村山道雄の発言 (予算委員会)

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○村山道雄君 国民所得倍増計画は、言うまでもなく現在わが国のすぐれた学識経験者をすぐって作られました経済審議会の答申を採用されたものであり、まことにりっぱなものであります。しかしながら私に言わせていただきますると、先ほど大臣にお伺いをいたしました未開発地域住民の所得、すなわち購買力、言いかえれば担税力を引き上げることによる経済効果の認識、また未開発地域の貧困の悪循環を切断する方法についての正しい把握という点におきまして、読みが浅いと申しますか、あるいは経済効果の見方が初等数学的であったと申しますか、とにかくいささか配慮を欠いた点があったと存ぜられるのであります。そのことは、計画書が一方では「産業基盤強化のための投資は計画の前半期に、かなり重点的に投資することがのぞましいと考える。」と言い、また「新規労働力の供給は三十八年度から四十二年にかけて高く、その後は相当落ちることになると予想される。後半期においても、農村人口の流出は進められるであろうが、成長にともなって労働市場はいっそうひっ迫の度を加えることになろう。」、「とくに労働力の質的量的供給の、面で、成長の制約、要因が生ずる可能性がある。」というふうに言っております。そう言っておきながら「計画期間の後半期に重点をおいて、新たに、北海道、東北、裏日本等の後進地域における大規模工業地帯の育成に着手し、」とかあるいは「北海道、東北、裏日本は期間中において現に行なわれている既定の計画を実施するが、これら地域は倍増計画につづくつぎの期間にいっそう重要な役割を果すものと考えられるので、計画期間の後半期に重点をおいて、慎重な配慮で選定された地点につき大規模な中心的工業地帯となるにふさわしい外部条件の整備を図る。これ等工業地帯を中核として、工業化を促進する。」というふうに申しておりまするが、これでは未開発地帯が所得倍増計画完成期間後まで置いてきぼりになり、所得の地域格差が是正されぬばかりではなく、ますますひどくなることは明瞭であると考えるのであります。しかしながら閣議決定の所得倍増計画の構想の中ではこの点に関しまして、「産業の適正配置にあたっては、わが国の高度成長を長期にわたって持続し、企業の国際競争力を強化し、社会資本の効率を高めるために経済合理性を尊重していくことはもとより必要であるが、これが地域相互間の格差の拡大をもたらすものであってはならない。」と明らかに記されておるのでございます。この場合に、構想の方の考え方によるべきものであるということは、ただいまの大臣の明快なる御答弁によりましてはっきりいたした次第でございます。閣議決定に際しまして、この構想に矛盾すると思われる事実に筆を加えられなかったことは残念に存じまするが、計画が審議会の膨大なる答申でありましたために、困難なる事情は十分に了解することができるのでございます。
 そこで迫水国務大臣にさらに進んでお尋ねいたしたいのでございまするが、未開発地域開発計画のうちで、東北開発促進計画は前に述べましたように、その公共事業及び公益事業の総投資額が閣議で決定されておるところにその特色がございます。これに基づいてすでに前期計画の七五%が実現に移されておるのでございます。しかるにこの計画の目標は、昭和四十二年度に十年前に比べて一七四・一%に上ることを予定しておるのでございまして、国民総生産が十年間に二倍になることを想定しておりまする国民所得倍増計画に比較いたしまして、その計画規模の小さいことは明らかでございます。この閣議決定の目標を所得倍増計画に適応するように改定をしていただくということは、私が東北開発審議会におきまして迫水国務大臣に、質問を申し上げ御同意を得ている点でございます。しかし、倍増計画の中には先ほど申しましたように「北海道、東北、裏日本は期間中において現に行なわれている既定の計画を実施するが、」というような限定的な表現がされております。しかしこの点も構想の方では「後進性の強い地域の開発促進ならびに所得格差是正のために、速やかに国土総合開発計画を策定し、その資源の開発につとめる。」とございます。この場合構想が適用されることは、ただいまのお答えによりましても明らかであると思います。そこで現に行なおれております既定の計画の中でも、その投資目標を閣議で決定しておりますような場合に、所得倍増計画と比べてはなはだしく水準の低くなってしまったような場合には、必要な改定を行なっていただく御意思であると思いますが、その通りでありますかどうか、これが第一点。
 なおその意思があるといたしますならば、われわれといたしましてはできれば昭和三十六年度予算の要求に間に合わしていただきたいのでございます。そうして本委員会で小平委員に対する迫水大臣の御答弁によりますると、全国の総合開発計画がことしの六月までにできる由でございます。そこでこのことは可能でもあり、また必要なことでもあると考えるのでございまするが、大体いつごろまでに改定していただけるのでございますか、これが第二点でございますが、合わせてお答えをいただきたいのでございます。

発言情報

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発言者: 村山道雄

speaker_id: 17986

日付: 1961-03-14

院: 参議院

会議名: 予算委員会