
 次に不用額でありますが、その内訳のおもなものは、総理本府の文官等恩給費につきまして、一時恩給受給者が予定より少なかったこと等のため不用となったもの五億円余、大蔵本省の国債費につきまして、国債利子の支払いが予定に達しなかったこと等のため、国債整理基金特別会計へ繰入を要することが少なかったことにより、不用となったもの六億円余であります。
 次に、予備費でありますが、昭和三十四年度一般会計における予備費の予算額は百六十億円でありますが、その使用総額は百五十九億円余であります。そのうち昭和三十四年十二月までの使用額八十三億円余につきましては、すでに第三十四回国会におきまして御承諾をいただいております。
 また、昭和三十五年一月から同年三月までの使用額七十六億円余は、本国会に別途提出いたします予備費使用承諾案について御審議をいただきますので、その費途及び金額につきましては説明を省略させていただきます。
 次に一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。
 財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は三百七十二億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は三百九億円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額四百十二億円余を加え、昭和三十四年度中に支出その他の理由によって、債務が消滅いたしました額二百三十八億円余を差し引きました金額四百八十四億円余が、翌年度以降に繰り越されたこととなります。
 財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は三十億円でありますが、本年度実際に負担いたしました債務額はございません。また、既往年度からの繰越債務額二千万円余は本年度支出によって、その全額が消滅いたしました。
 次に昭和三十四年度特別会計の決算でありますが、これにつきましてはそれぞれの決算書によって御了承願いたいと思います。なお、同年度における特別会計の数は四十でありまして、これら特別会計の歳入決算総額は三兆四千百十九億円余、歳出決算総額は三兆九百六十三億円余であります。
 次に、昭和三十四年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、この資金への収納済額は一兆二千三百八十六億円余でありまして、この資金からの支払命令済額及び歳入への組入額は一兆二千三百四十三億円余でありますので、四十二億円余が昭和三十四年度末の資金残額となるのであります。これは主として国税にかかる還付金の支払決定済支払命令未済のものであります。
 次に昭和三十四年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。また、その他の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 次に国の債権の現在額についてでありますが、昭和三十四年度末における国の債権の総額は二兆二千八百五十四億円余でありまして、その内訳の詳細につきましては昭和三十四年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 以上、昭和三十四年度一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算等につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。
 なお、昭和三十四年度の予算の執行につきましては、財政と金融との一体的運用について考慮を払うとともに、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いて参ったのでありますが、なお、会計検査院から不当事項につきましては百六十八件、是正事項につきましては百二十四件に上る御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないととろであります。これにつきましては、今後一そう経理の改善に努力を傾注いたしたい所存であります。何とぞ御審議のほどお願いいたします。
 次にただいま議題となりました日本専売公社の昭和三十四年度決算について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和三十四年度の事業概況を御説明申し上げますと、
 一、たばこ事業におきましては、葉たばこの購入は、数量十三万四千四百六十九トン余、金額三百九十六億円余でありまして、予定に比べますと、内地産業たばこの台風・雹害等による減収等のため数量で三千四百二トン余、金額で三億円余減少しております。たばこの製造数量は千百九十八億本余で、予定に比べますと六十四億本余増加しておりまして、その販売数量は千百七十八億本余、金額二千五百九十八億円余で、予定に比べ数量で五十一億本余、金額で百四十八億円余増加しております。
