福田繁の発言 (地方行政委員会)
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○説明員(福田繁君) お手元に差し上げております「昭和三十六年梅雨前線豪雨による文教関係被害および対策」という資料がございます。この順序に従いまして、まず被害の概況、それに伴いまして当面とりました措置、あるいは今後検討中の事項について、簡単に御説明申し上げたいと思います。
まず、被害の概況でございますが、児童生徒、教職員の被害についてでございます。これは次のページの別紙1、人的被害という横に織り込んでいる数字をごらんいただきました方が早いと思いますが、茨城、神奈川、長野、静岡、愛知、三重、兵庫、以上の県につきまして、児童生徒の死亡が四十四名、行方不明が四名、負傷が十三名、合計いたしまして六十一名となっております。今回の災害で特に人的な被害がかなり多かったというのが一つの特徴のようでございます。ここにも書いてございますが、死亡者のうち一名は通学途上水死しておりますが、授業中学校で死亡したのではなく、大部分は家庭で、家庭の方の災害によって死亡したというようなことになっておるようでございます。教職員が死亡したのは二名でございます。それから教職員の方は、下の表を見ていただきますと、相当住宅の方をやられている教職員が多うございまして、現在までに判明いたしておりますのが、合計いたしまして五千百九十三名でございます。
それから次に物的被害で、ございますが、これも別紙2の横に折り込んだ表を見ていただきますと、その方がよくわかると思いますが、左側の欄が幼稚園、小学校、中学校等でございます。右側の欄が高等学校の被害でございます。最後に合計額が出ておりますが、福島、茨城、千葉、神奈川、山梨、長野、富山、石川、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、兵庫、和歌山、島根、岡山、徳島、こういうように非常に広範囲に被害が生じております。この中で現在までにわかっておりますのでは、長野の一億四千九百七十万七千円というのが最高でございます。大体四千万円以上の被害を見ますと、岐阜県の四千五百六十八万円、静岡の四千六百四十七万八千円、それから次のページになりますが、愛知の四千九百九十九万三千円、それから兵庫の四千七百三十九万一千円、大体そういうところが大きなところでございます。合計いたしまして公立学校だけの被害のトータルが四億一千九百二十万六千円、こういうようになっておりますが、今回の被害の特徴と申しますか、広域にわたっておりますが、特に土地工作物の被害がこの中での割合としては大きゅうございます。合計いたしますと、小中学校等におきまして一億四千九百九万三千円、高等学校におきまして七千百十八万三千円、こういうような数字になっておりますのは、洪水によって校地が押し流され、あるいは決壊したというような状況でございます。
それから他の省の御報告の中にもございましたように、小災害がかなり多いようでございます。これらにつきましては、まだ一応の調査でございまして、今後この被害の額の確定等をいたさなければならないと考えております。
それから国立学校関係でございますが、別紙3に書いてありますように、八大学について、ごく軽微でございますが、合計で二千四百六十五万五千円という被害でございます。
それから私立学校の施設でございますが、これも別紙3の(3)に書いてございますが、神奈川、静岡、兵庫について被害がございます。この中で特に兵庫県——神戸市でございますが、神戸市内の高等学校数校について、これはがけくずれによる被害でございます。計約三千六百五十三万円、合計いたしまして四千七十七万六千円、そういうようになっております。
それから社会教育施設につきましても約一千四百六十七万円程度の被害がございました。公民館その他でございます。
それから文化財にも若干の被害がございましたが、これはそう大した被害額ではございません。
それから学校給食物資でございますが、これは神奈川、長野等におきまして若干のミルク、小麦粉が浸水をしたり、あるいは流失をしたというようなことが起こっております。
それから次に教科書関係でございますが、教科書を失った子供につきましては、現在各県の教育委員会を通じましてこれを詳細に調査いたしておりますが、まだ具体的に全体の調査が集まって参りません。で、ごく一部でございますが、岐阜県では小中学校の被災者約一万四千人の中で千五百人が教科書をなくしたと、こういうように報告が参っておりますが、その他も特に長野県等におきましては相当なくした者もあると思いますが、これは調査中でございます。
