田中一の発言 (建設委員会)

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○田中一君 まだあなた自身の頭の切りかえがないわけです。十年前に土地収用法という法律ができた。国民はこれに従うのです。国民はこれに従うべきなんです。また、従うつもりを持っております。今日の日本の国は立憲国です。法律を知らないからといって守らなければ罰せられます。ことに、今日の大体の諸立法というものは、人民主権という立場に立って立案されているのが多いのです。たまには与党の諸君、じゃない、政府から妙な法律も出ますけれども、大体において国民の権利を中心に考えられている立法のみなんです。従って、あなた自身が、国民の理解とか国民に対するPRとかいうことは、あとの問題なんです。収用法によって収用委員会に一切まかせて、補償の問題その他の問題を全部やってもらうのだ、裁決を受けるのだという態度をとって、そこで初めて国民が理解をするのです。
 じゃ伺っておきますが、今までに東京都において一つの計画されている事業を、全面的に収用法によって行なったことがございますか、私はないと思うのです。どうもあれが反対するからといって、その部分の買収行為が不調になって契約ができないで、その部分を収用委員会にかけた例は多々あると思いますが、事業そのものを全部、一つの計画を収用委員会にかけた例は私はないと思うのです。従って、あなた方は、このいい法律を使っておらないのです。使っておらなければ、どこに国民がこれに対する理解が得られるでございましょう。得られませんよ。国民が受けた印象というものは、あの人は、田中一はごねている、ごねているから、とうとう収用法にひっかかって収用委員会にやられた、こういう見方をしているのです。いいですか。あなた方自身が、また、どこまでも抵抗する者に対してのみ収用法を適用しているのが現状じゃありませんか。そういう実態において、国民の理解なんという言葉が、これはちょっと言い過ぎでございます。あなた自身の、事業の執行者の方の頭の入れかえをしなければならないのです。もし全面的に収用法によって収用委員会にゆだねて事業を遂行するならば、私どもは法律を作っている人間であり、その法律のよさ、その法律がいかに国民の権利を全面的に守っているかという事実を教え込みまして、この法律が通った暁に、特に三軒茶屋は私の地元です。喜んでこの法律のよさというものをPRして上げます。協力して上げます。しかし、そうでなくて、今まで通りの買収行為、これも一面必要であると思います。全面的に収用委員会にゆだねて・そうして後に、そうした裁決を経ないでも、買収によって話がきまる場合もあると思います。これは好ましいと思います。その場合には、収用委員会にゆだねたものと同じような数々の特例というものも、これは認めてやりながら行なうことが必要だと思うのですよ。現に東京都は一ぺんだって一つの事業計画に対して全面的に収用委員会にゆだねてもらった例がないじゃありませんか。あるなら一つ説明して下さい。私はあなたの頭こそ強い理解を持たせなければならぬと思うのです、この法律に対する。もう一ぺん伺います、重ねて。

発言情報

speech_id: 103814149X02019610413_008

発言者: 田中一

speaker_id: 27021

日付: 1961-04-13

院: 参議院

会議名: 建設委員会