田畑金光の発言 (内閣委員会)

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○田畑金光君 山陰班の報告を申し上げます。当委員会の御決定によりまして、吉江委員長をはじめ、大谷委員、田畑委員の三名は、去る七月二日より八日までの七日間、山陰地方並びに隠岐島に出張いたしました。視察先は、海上自衛隊舞鶴地方総監部、海上保安庁第八管区海上保安本部、鳥取県庁、鳥取行政監察局、島根県庁、島根行政監察局、航空自衛隊美保基地及び隠岐島における離島振興計画に基づく諸工事等でありまして、隠岐島と美保基地には、特別参加として石原委員が同行されました。
 なお、島根県においては、たまたま七月四日同地方を襲った水害の被災地である出雲市、平田市、大社町の各市町村を訪れ、お見舞をいたして参りました。
 以下、調査の概要を簡単に御報告申し上げます。
 第一に、自衛隊に関する調査でありますが、海上自衛隊舞鶴地方総監部及び航空自衛隊美保基地において、それぞれ隊務の現況並びに要望事項を聴取いたしました。まず、舞鶴地方総監部において特に問題となった点を申し上げますと、同地方隊の定員は二千二百四十三名であるにかかわらず、現員は千五百十九名で、その充足率はわずか六九%にすぎず、近年隊員の自然減耗は増加しており、一年に隊員の一割がやめていくとのことでありまして、これに対する対策の必要性を痛感している旨述べられました。
 次に、同隊においては、かねてから舞鶴湾口博奕岬に警備所設置の計画を持っており、本年六月から着工の予定にしていたところ、着工寸前、京都府知事の反対意見があって、一時延期の状態になっておるので、なるべく早く着工できるよう取り計られたい旨、また、旧厚生省引揚援護局跡の施設を利用して、ここに同隊隷下の教育隊を移転せしめる計画を持っているが、これも地元舞鶴市の工場誘致計画と競合し、その打開策に腐心しているが、円満解決に御助力いただきたい旨、また、隷下の新潟基地分遣隊の基地隊昇格につき御配慮いただきたい旨の要望が述べられました。
 なお、舞鶴においては飯野重工業株式会社に立ち寄り、同会社が引き受けている海上自衛隊艦艇の建造、修理作業の現況について説明を受け、また、同工場を見学いたしました。
 次に、航空自衛隊美保基地について申し上げます。同基地には現在輸送航空団が配置されておりますが、防衛庁では、この輸送航空団を他基地に移し、ここにF86Fの航空団を配置すべく、それがため中海に埋め立てを実施して、二千四百メートルの滑走路を新設する計画を持っております。それが本年度予算化され、いよいよ実施に踏み切る方針を定め、先般来、白浜政務次官等を派遣し、地元民の理解と協力を得るため説明会を各所に開催して参ったことは御承知の通りであります。私どもは、最初輸送航空団司令より、同部隊の沿革、任務、教育訓練、災害派遣等について説明を聞いた後、空幕監理部長より、美保基地滑走路の拡張に対する防衛庁側の意向を聴取したのであります。すなわち、地理的事情よりF86F航空団をここに配置する必要性、ロッキード生産計画などよりこの拡張実施の緊急性について、また、騒音の問題、漁業補償問題、地元の干拓計画との関係、船舶航行との関係あるいは観光の面等々より、地元の反対意見が根拠のないものである旨、るる詳しい説明がありました。この美保基地滑走路延長問題に対しては、地元では中海にある大根島島民が絶対反対を唱えているなど、なお相当反対の声があるようであります。
 私どもは、鳥取県、島根県において、知事並びに当局にこの問題に対する県側の意向をただしたのでありますが、この際便宜申し上げますと、両県とも、結論的に言って、現段階では全面的協力はできかねる。すなわち、知事として納得させるのに骨が折れるのではないかとの意見が述べられ、島根県議会の基地対策特別委員会でも、現段階では賛成できかねるので、善処方を要望するという趣旨の決議がなされているとのことであります。また、美保基地以外には適地がないという理由が弱いのではないか、滑走路を延長するにしても、埋め立てをやらずにできないか等の意見も聞かれました。私どもは美保基地において、かかる地元の意向も含め、さらによく検討されるよう要望して参りました。