以上申し上げましたのが概要でございまして、物的被害につきましては、公立学校施設、国立学校施設、私立学校施設、社会教育施設等を全部合計いたしますと、一枚目の裏側に書いてございますように、四億九千九百五十七万七千円、これが現在までの総計でございます。
被害の額はその程度にいたしまして、次に、最後の紙に書いてございます災害対策の問題について申し上げたいと思います。
国立学校施設につきましては、これはもう従来の例によりますと、この程度の被害は予備費等によって復旧することになると思います。
それから公立学校の施設につきましては、これは先ほど申し上げましたように、一応の調査でございまして、この豪雨による被害が起こりましてから、文部省といたしましては、各関係都道府県に係官を派遣いたしまして、被害状況の把握と、県あるいは市町村の教育委員会等との連絡に努めて参ったのでございますが、公立学校の施設等につきましては、これは最終的には大蔵省との実態査定によって被害額の確定をいたしますので、そういう手続をなるべく早くやってそうして復旧に支障のないようにいたしたいというつもりで相談をいたしておるわけでございます。
それから私立学校の施設について申し上げますと、私立学校は、ごく一部分でございますけれども、割合にひどい被害を受けておるわけでございます。で、私立学校につきましては、御承知の通り、私立学校振興会の融資の中に、災害等のためによりますところの特別貸付のワクがございますので、とりあえずこの程度の被害でございますと、迅速に対策を講ずる必要から、私立学校振興会の特別融資を行ないたいと、こういうつもりで希望の向きに対してはその措置をとるように手配をいたしております。
それから次に教職員に対する措置でございますが、今回の災害のように特に家が相当やられたというようなものにつきましては、やはり教職員の共済組合による災害見舞金あるいは貸付金等を迅速に行なう必要がございますので、別紙1の下に書いてございますように、共済組合関係の見舞金を支出いたしておりますのが現在までのところ約一千五十二万八千円でございます。それから貸付金額は一千八百五十万円、支部の資金だけで足りませんので、本部から千四百五十万円という程度の資金を回送いたしまして迅速にそれらの措置をとるようにいたしたのでございます。
それから次の問題は、この災害によって学校が休校いたしておりましたので、なるべく早急に開校ができるように措置をとる必要があったのでございます。従って、もし分校等におきまして教職員が死亡したというような場合に、教員の補充等が直ちに必要になりますので、そういう該当県におきましては、そういう措置をとるように県の方ともいろいろ相談をいたしたわけでございます。
なお教科書については、災害救助法の適用地域におきますところの子供については、これは教科書、学用品の給与ができるわけでございますが、災害救助法の適用地域以外の子供につきましては、その措置ができませんので、これについて何らかの救済をする必要がありますので、先ほど申し上げましたように、この被災者の中でそういう困っている家庭等につきましては、至急調査をいたしまして、今後できるだけ早く教科書、学用品の援助をいたしたい、かように考えて、これは目下調査中でございます。
それから学校給食でございますが、これはとりあえず流失等をいたしましたミルク等につきましては、これは補充が可能でございますので、そういう措置を至急いたしました。なお被災学校等について給食物資の必要な向きについては、その手配をいたすように準備をいたしております。
それから今後の問題といたしましては、国立大学に籍を置く学生につきましては、今度の災害によって被害を相当受けたため学資に困難を来たしたというような向きにつきましては、後期分の授業料を免除するような措置を研究中でございます。公立の高等学校の生徒につきましても、同様そういう措置をとりたいというつもりで、各県に指示をいたしております。
それから被災学生等に対します育英資金の貸与等につきましても、できる限り学生の奨学資金の貸与について便宜をはかるように手はずを進めておるわけでございます。これもまだ具体的には実例は出ておりませんが、今後の問題でございます。
大体以上がおもなる事項でございますが、さしあたりの問題としては、生徒、児童の救済の措置と教職員の見舞あるいは救済、こういうような点にさしあたりの目標を置きまして、措置をいたしたわけでございます。施設その他につきましては、今後の確定を待ちまして、なるべくすみやかに復旧の措置をとりたい、かように考えているわけでございます。