坂村吉正の発言 (農林水産委員会)

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○政府委員(坂村吉正君) それでは農業協同組合合併助成法につきましての補足説明を申し上げたいと思います。
 本法案の提案理由につきましては、先般三月九日に御説明を申し上げてあるところでございまするので、こまかいことは申し上げないことにいたしたいと思いまするが、御承知のように、最近におきまする農業協同組合を取り巻きますところの経済的あるいは社会的な事情の変化、発展等を思い合わせまして、また今後の農業の近代化を強力に推進していきまするためには、農業協同組合に期待するところが非常に大きいという実情でありまするので、こういう点を考えまして、農業協同組合の合併によって、経営規模あるいは事業基盤の確立をはかる必要があるというふうに考えておるのでございまするので、こういう趣旨からいたしまして、農業協同組合の合併を促進する必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、農業協同組合の現状を申し上げますると、お手元にお配りしてありまするところの資料によりまして、「農業協同組合の現状に関する資料」というのをお配り申し上げてあるのでございまするが、これでごらんをいただきたいと思うのでございます。
 第一ページに組織といたしまして、業種別の組合がどういう工合にあるか、こういう説明資料がございます。全体で信用事業を行なう総合農協、総合単協でございまするが、これは出資組合で一万二千二百二十一という組合がございまして、信用事業を行なわない一般の農協というのが百六こういう状況でございます。そのほかに専門農協といたしましては、ここにございまするように養蚕、畜産、開拓、園芸、農工その他というふうにございまして、全体といたしましては一万七千六百四十三、こういう状況でございます。
 そこで、これが今回農業協同組合の合併助成法で対象にいたしておりまするのは、この総合農協でございます。一万二千の組合の総合農協を大体対象にしようというふうに考えておるわけでございます。
 地区別の分布の状況を見ますると、大体単協をとってみますと、郡市区域以上のものが、ここにございまするような比率でございまするが、郡市区域以上のものが総合農協では三、それから郡市未満が三一%、町村区域のものが一三%、町村未満の区域のものが五三%というような状況でございまして、一方におきまして市町村の合併がどんどん進んで参りまして、そういう関係から現存の新しい市町村の区域未満のものが大体半分以上を占めておる、こういうような状況でございます。
 それからその次の二ページでございまするが、一組合当たりの組合員数はどういう状況かというふうの資料でございまして、信用事業を行なう総合単協についてこれを見まするというと、正組合員が四百七十二戸、上の欄が出資組合でございまするので、これをごらんいただけばよろしいと思うのでございまするが、四百七十二戸、それから役員が大体一二・八人、それから職員が一二・三人、それからこのうちでいわゆる技術員と称されるものが〇・八人、大体平均一人か一人に足らないというような状況でございまして、全体の組織の規模が非常に小さいということが言えるのでございます。従いまして、そういう関係から職員あるいは技術員といいまするようなものを整備をいたすにいたしましても、なかなか十分な整備ができないというような状況に相なっておるのでございます。
 それから全体の規模をごらんいただきまするためには、四ページでございまするが、単協で、これを指標で見ますると、総合農協が正組員の数が一組合当たり大体先ほど申し上げましたように四百七十三戸でございまして、払い込み済みの出資金が四百四十五万二千円、職員が一二八人、それから事業量はここにございまするように貯金が五千五百万円、販売事業が四千八百万円、購買事業が二千百万円というような内容に相なっておるのでございます。
 さらに組合員の戸数別の分布を見ますると、五ページの上の表でございまするが、これは調査の組合が一万一千五百の組合を調査いたしたのでございまするが、これは三十五年三月現在でございます。これを一〇〇といたしますると、三百戸未満のものが二九、それから三百一戸から五百戸までのものが三五%、それから五百一戸から七百戸までのものが二二%、それから七百二月から一千戸までのものが一〇%、一千戸以上のものが五%、こういうような状況でございまして、大体一番大きなウエィトを占めておりまするのば、三百戸ないし五百戸というようなところのものが大体中心になつでおる、こういうような状況でございます。そういう関係からいたしまして、それでこのあとの資料でございまするけれども、「単協の財務」の状況といいまするものも必ずしも十分な状況にはなっていない、こういうようなことに相なっておるわけでございます。そういうようなことで、事業の方もなかなか思うように農民の期待に沿うような姿では動きにくい面も相当あるのでございまして、先ほど申し上げましたように有能な職員を置いておくというようなこともなかなかむずかしいというような状況にあるのでございまするので、こういう点を一つ農協合併によって改善をしていこう、こういうことを考えましたのがこの法案の目標でございます。
 そういたしまして内容といたしましては、先ほど申し上げましたように、農協合併の助成法の目的は第一条でございまするが、その次に第二条といたしましては合併経営計画を樹立をするということでございまするが、これは農業協同組合が合併によりまして、合併後の組合を適正かつ能率的な事業運営を行なうということができる組合といたしまするために、共同して合併及び合併後の組合の事業経営に関する計画を立てる、こういうようなことを考えておるのでございまして、これを都道府県知事に提出をいたしまして、そこでその計画が適当であるかどうかということを認定を受ける、こういうことを考えておるのでございます。そういたしまして、都道府県知事が認定をいたしまする場合には、都道府県の農業協同組合中央会、その他農業協同組合に対しまして学識経験を有する者の意見を聞くということにいたしておるのでありまするが、これは実際問題といたしましては、農業協同組合合併のための協議会といいまするか、あるいは委員会といいまするか、そういうようなものが県の段階で作られて、そこでいろいろの県が認定いたしまする場合の相談のあずかる、こういうふうな格好になろうかと考えておるのでございます。