 第二に、国の各種地方出先機関に関する調査について申し上げます。
 まず、鳥取行政監察局、島根行政監察局でありますが、両監察局においては、主として行政実情調査。苦情あっせん業務の概況について説明を受けました。行政実情調査は、各行政監察局が、国民生活に密着した行政上の問題を苦情あっせん業務などより自主的に発見し、これを一つ一つ解決していくという新しい行政監察の方式で昨年十月開始されたもので、これが非常に成果をあげ、国民各層より絶大な期待と感謝を寄せられているということであります。私どもは、その具体的な成果の実例につき詳しく説明を聞き、ともすればお役所主義に陥りやすい行政を末端から正していくためにも、この行政実情調査を一そう強力に推し進められるよう激励いたして参りました。一方、苦情あっせん業務も、昨年法制化されて以来、その受理件数も飛躍的に増大し、行政苦情相談協力委員制度も本年七月一日円滑にすべり出しを見たことと相待って、ますますこの業務を積極的に実施したいとのことでありました。それにつけても、この活動経費たる監察旅費が本年度相当増額されたが、まだ不十分で、巡回行政苦情相談も制約を受けているため、増額方につき、なお一そうの御助力をいただきたい旨の要望が述べられました。その他、組織の整備強化、赴任旅費の増額、行政監察職員に対する特別俸給表の設定、監察官職に対する管理職手当の支給、図書購入予算の増額等についての要望、また、鳥取行政監察局では、合同庁舎の総合的管理制度を確立していただきたい旨の要望がありました。
 次に、海上保安庁関係でありますが、その視察先は、舞鶴に所在する第八管区海上保安本部、その下部機構たる舞鶴海上保安部、境海上保安部宮津海上保安署であります。第八管区海上保安本部において特に問題となりました点は、巡視船艇の増強であります。巡視船並びに巡視艇の中には、戦時中建造の木造船等の老朽船がいまだ半数を占めるという状況で、海上保安庁においても新船建造に努力しているが、建造の予算は、防衛庁の七、八十億に対して、海上保安庁わずか六、七億という少額であり、この分でいくと新船との交代に十数年かかる見込みとのことであります。海上保安庁の使命達成には巡視船の増強が先決であると強調し、一そうの御配慮をいただきたい旨述べられました。また、同管区の警備区域に入っている竹島に話が及び、昨年十二月巡視船より見たところでは、韓国側は三十名の警備員が半カ月交代で警備しているとのことであり、なお、同管区では、韓国政変以後、密航の取り締まりには一段と注意しているとのことであります。
 その他、浜田海上保安部大社分室の設置、舞鶴海上保安部香住分室の海上保安署昇格、敦賀海上保安部三国分室の海上保安署昇格等、機構の整備、庁舎の整備等要望事項が述べられました。宮津保安署においては、同署は署長以下陸上職員三名、巡視艇一隻という配備状況で、緊急用務の際は民間から留守番を頼むという状況で、少なくとも定員八名程度、小船艇二隻に増強していただきたい。また、宮津港に専用の桟橋を設置していただきたい旨の切なる要望がなされました。
 以上が行政管理庁並びに海上保安庁関係でありますが、その他私どもは、鳥取行政監察局においては、鳥取地方公安調査局長、鳥取地方気象台長、中国地方建設局長、鳥取工事事務所長の来訪を求め、また、島根行政監察局においては、中国海運局松江支局長の来訪を求め、それぞれ当該業務の概況と、当内閣委員会に対する要望事項を聴取いたしましたので、簡単に触れておきたいと存じます。鳥取地方公安調査局長よりは、対象団体の動向及び美保基地反対闘争の現況について聴取いたしました。鳥取地方気象台長よりは、気象災害の多発より近時重要性を加えた防災業務のため、レーダー、無線ロボット雨量計等、観測器材の増強、防災面を担当する専任職員の設置について、また現在の庁舎が鳥取市の中心市街地より八キロも離れ、関係官公庁団体機関との連絡に便を欠くので、庁舎を移転していただきたい旨の要望がなされました。中国地方建設局長、鳥取工事事務所長よりは、国道二号線、二十九号線等、道路改修事業、千代川改修等、河川事業の進捗状況について聴取しましたが、同時に、過去五カ年間において一人当たりの事業費が三倍になっているので、ぜひ定員増をお願いしたい。本年度定員外職員の七割は定員化されたが、残りの三割をぜひ来年度定員化していただきたい等の要望がなされました。中国海運局松江支局長よりは、庁費関係が削減され、通信費にも事欠く事情や、現在労務官が兼任一名であるので、労務関係取り締まりに支障を来たす等、問題点の説明を受けました。
