大橋八郎の発言 (逓信委員会)
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○説明員(大橋八郎君) 電信事業の合理化という問題は実は、おそらく明治時代、逓信省の所管に属しておった時代から当局の頭を悩ましておった問題であると考えます。これはまず世界的にどこの国でも電信事業というものは赤字というのが、ほとんど世界の各国の実情のようであります。アメリカだけ特に会社事業として相当の改革をやって、今日では赤字でなくなっておるようであります。これが唯一のほとんど例外と申していいかと思います。そこで一方から見ますというと、電報の領域というものは、だんだん電話の拡張によって狭められるといいますか、そういう状態にありますので、自然一方からいえば、電報の赤字というものは、幾らか電話の拡張の犠牲になったような形とも言われるわけであります。といって、電信事業というものをほんとうに黒字にするためには、電信のサービスというものを相当ひどく落とすか、あるいは料金を相当程度高めなければ、なかなか電信事業だけで赤字を消すということはよほど困難なことのように今日までは考えられるのであります。先年も電電公社の中に、特に電信事業について相当専門に人をかけて、一応の案を作ったことがあるようでございます。そのときでも、全然これの赤字を消すという案は出なかった。ただ今のようにひどい赤字を出すということはいかにもおかしいじゃないかということで、ある程度まで赤字を出して、それを電話で補うということは、これはどうもやむを得ないのではなかろうか。ただ今のようなままで、一つ電報を打つと、収入の倍も経費がかかるというような一体現在の状態はどうであろうかということで、まあある程度赤字を消すという程度の案が出たようであります。しかし、いよいよこれを実行に移すということにつきましても、まだいろいろ議論があって、結局これが実行されずにあるというのが実情であります。このたびの合理化の際も同様の考慮があったのでございますが、さりとて、電報料金をひどく上げるということも、私どもとしては、これは一般の電信利用者のためにいかがであろうか、どちらかと申せば、電報というものは、電話を使うよりも、むしろ電話の利用のできないような人が使う部分が多いのでありますから、できるなら安い料金である程度の奉仕をするという考え方がやはり相当に根強く横たわっておるわけでございます。従いまして、今後電報料金の合理化をさらに私ども研究を進めまして、どの程度の一体料金を定めたらいいかということを何とかしてこれをきめなければいかぬという考え方を持っております。
なお、第三次の拡充計画の場合に、電報についてどういう考えを持っているかというお尋ねもあったようであります。これは公社になりましてから以来、電信につきましてもある程度の改良というものについて考慮いたしておりまして、これは山田先生も御承知と思いますが、電報の中継機械化の問題が取り上げられまして、今日は着々進行中でございます。ここ両三年中にはほぼ中継機械化が完成することになろうかと考えるのでありますが、この中継機械化の完成ということと、それから御承知の加入電信の制度というものが取り入れられまして、この方の需要が相当公衆から歓迎を受けておりますので、今後の拡充計画には加入電信拡充という方面に相当力を注がなければいかぬ、かように考えております。それといま一つは、専用電信というものの利用、この方は利用者にとりましても、また経営者である電電公社としても、専用線を利用していただくということが双方にこれは利益であるという考えで、この方もできるだけ今後の拡充計画については考えていかなければならぬ、かように考えておる次第であります。