荒木萬壽夫の発言 (文教委員会)
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○荒木国務大臣 今湯山さんの読み上げられました返信の写しは、本物と違っていないと思います。私が野原さんにお答えしましたときに、その返信の文章までもはっきり念頭に浮かばないままに、私の気持を、気持だけでもってお答えしたものですから、言葉が足りないことと、不正確な部分の両方がごっちゃになっていると思います。その点は私も遺憾に存じます。私が申し上げました意味を注釈を加えさしていただけば、今申し上げましたように、具体的な民族の名前をあげつらったことは、衷心より恐縮に思っておるので、無用なことだといまだに思います。ですけれども、ことさら包括的に劣等民族視するということは、論理的にもそういうことがあるはずがございませんし、長短おのずからあるわけですから、長所だけを、とかくこのごろの若い者は忘れがちだから、長所もあるぞということを強調したい、同時に短所もある。長短それぞれ長所を伸ばし短所をためる努力をする責任がわれわれ日本人としてはあるんじゃないか、それも先祖に負けない気概を持ってやるべきだということを説かんとして申し上げたわけであります。従ってその具体的な民族の名前の部分は、新聞に書かれても私は一言もない。まさに事実であることを明確に私も記憶しておりますから。ただ、それをさらに追っかけて包括的に、劣等民族であり、さらにそれがお前たちの祖先の不変の努力が足りないせいであるということを言った覚えはないという点で、取り消し要求をしましたが、新聞社の方では今お読み上げになったような趣旨のお返事をちょうだいしました。それに対してさらに、反証をあげるだけの根拠が私には客観的なものがない。私の記憶と私の秘書官の記憶とを根拠にして、まさにそれが事実そのものであると思ったから取り消し要求の文言にいたしたわけでございまして、それでもなおかつ今読み上げられましたがごとき新聞社側の意向が出てきますれば、それに抗しようもない。具体的にはそれにさらに抗弁する根拠は私にはございませんから、いわば泣き寝入りといえば泣き寝入り、いわば加害者の部分と被害者の部分と両方あるという気持であるものですから、そのことをとっさに野原さんにお答えしました言葉が十分でなかったことを今にして思います。その点は遺憾に思いますが、これまた心理的な内容を申し上げますれば、私はそう思っておるわけであります。