 国の各種地方出先機関に関してはこのくらいにいたしますが、ここで共通して要望されたことを申し上げますと、第一点は、現在の暫定手当が人事交流のネックとなっているので、暫定手当の本俸繰り入れを促進していただきたいということ。第二点は、公務員宿舎をもっと増設していただきたいということ、この二点でありました。
 最後に、鳥取、島根両県庁に関する調査について一括して申し上げます。両県庁においては、定数外職員の処遇問題、寒冷地手当の問題、国の地方出先機関との事務連絡上改善を要する事項等、さらに島根県庁においては、隠岐島の離島振興計画の実施状況と隔遠地手当の問題について調査いたしました。
 まず、定数外職員の処遇問題について申し上げます。御承知の通り、先般の国会において、国家行政組織法の一部を改正する法律が成立し、国家公務員に対する国の取り扱い方針が決定されましたが、これに関連して、両県庁職員に対する取り扱いをただしたのでありますが、両県庁では、昭和三十三年度より、国の定員繰り入れ率に準じて定数外職員の定数繰り入れを実施してきたが、今回の国の方針に対しては、すでにこれを予想し、準職員制度を設け、定数外職員全部に試験を実施し、その九割を準職員として、任用、給与、服務等、すべて定数内職員と同等に取り扱っているとのことでありました。さらに今後の定数化問題は、自治省の方針決定次第検討したいとの意向でした。
 次に、寒冷地手当については、鳥取県では別に問題もないとのことでしたが、島根県では支給区分に不合理なところが少なくない。多少融通性を持たしてほしい等の要望がありました。隔遠地手当については、この支給区分が僻地教育振興法に基づく教育公務員に対する僻地手当の支給区分との間に均衡を欠いているので、この是正方につき要望されました。また、国の地方出先機関との事務連絡については、おおむね円滑に行なわれており、特別に問題となるべきものはないとのことでありましたが、両県とも陸運事務所のあり方につき、県にまかしてしかるべきではないかとの意見が述べられました。
 次に、離島振興計画については、昭和二十八年離島振興法制定以来、昭和三十七年度にわたる隠岐島振興十年計画が同法に基づいて策定され、道路、港湾、電気通信、開拓、土地改良等、振興開発を行なってきたが、本年度までに計画の六〇%程度しか事業が進捗せず、あと一カ年ではとうてい達成し得ないので、この法律の効力期間を延長していただきたい旨の強い要望が述べられました。私どもは隠岐島に渡り、開拓農地などを見て参ったのでありますが、隠岐島は人口約四万、半農半漁を主体としておりますが、耕地は二戸当たり四反歩、全国平均の半分以下であり、まだ道路が非常に悪く、港湾の改良も必要とされ、その上電力も小規模の発電所に頼っている状況で、順調でない等、幾多の問題をかかえているやに見受けられました。かかる後進性を打開するためにも、本土との連絡航路が国からの補助を受けているが、赤字続きであるので、ぜひ国営にしていただきたい旨、また、同島は観光資源に恵まれ、現在国立公園の指定を運動中であるが、これに対し助力していただきたい旨等の要望が述べられました。
 日程の都合上、きわめて大急ぎで視察いたしましたので、十分にその意を尽さぬ点がありましたが、以上で調査の概略を御報告申し上げた次第であります。
 なお、以上のほか、各視察先よりこまかい資料をいただいて参り、内閣委員会調査室の方に保管させてありますので、必要がありますれば、適宜その方でごらんいただきたいと存じます。
 以上、御報告を終わります。

発言情報

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発言者: 田畑金光

speaker_id: 24201

日付: 1961-08-01

院: 参議院

会議名: 内閣委員会