湯山勇の発言 (文教委員会)

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○湯山委員 先般予算委員会で、文部大臣が七月の二十一日に四国の市町村教育長の研修会でごあいさつをなさったその内容が問題になっておりましたが、そのことに関してお尋ねをいたしたいと思います。当日大臣が一時間余にわたって四国の各町村の教育長あるいは付近の校長その他を集めてお話しになった内容がいろいろ問題になったことは大臣もよくおわかりのことだと思います。これについて大臣はその後八月の一日に日朝協会の代表とお会いになって心境その他の御釈明がありましたし、また九日の野原委員のこの件に関する質問について、いろいろ御答弁がございました。その御答弁がまた新しい問題を起こしておりまして、そのことについてお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。と申しますのは、大臣の従来申し述べておられたこと、おとりになった態度、そういうものと先般の予算委員会での御答弁とはかなり違っておるし、それからまた大臣のお考えそのものも若干違っておるというような印象を受けております。
 そこでお尋ねいたしたい点は、大臣はあの講演の中で、大部分は日教組の攻撃的な談話をなされておる。ただ、特に教育的なものというのは、その最初にお述べになった点であったと思います。その最初の部分で、教育の目的というものは国土を愛する、民族文化を愛する国民を育てて、人格、識見を身につけさすことが教育の目的であるという御信念を披瀝されて、そしてそれに続いて、日本民族はすぐれた民族だということをお述べになる段階では、これだけの文化を持つ民族はほかにはない、これはわれわれの先祖の努力のたまものだ、どういうふうにおっしゃっておられます。それに引き続いて、劣等民族というのは先祖の努力が足りなかったからで——そしてそのあとに、われわれはよくぞ朝鮮人やアフリカの土人に生まれなくてよかったということをお述べになっております。そこでそういう前提に立って、これからの教育はどうなくてはならないかということにお触れになって、そういう民族の誇り、そういうものをよく理解するためには、これからの教育では日本の地理、歴史をもっとよく教えなくてはならない——という意味は、最初にお述べになった国土を愛し民族文化を愛する、こういうことにつながってくると思います。ここまでは大臣の御論旨は終始一貫しておりました。そして戦後の教育はマッカーサー司令部によって歴史や道徳教育に大きな穴があいた。その穴があいたまま最近までやってきたのであって、その結果全学連のような親不孝者が出てくるし、あるいはカミナリ族や青少年犯罪の数が増加してきた。こういう穴をますます大きくしようと努力しているのが日教組のばか者どもであると、以下は全くそういう論旨で、ただ、今私が述べた範囲が、先般の大臣の演説の中でほんとうに教育に触れた部分であった、私はそう聞いています。
 私がこういうことを申し上げるのは、私は何に基いて申し上げておるかということを先に申し上げた方がいいかと思いますから、私の手元の資料をまず申し上げますと、当時の愛媛新聞——大臣の談話の要旨として発表になった愛媛新聞、それから当時会場の中で文部大臣のそのお話をメモしておった者が相当ございます。その中のメモの一部、それから文部大臣が愛媛新聞に対してお出しになった取り消しの写し、それから大臣のそういう演説に対して、大臣に対していろいろ意見を述べて、抗議的な文書を出した人があります。その人に対して大臣の中島一郎秘書官が出した手紙の写し、それから愛媛新聞社から大臣の取り消し要求に対して参った返事の写し。それから大臣はあるいは覚えていらっしゃらないかもしれませんけれども、大臣と私はちょうど宇野の駅でお目にかかってお喜びを申し上げたことを私は覚えておりますが、大臣は御記憶ないかもしれません。たまたま私はうちに帰っておりまして、実は私が今読み上げました部分等については、ラジオの放送を私は聞きました。そういう資料によってお尋ね申し上げておるわけですから、前もって私の持っておる資料を申し上げておいた方が、大臣からお答えいただきやすいと思いますので、そういう資料に基づいてお尋ねしておるということを明らかにしておきます。
 大臣は、その後新聞社に対して取り消しの要求をなされておりますし、また日朝協会等の代表に対しても遺憾の意を御表明になっておられます。それは、朝鮮人やアフリカの土人に生まれなくてよかったというそのことが、どうも具体的にそういう名前まであげるのは悪かった、まずかったということで、野原委員の質問に対しては、「ただし民族の名前を具体的に出すことは一体どうだというお話も出ました。その点は、要すれば言わない方がようございましたねということで、取り消したらどうだという話だから、ここで、愛媛新聞には、私の言ったこととニュアンスはだいぶ変えて出しておりましたけれども、民族の名前を出したことだけは、そのまま書いておりましたから、私も愛媛新聞に対しましては、取り消しの要求をいたしました。」この答弁は、民族の名前を取り消すというようにお答えになっておる、こう受け取れますが、これは大臣のほんとうに愛媛新聞に対して取り消しの要求を出されたものとは違っておるわけです。いずれが真実でございましょうか。

発言情報

speech_id: 103905077X00519611013_002

発言者: 湯山勇

speaker_id: 34669

日付: 1961-10-13

院: 衆議院

会議名: 文教委員会