 二、塩事業におきましては、塩の購入数量は国内塩百十二万トン余輸入塩二百五万トン余(うちソーダ用塩百九十二万トン余)計三百十七万トン余、金額百九十七億円余でありまして、予定に比べますと、数量では二十万トン余増加しておりますが、金額では輸入価格が予定より低下したこと等により三億円余減少しております。塩の販売数量は三百十二万トン余(うちソーダ用塩二百八万トン余)、金額二百十七億円余でありまして、予定に比べますと、数量では十四万トン余増加しておりますが、金額では、ソーダ用塩の売渡価格が輸入価格の低下に伴って予定より安くなったこと等により十七億円余減少しております。なお、昭和三十四年度におきましては、塩事業の合理化をはかるため、塩業整備臨時措置法に基づいて塩業整理を実施しております。
 三、ショウノウ事業におきましては、ショウノウの購入数量は三千三百七十四トン余、金額六億円余でありまして、予定に比べますと七十四トン余、一千万円余増加しております。またその販売数量は三千四百十トン余、金額七億円余でありまして、予定に比べますと、数量では七十五トン余増加しておりますが、金額では輸出用特別価格で売渡した数量が多かったため九百万円余の減少となっております。
 以下、決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。まず、収入支出決算について御説明申し上げます。
 昭和三十四年度における収入済額は二千八百四十四億円余、支出済額は千六百二十一億円余でありまして、収入が支出を超過すること千二百二十三億円余であります。また、昭和三十四年度の総収益二千八百四十六億円余から総損失千五百九十三億円余を控除した純利益は、千二百五十二億円余でありまして、日本専売公社法第四十三条の十三第二項の規定により積み立てる固定資産及び無形資産の増加額一億円余を控除して算出した専売納付金、千二百五十一億円余でありますが、これは、その予定額千百九十七億円余と比べますと、五十三億円余の増加となっております。
 以下、これを収入支出の部に分けて御説明いたします。まず、収入の部におきましては、収入済額は、二千八百四十四億円余でありますが、これは、収入予算額二千七百十五億円余に対して百二十八億円余の増加となっております。なお、この増加は、たばこ事業収入におきまして、製造たばこ売払代が予定以上に達したこと等のため百四十七億円余を増加した反面、塩事業におきましては、塩の売渡高が予定に達しなかったこと等のため十八億円余を減少し、ショウノウ事業におきましては、ショウノウの売渡高が予定に達しなかったこと等のため、二千万円余を減少したことによるものであります。
 一方、支出の部におきましては、支出予算現額は、支出予算額千五百八十億円余に、前年度繰越額四十四億円余、予算総則第五条の規定により使用額二十九億円余、日本専売公社法第四十三条の二十二第二項の規定による使用額二億円余を加えた千六百五十七億円余でありますが、支出済額は千六百二十一億円余でありますので、差引三十五億円余の差額を生じました。この差額のうち翌年度に繰り越した額は三十五億円余、不用となった額は三千万円余であります。
 なお、昭和三十四年度において、日本専売公社法第三十六条第二項の規定により予備費を使用した額は、給与支払いのため二億円余、塩業整理交付金支払いのため九億円余、固定資産取得のため一億円余、合計十三億円、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予算を流用した経費の額は、塩業整理交付金の所要が増加したため、たばこ事業費及び塩事業費から、塩業整理交付金に流用した額二十三億円余、超過勤務手当及び期末手当の所要が増加したため、扶養手当から超過勤務手当に流用した額千万円余、期末手当に流用した額九百万円余、合計二十三億円余であります。
 また、昭和三十四年度において、予算総則第五条の規定により使用した額は、給与支払いのため八千万円余、たばこ消費税支払いのため二十八億円余、合計二十九億円余、日本専売公社法第四十三条の二十二第二項の規定により使用した額は、業績賞与支払いのため二億円余であります。
 次に債務に関する計算について御説明申し上げます。日本専売公社法第三十五条第一項の規定に基づく昭和三十四年度の債務負担行為の限度額は、塩事業費において三十五億円、交付金において八十七億円、合計百二十二億円でありますが、実際に負担した債務額は、塩事業費において十八億円余、塩業整理交付金において七十二億円余、合計九十億円余であります。次に、日本専売公社法第三十五条第二項の規定に基づく昭和三十四年度の債務負担行為の限度額は、一億円でありますが、実際に負担した債務額はありません。また、日本専売公社法第四十三条の十四第二項の規定に基づく昭和三十四年度の短期借入金の最高限度額は、九百六十億円でありますが、実際に借り入れた額は、六百八十億円であり、これは昭和三十四年度内に償還し、翌年度に繰り越した債務額はありません。
 なお、昭和三十四年度の日本専売公社の決算につきまして、会計検査院から、不当事項として指摘を受けたものが一件ありましたことは、はなはだ遺憾でありますが、この種事故の根絶につきましては将来十分注意いたす所存であります。
 以上が昭和三十四年度の日本専売公社の決算の概要であります。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。

発言情報

speech_id: 103814103X02519610515_007

発言者: 田中茂穂

speaker_id: 5058

日付: 1961-05-15

院: 参議院

会議名: 決算委員会