その合併経営計画の内容につきましては、どういう内容のものを合併経営計画において織り込むかといいますることが第三条に書いてあるのでございます。そういたしまして、その内容について第四条が、先ほど言いましたように、それについての都道府県知事が適否の認定をすると、こういう条文に相なっておるのでございます。それからこれに対しましては、今までいろいろ各県でも農協の合併といいますることは非常に力を注いできたのでございまするが、国としてこれについての援助の施策といいますものが行なわれていなかったのでござまいして、この点を今度の合併助成法によって国として積極的に援助していこう、こういうことを考えておるのでございます。これが第五条の助成措置でございます。合併の促進に対しまして国が積極的な助成をしていく、こういう考え方でございます。この内容でございまするが、三十六年度の予算にも六千三百八十四万八千円という合併の促進のための補助金を計上いたしておるのでございます。そのおもなる内容は、合併につきましての県の指導費が、一件当たりわずかに十万円でございまするけれども、県の指導費を一つとして組んでおります。それからその次に合併後の農業協同組合が経営をうまくやっていきまするように、農業協同組合中央会から駐在指導員を派遣をいたしまして、そうしまして農業協同組合の合併後の経営の指導に当たっていく、こういう内容の補助金を計上いたしておるのでございまして、これが総額で四百万円余りでございまするが、これは九十二組合に対しまして、一組合当たり四万四千円という内容のものでございます。九十二組合といいまするのは、当初年度の計画としては一県当たり四件、四件ですから四つの合併が行なわれるというふうに一応の見込みを立てておるのでございまして、それが百八十四ということになるのでございまするので、その半分については駐在指導員を置いて指導する必要があろうというふうな見当で予算を計上いたしておりますわけでございます。それから第三番目に補助の内容といたしましては、合併をいたしました場合におけるところの施設の整備費の補助金でございます。これは総額におきまして五千五百万円という金でございまするが、これは一件の合併に対しまして国費は三十万円でございまするが、これは三分の一補助というふうに考えているのでございまして、県費で同額の補助をする、それから自己負担がやはり同額あるというようなことで、全体といたしましては平均して九十万円というものが施設の整備費に使われる、こういう内容になっているのでございます。九十万円といいますのは、合併の一つの補助金といたしましてはきわめて小さいものであろうと思うのでございまするが、今後合併をいたしました協同組合がほんとうに近代的な能率的な運営をしていくということのために、特に必要な施設につきましてこれは使ってもらうというふうにまあ考えているのでございまして、これこれということで施設を限定しているような性格のものではございませんので、その協同組合実情に一応じて一番必要なものに使っていってもらうというようなつもりでおりますわけでございます。それが大体第五条の合併につきましての国の助成措置の内容でございます。
 それから今まで合併につきまして非常に障害となっておりましたのは税法上の問題でございまして、赤字のあります組合が合併するというような場合におきましては、非常に税法上の問題が問題になっておりましたわけでございます。そこで今度の合併助成法を契機といたしまして、この助成法にはございませんが、別に国会に提案をいたしておりまする租税特別措置法の一部を改正する法律案におきまして、農業協同組合の合併についての税法上の特例を設けようということに相なっているわけでございます。
 その第一は、租税特別措置法の第六十六条の二という改正法案でありまするが、これは合併によって消滅しました組合の清算所得につきましての特例でありまして、すなわち、清算所得のうち評価益からなる部分がありますときには、その評価益に相当する金額をその資産の帳簿価額として記帳しませんで、特別勘定として経理をいたしましたときには、その部分は清算所得の計算には含ましめないことにいたしまして、従ってこれに対しましては税金をかけない、こういうことに相なりますわけでございます。
 それから清算所得のうちに任意積立金からなりますものがある場合には、その金額については清算所得に対する法人税は課さないということにいたしましたわけでございます。それは租税特別措置法の改正案の六十六条の三という新しい条文でございます。これは「積立金額から成るものがある場合には、当該金額については、同法の規定にかかわらず、清算所得に対する法人税は、課さない。」 という改正条文でございます。
 それからその次は、農業協同組合が青色申告制度によりまして欠損金の繰り越しを認められているのでありまするけれども、合併によって解散をいたしますと、その解散組合の欠損金は合併組合において欠損金として繰り越すことが認められない、こういうことになるわけでございまするので、これを今回の合併の場合には認めていく、いわゆる欠損金の繰り越しを認める、こういう内容のものでございます。これは租税特別措置法の改正法案の第六十六条の五という新しい条文の内容になっておるのでございます。
 それから第三番目に、合併によりまして不動産の権利の移転がございます。この場合に、不動産の権利の取得の登記をいたしまするときに、登録税の免税をする、登録税については非課税にする、こういう内容のものでございまして、これが租税特別措置法の改正案の第八十一条の二という条文に相なっておるのであります。
 以上の補助金及び税法上の特例を講じまして、農協の合併を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、この農協の合併につきましての国の特別な援助、特に税法上の特例といいまするものは、昭和三十六年の四月一日から昭和四十一年の三月三十一日まで、すなわち五年間、この特例によりまして五年間に合併をいたしまする農協につきましては、国が積極的援助をしていくという考え方で合併を促進していくという考え方に立っておるものでございます。
 以上、非常に簡単でございますが、農業協同組合合併助成法案の内容につきまして補足的な説明を申し上げました。

発言情報

speech_id: 103815007X01819610322_025

発言者: 坂村吉正

speaker_id: 3990

日付: 1961-03-22

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会