荒木萬壽夫の発言 (文教委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○荒木国務大臣 今返事を読んでいただいて、なるほどそういう内容の返事をいただいたということが思い浮かべられますが、返事そのものは新聞社としてもっともなことを言っておられると思いました。私が取り消し要求をしましたのは、今読まれたことではっきりいたしますが、朝鮮人やアフリカ土人という言葉を具体的に申したことは今でも恐縮に思っております。要らざることを言ったものだと思います。だからと言って、劣等民族といった概念は私にはないことはさっき申し上げましたが、長所、短所はそれぞれの民族にあると思います。日本人の長所に劣る点を持っておる民族が、その部分については劣っておるということは、注釈を加えないでも当然そういう意味合いであることは言わずもがなでございますが、だからといってその部分で劣っておる民族といえども、日本人よりまさった長所をそれぞれ持っておるわけでございますから、包括的に、部分的な日本人の長所があるからそれに劣った民族はすべて劣等民族と誓うこと、それ自身が不合理なこともありますし、そういうことを表現する必要がない、だから私はいまだかつて言った覚えがないと自分では自負いたしております。のみならず、それに追っかけて、そのこともまたその民族の先祖の努力が足りないからそんなふうになったんだ、ざま見ろというばか念を押すことは私の論旨から絶対に必要としない。日本人の長所を伸ばし、短所をためていこうじゃないか、日本の国土のよさを伸ばし、また国土の欠陥を補う努力を先祖に負けないようにしていこうじゃないか、日本が他の民族からよき文化を持っておると客観的に認めてもらっておることは先祖の努力であり、われわれも負けないように、もっとそれを乗り越えていいものに育て上げようじゃないか、しかしまた他の民族に文化的に劣っておる点もある、それはまたその民族の長所を取り入れながら、これまた先祖に劣らぬ努力で欠陥を補っていこうじゃないかということを申したのでございます。従って取り消し要求は、朝鮮人とかアフリカ土人という言葉を言いましたことは確かだと私も思っており、一緒に行きました秘書官も聞いておりまして、朝鮮人や何とかいうものを引き合いに出して大臣はしゃべったようだが、あれは要らぬことだったなとその直後にも感想を述べております。その後日朝協会等の方が話しに来られましたので、当時一緒に行きました秘書官の記憶等もたどりながら、はたして新聞に書いてあった通りを言ったかどうかを確かめてもみたのですけれども、民族の名前を具体的に言ったことは確かで、しまったと思ったくらいだった、しかし劣等民族と言い、あるいはその民族の祖先の努力が足りないからだということは言わなかったということは、秘書官からも聞いておりましたから、従ってその点をそういう私の記憶と秘書官の記憶とをつづり合わせまして、取り消し要求の部分はその部分に限ったわけでございます。それでは取り消し要求をしたらどうだと日朝協会の方も言われまして、それはむろんいたしましょう、しかしその民族の名前は私は言いましたから、この点ははなはだ遺憾だった、その他の、総括的に劣等民族視するという概念を与える部分、これは私は言いませんでしたから、その点を取り消し要求いたしましょうという話をいたしまして、取り消し要求したわけでございます。新聞社の方は速記をとるか録音をとるかして書かれたかどうか私は知りませんけれども、少なくとも私と一緒に行きました秘書官が関心を持って聞いておったはずでございますが、その記憶に従えばそういうことはない、同時に先ほど来るる申し上げますように、私自身の意識の中には、そういう点が特に取り上げられましてもよみがえらない、そんなことを言ったはずがないという気持だけは私なりには一貫しておりますから、その記憶をたどって、その事実なしと結論して取り消し要求をした、心理描写を申し上げればそういう経過でございます。